福島県には、まだあまり知られていない静かな穴場スポットがいくつもあります。以下は、比較的に混雑しないおすすめの2か所です。
1. 霧幻峡(福島県金山町・三島町)

福島県大沼郡金山町と三島町の境を流れる只見川にある「霧幻峡(むげんきょう)」は、その名の通り、夏の朝夕に川霧が発生し、まるで幻のような美しい景色が広がる穴場観光スポットです。
歴史的な成り立ち:
- かつて、霧幻峡周辺には三更(みふけ)と呼ばれる集落があり、住民は対岸との行き来に手漕ぎの渡し船を利用していました。
- 1964年の土砂崩れにより裏山が崩壊し、三更集落は廃村となりました。
- 約50年後、廃村集落の再生と観光振興のため、地元の建設会社役員が中心となり、2011年に観光用の手漕ぎ渡し船「霧幻峡の渡し」が復活しました。
- 霧に包まれる幻想的な風景から「霧幻峡」と名付けられました。
良い所:
- 幻想的な絶景: 夏の朝夕に見られる川霧は、息をのむほどの美しさです。霧に包まれた渓谷をゆっくりと進む手漕ぎの渡し船は、まるで絵画のような風景です。
- 自然豊かな環境: 周囲は豊かな自然に囲まれており、四季折々の美しい景色を楽しめます。特に新緑や紅葉の時期は格別です。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 観光地化されすぎていないため、静かで落ち着いた時間を過ごせます。日常の喧騒から離れて、ゆっくりと自然を満喫したい方におすすめです。
- 手漕ぎ渡し船の体験: 昔ながらの手漕ぎ渡し船に乗るという貴重な体験ができます。船頭さんの話を聞きながら、ゆっくりと景色を眺めるのは格別です。
- パワースポット: 度重なる災害を逃れた大山祇神社や子安観音、霧幻地蔵などが残っており、パワースポットとしても注目されています。
残念な所:
- アクセス: 公共交通機関でのアクセスはやや不便です。JR只見線早戸駅から徒歩圏内ですが、本数が少ないため、事前に確認が必要です。車での訪問が便利です。
- 川霧の発生: 川霧は自然現象のため、必ず見られるとは限りません。特に、天候や気温などの条件が揃わないと発生しにくいです。見たい場合は、夏の朝夕の時間帯を狙って訪れる必要があります。
- 冬季休業: 渡し船の運航期間は通常4月下旬から11月中旬までで、冬季は休業となります。
- 船着場周辺の設備: 船着場周辺には、お手洗いや雨具の準備がない場合があります。事前に確認し、必要なものは各自で用意する必要があります。
- 予約必須: 渡し船は基本的に予約制です。当日乗船できる場合もありますが、事前に予約しておくことをおすすめします。
見どころのスポット:
- 霧幻峡の渡し: 手漕ぎの渡し船に乗って、川面から霧に包まれた幻想的な景色を堪能するのが一番の見どころです。
- 三更集落跡地: 廃村となった三更集落の跡地には、大山祇神社や子安観音、霧幻地蔵などが当時のまま残っています。歴史を感じながら散策できます。
- 霧幻地蔵付近の絶景ポイント: 船上から見るのとはまた違った絶景を楽しめる場所があります。
- 古民家: 集落跡には古民家が残っており、中を見学できる場合があります。当時の生活の様子を垣間見ることができます。
- 只見川の四季折々の風景: 川霧が発生しない時期でも、新緑、紅葉、雪景色など、四季折々の美しい自然を満喫できます。
- 周辺の観光スポット: 早戸温泉つるの湯、沼沢湖、妖精美術館など、霧幻峡周辺にも魅力的な観光スポットがあります。
霧幻峡は、手つかずの自然の中で、幻想的な風景と静かな時間を過ごしたい方におすすめの場所です。訪れる際には、事前に情報を収集し、時間に余裕をもって計画を立てることをおすすめします。
2. 雄国沼湿原(福島県耶麻郡北塩原村)

雄国沼湿原は、裏磐梯(うらばんだい)に位置する標高約1,100mの高層湿原です。手つかずの自然が色濃く残り、特に初夏にレンゲツツジが咲き誇る景色は息をのむ美しさです。
歴史的な成り立ち
雄国沼は、約3万年前に起こった磐梯山の火山活動によって形成されました。山体崩壊によってできた窪地に水が溜まり、そこに湿原植物が生育し、長い年月をかけて現在の姿になったと考えられています。周囲の山々からの湧水や雨水が水源となっており、豊かな自然を育んでいます。
古くから山岳信仰の対象ともされており、修験者たちが訪れる場所でもありました。現在では、その貴重な自然環境を守るために、様々な保護活動が行われています。
雄国沼湿原の良い所
- 息をのむ絶景: 特に6月中旬から7月上旬にかけて、湿原一面に咲き誇るオレンジ色のレンゲツツジは圧巻です。青い空と緑のコントラストも美しく、写真愛好家にも人気のスポットです。
- 手つかずの自然: 高層湿原特有の植生が豊かに残っており、ミズバショウ、ワタスゲ、ニッコウキスゲなど、季節ごとに様々な高山植物を観察できます。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 奥まった場所に位置するため、比較的観光客が少なく、静かに自然を満喫できます。都会の喧騒を離れて、ゆっくりと散策したい方におすすめです。
- 整備された木道: 湿原内には木道が整備されており、足元を気にせずに安全に散策できます。
- 周辺の自然も豊か: 裏磐梯には五色沼や桧原湖など、他にも多くの自然豊かな観光スポットがあり、合わせて楽しむことができます。
雄国沼湿原の残念な所
- アクセス: 公共交通機関でのアクセスは限られており、自家用車やタクシーの利用が便利です。登山道を歩くルートもあり、体力が必要です。
- 天候に左右される: 高地にあるため、天候が変わりやすく、雨具などの準備が必要です。また、霧が発生しやすい場所でもあります。
- 時期を選ぶ: レンゲツツジの見頃を過ぎると、やや地味な印象を受けるかもしれません。訪れる時期によって景観が大きく異なります。
- 売店や休憩施設が少ない: 湿原周辺には、大規模な売店や休憩施設はほとんどありません。事前に飲み物や軽食を準備しておくことをおすすめします。
- 冬季は閉鎖: 冬季は積雪のため、湿原へのアクセスは基本的にできません。
雄国沼湿原の見どころスポット
- レンゲツツジ群生地: 湿原の中央部から奥にかけて広がるレンゲツツジの群生地は、最も見ごたえのあるスポットです。オレンジ色の花が一面に咲き誇る様子は、まさに絶景です。
- 木道散策路: 湿原内を巡る木道は、様々な角度から湿原の景色を楽しめる絶好の散策路です。ゆっくりと歩きながら、足元の植物や周囲の景色を観察しましょう。
- 雄国沼展望台(湿原入口付近): 湿原全体を見渡せる展望台からは、レンゲツツジの絨毯のような景色や、周囲の山々の雄大な景色を一望できます。
- 雄国山: 湿原の背後にそびえる雄国山は、登山を楽しむことができます。山頂からは、雄国沼湿原や裏磐梯の山々を一望できる絶景が広がります(登山道は整備されていますが、ある程度の体力が必要です)。
- 湿原の植物たち: レンゲツツジの時期以外にも、ミズバショウ、ワタスゲ、ニッコウキスゲなど、季節ごとに様々な高山植物が咲き、湿原を彩ります。足元に咲く小さな花々にも注目してみましょう。
雄国沼湿原は、手つかずの自然の中で、美しい景色と静かな時間を過ごせる魅力的な場所です。訪れる際には、事前の情報収集と準備をしっかりとして、自然を満喫してください。
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