東京都内にも混雑を避けて楽しめる静かな観光地があります。以下は、比較的に訪れる人が少ないおすすめの穴場スポットです。
1. 浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)

東京都の穴場観光スポット:浜離宮恩賜庭園
① 概要
浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしおんていえん)は、東京都中央区にある都立庭園です。江戸時代には徳川将軍家の別邸として利用され、潮入の池と二つの鴨場を持つ、都内では珍しい回遊式水庭園です。高層ビル群を背景に、広大な敷地で四季折々の自然と歴史的な景観を楽しむことができる、都会の喧騒を忘れさせてくれる穴場スポットと言えるでしょう。
② 歴史的な成り立ち
浜離宮の歴史は江戸時代初期に遡ります。
- 寛永年間(1624~1644年): 甲府藩主・徳川忠長がこの地に屋敷を築いたのが始まりとされています。当時は海に面した場所で、鷹狩りなどが行われていました。
- 承応年間(1652~1655年): 4代将軍・徳川家綱の弟である松平綱重が拝領し、大規模な庭園を築造しました。この頃に潮入の池や鴨場の原型ができたと考えられています。
- 歴代将軍による改修: その後、歴代の将軍によって改修や増築が行われ、庭園としての景観が整えられていきました。特に6代将軍・徳川家宣の時代には、回遊式庭園としての基礎が確立されました。
- 明治時代以降: 明治維新後、皇室の所有となり「浜離宮」と呼ばれるようになりました。関東大震災や戦災で大きな被害を受けましたが、復旧工事を経て、昭和21年(1946年)に東京都に下賜され、「浜離宮恩賜庭園」として一般公開されるようになりました。
③ 良い所
- 都会の中のオアシス: 高層ビル群に囲まれた場所にありながら、広大な敷地で豊かな自然を感じることができます。四季折々の草花や樹木、潮入の池の景色は、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。
- 歴史的な景観: 江戸時代の将軍家別邸の面影を残す庭園の造りや、茶屋などの歴史的建造物を見学することができます。当時の文化や生活に触れることができる貴重な場所です。
- 潮入の池というユニークな特徴: 海水を引き入れた潮入の池は、時間帯によって景色の変化を楽しむことができます。また、池の中島には茶屋があり、風雅な時間を過ごせます。
- 四季折々の楽しみ: 春は桜や菜の花、夏は新緑、秋は紅葉、冬は水鳥の観察など、一年を通して様々な自然の表情を楽しむことができます。
- アクセスが良い: 都心に位置しており、電車やバスなど公共交通機関でのアクセスが容易です。
- 比較的空いている: 有名な観光地に比べると、比較的落ち着いて散策できることが多いです。静かに自然や歴史に触れたい方におすすめです。
④ 残念な所
- 往時の建物は少ない: 関東大震災や戦災で多くの建物が焼失しており、現存する江戸時代の建物は限られています。当時の壮麗な様子を想像するには少し物足りないかもしれません。
- 自然以外のエンターテイメント要素は少ない: 遊園地のようなアトラクションや、商業施設などは併設されていません。純粋に庭園の景観や自然を楽しむことを目的とする方向けです。
- 天候に左右される: 屋外の庭園であるため、雨天時は散策がしにくい場合があります。
- アップダウンが少ない: 平坦な地形が中心であるため、ダイナミックな景観の変化は少ないかもしれません。
⑤ 見どころのスポット
- 潮入の池と中島の御茶屋: 庭園の中心となる潮入の池は、潮の満ち引きによって景観が変化します。池に浮かぶ中島の御茶屋(中島の茶屋)では、抹茶などをいただきながら景色を堪能できます。
- お伝い橋: 中島の御茶屋へ続く木造の橋で、池の水面を渡る風情があります。
- 三百年の松: 6代将軍・徳川家宣が植えたとされる巨大な黒松。樹齢約300年を超える堂々とした姿は圧巻です。
- 鴨場: 潮入の池を利用した二つの鴨場(庚申堂鴨場、新銭座鴨場)は、当時の狩猟の様子を今に伝える貴重な遺構です。
- 将軍お上がり場跡: 海から船で庭園に出入りする際に利用された場所の跡。当時の様子を偲ばせます。
- 延遼館跡: 明治時代に建てられた洋風建築の迎賓館の跡。現在は広場となっており、潮入の池や庭園を一望できます。
- 四季折々の花々: 春の桜や菜の花、秋の紅葉など、季節ごとに美しい花々が庭園を彩ります。散策しながら、足元の草花にも注目してみてください。
- 高層ビル群とのコントラスト: 庭園内から見える周囲の高層ビル群とのコントラストは、都会ならではの独特な景観を生み出しています。時間帯によって異なる表情を見せるのも魅力です。
浜離宮恩賜庭園は、都会の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間を過ごせる魅力的な場所です。歴史と自然が調和した美しい空間で、思い思いの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
2. 深大寺(じんだいじ)と周辺(東京都調布市)

東京都の穴場観光スポット:深大寺とその周辺
① 概要
深大寺は、東京都調布市にある由緒ある古刹です。都心からのアクセスも比較的容易でありながら、豊かな自然に囲まれ、静かで落ち着いた雰囲気が魅力です。厄除けや縁結びの寺として信仰を集める一方、周辺には趣のある門前町が広がり、蕎麦の名店や個性的な雑貨店、緑豊かな公園などが点在しています。都会の喧騒を忘れ、歴史と自然、そして食を楽しむことができる、まさに穴場と呼ぶにふさわしいエリアです。
② 歴史的な成り立ち
深大寺は、奈良時代の天平5年(733年)に満功上人によって開創されたと伝えられています。その名前は、この地に住んでいた豪族、深大竜王に由来すると言われています。武蔵野の豊かな水源に恵まれたこの地は、古くから人々の生活と信仰の中心でした。
平安時代には、源信(恵心僧都)によって再興され、天台宗の寺院として発展しました。江戸時代には、徳川家康から寺領を与えられ、格式の高い寺院として知られるようになりました。度重なる火災に見舞われましたが、その都度再建され、現在に至るまで多くの人々の信仰を集めています。特に、元三大師(がんざんだいし)を祀るお堂は厄除けの霊験あらたかとして有名です。
③ 良い所
- 豊かな自然と静寂: 境内は緑が多く、湧水も豊富で、都心に近いとは思えないほどの静けさに包まれています。四季折々の自然を感じながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
- 歴史と文化: 約1300年の歴史を持つ古刹であり、風格のある本堂や元三大師堂、深大寺城址など、歴史的な見どころが多く存在します。
- 美味しい深大寺そば: 周辺には多くの蕎麦店があり、湧水で打たれた風味豊かな深大寺そばを堪能できます。店ごとに個性があり、食べ歩きも楽しめます。
- 趣のある門前町: 深大寺の参道には、昔ながらの茶屋や土産物店、個性的な雑貨店などが並び、散策するだけでも楽しめます。
- 周辺施設の充実: 神代植物公園や都立武蔵野の森公園など、広大な自然を楽しめる施設が近くにあり、深大寺と合わせて一日中楽しむことができます。
- 比較的アクセスしやすい: 電車やバスを利用して都心から比較的容易にアクセスできます。
④ 残念な所
- 混雑する時間帯がある: 特に週末や祝日、縁日などは参拝客や観光客で賑わい、静かな雰囲気を楽しみたい場合は時間を考慮する必要があります。
- 雨天時の散策: 門前町は屋外の散策が中心となるため、雨天時はやや楽しみが減ってしまう可能性があります。
- 夜間の雰囲気: 夜間は店が閉まり、人通りも少なくなるため、昼間のような賑やかさはありません。
- 坂道や階段: 境内や周辺には多少の坂道や階段があるため、足腰に不安のある方は注意が必要です。
⑤ 見どころのスポット
深大寺自然広場: 深大寺の南側に広がる自然豊かな公園。散策路や広場があり、ピクニックや自然観察を楽しむことができます。湧水を利用した池もあり、水生植物も見られます。
深大寺本堂: 江戸時代に再建された重厚な建物で、本尊の阿弥陀三尊像が安置されています。静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝することができます。
元三大師堂: 厄除け大師として知られる元三大師を祀るお堂。多くの参拝客が訪れます。おみくじやお守りも人気があります。
深大寺そば店: 門前町には多くの蕎麦店が軒を連ねています。それぞれに特徴があるので、いくつか巡って食べ比べてみるのもおすすめです。
深大寺門前: 昔ながらの雰囲気を残す参道。蕎麦屋や土産物店、甘味処などが並び、散策やお土産選びに最適です。
深大寺城址: 深大寺の北側に位置する城跡。土塁や空堀などが残り、当時の面影を偲ぶことができます。散策路も整備されており、自然を楽しむこともできます。
鬼太郎茶屋: 深大寺の近くにある、漫画家・水木しげるの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」をテーマにした茶屋。鬼太郎グッズの販売や、キャラクターをモチーフにした食事を楽しむことができます。
神代植物公園: 広大な敷地を持つ都立の植物園。四季折々の花々や植物を観賞できるほか、バラ園や温室など見どころも豊富です。深大寺と合わせて訪れるのがおすすめです。
【JTB】国内旅行(宿泊+ツアー)予約サイト