三重県には、観光地の喧騒を避け、静かに楽しめる穴場的なスポットがいくつかあります。以下におすすめの2か所をご紹介します。
1. 赤目四十八滝(三重県名張市)

三重県の穴場観光スポット「赤目四十八滝」
① 概要
赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)は、三重県名張市赤目町にある全長約4kmの渓谷です。「日本の滝百選」にも選ばれており、大小さまざまな滝と、それらが織りなす美しい自然景観が魅力です。「四十八滝」という名前ですが、実際に48もの滝があるわけではなく、「数多くの滝」という意味合いが込められています。神秘的な雰囲気と豊かな自然に囲まれ、ハイキングや自然散策を楽しむのに最適な穴場スポットです。また、修験道の霊場としても知られ、歴史と文化も感じられる場所です。
② 歴史的な成り立ち
赤目四十八滝は、古くから修験道の行場として知られていました。役行者(えんのぎょうじゃ)が開山したと伝えられ、険しい地形と数々の滝は、修験者にとって厳しい修行の場であったと考えられます。江戸時代には、伊勢参りの参拝客が足を延ばして訪れる景勝地としても知られるようになりました。
「赤目」の名の由来にはいくつかの説があります。その一つに、修験者が修行中に不動明王が現れた際、その目が赤かったという伝説があります。また、滝壺の水が光の加減で赤く見えたからとも言われています。
明治時代以降、観光地としての開発が進められ、多くの人々がその自然美を求めて訪れるようになりました。現在では、自然保護にも力が入れられ、手つかずの自然が大切に守られています。
③ 良い所
- 変化に富んだ自然美: 滝、淵、奇岩などが連続し、歩くたびに異なる表情を見せてくれます。特に、大小さまざまな滝が織りなす景観は圧巻です。
- 手軽なハイキングコース: 遊歩道が整備されており、体力に合わせて気軽にハイキングを楽しめます。初心者から上級者まで、それぞれのペースで自然を満喫できます。
- マイナスイオンと森林浴: 渓谷一帯は豊かな緑に覆われ、滝から流れ落ちる水しぶきはマイナスイオンを豊富に含んでいます。心身ともにリフレッシュできるでしょう。
- 歴史と文化を感じられる: 修験道の霊場としての歴史があり、自然の中にひっそりと佇むお堂などから、いにしえの雰囲気を偲ぶことができます。
- 水が綺麗: 滝壺や渓流の水は非常に透明度が高く、その美しさに見とれてしまいます。水面に映る木々の緑もまた格別です。
- 比較的空いている: 有名な観光地に比べると、比較的混雑が少なく、静かに自然を満喫できる穴場スポットと言えるでしょう。
④ 残念な所
- 公共交通機関でのアクセス: 電車とバスを乗り継ぐ必要があり、ややアクセスしにくいと感じる方もいるかもしれません。自家用車での訪問が便利です。
- 雨天時の足元: 雨上がりや雨天時は遊歩道が滑りやすくなる場所があります。滑りにくい靴を履くなどの注意が必要です。
- 冬季の閉鎖: 冬季は積雪や凍結のため、一部遊歩道が閉鎖される場合があります。訪問前に確認が必要です。
- 売店や休憩所の数: 観光地としては比較的素朴で、売店や休憩所の数は限られています。飲み物や軽食などは事前に用意しておくと安心です。
- 虫対策: 夏場など、時期によっては虫が多い場合があります。虫除けスプレーなどの対策をしていくことをおすすめします。
⑤ 見どころのスポット
- 不動七滝: 赤目四十八滝の中でも特に有名な七つの滝の総称です。それぞれに個性的な美しさがあり、見ごたえがあります。(赤目五瀑と呼ばれることもあります)
- 不動滝: 滝壺が広く、水量も豊富で迫力があります。
- 千手滝: 幾筋もの流れが糸のように落ちる美しい滝です。
- 布曳滝: 白い布を垂らしたような優雅な滝です。
- 荷担滝: 二条の流れが寄り添うように落ちる珍しい滝です。
- 琵琶滝: 滝壺の形が琵琶に似ていると言われています。
- 竜ヶ壺: 深く青い滝壺が神秘的な雰囲気を醸し出しています。
- 大日滝: 豪快な水しぶきが上がる雄大な滝です。
- 霊蛇滝: 細長く流れ落ちる姿が蛇のように見えることから名付けられました。周囲の岩肌とのコントラストが美しいです。
- 陰陽滝: 二つの滝が並んで流れ落ちる珍しい滝です。夫婦滝とも呼ばれ、縁結びのパワースポットとしても知られています。
- 赤目渓谷保勝会: 入口にある施設で、赤目四十八滝の自然や歴史に関する展示を見ることができます。ハイキング前の情報収集に役立ちます。
- 日本サンショウウオセンター: 赤目渓谷に生息するオオサンショウウオをはじめ、様々な水生生物を観察できる施設です。子供から大人まで楽しめます。
- 隠れ滝や淵: 遊歩道を歩いていると、名前のついていない美しい滝や淵に出会うことがあります。ゆっくりと散策しながら、自分だけのお気に入りの景色を見つけてみましょう。
赤目四十八滝は、都会の喧騒を離れて、静かに自然と向き合いたい方におすすめのスポットです。美しい滝の音を聞きながら、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
2. 石鏡温泉(三重県鳥羽市)

三重県の穴場観光スポット「石鏡温泉」
① 概要
石鏡温泉(いじかおんせん)は、三重県鳥羽市石鏡町に位置する温泉地です。漁師町として古くから栄えた石鏡の海岸沿いに湧き出る温泉で、目の前に広がる雄大な太平洋と、新鮮な海の幸を堪能できる点が魅力です。派手さはないものの、静かで落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと温泉と海の景色を楽しみたい方におすすめの穴場スポットと言えるでしょう。
② 歴史的な成り立ち
石鏡温泉の明確な開湯時期は定かではありませんが、古くから漁師たちが漁の疲れを癒やしたとされる湧き水が存在していたと言われています。本格的に温泉地として開発されたのは比較的近年のことで、昭和後期から平成にかけて旅館などが建てられ、徐々に温泉地としての形を整えてきました。
石鏡という地名は、この地の海岸にある丸い鏡のような形をした岩(鏡岩)に由来するとされています。古くから漁業が盛んな地域であり、温泉は漁業に従事する人々の生活と深く結びついてきたと考えられます。近年では、その静かな環境と新鮮な海の幸、そして温泉を求めて訪れる観光客が増えています。
③ 良い所
- 絶景のロケーション: ほとんどの温泉宿や露天風呂から、遮るもののない雄大な太平洋を一望できます。特に夕暮れ時の景色は格別で、心癒やされる時間を過ごせるでしょう。
- 新鮮な海の幸: 石鏡は漁港があり、新鮮な魚介類が豊富です。温泉宿では、地元の旬な食材をふんだんに使った料理を堪能できます。特に伊勢エビやアワビなどの高級食材を手頃な価格で楽しめる場合もあります。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 大規模な温泉地のような賑やかさはないため、喧騒を離れてゆっくりと過ごしたい方には最適です。波の音を聞きながら、のんびりと温泉に浸かることができます。
- 泉質の良さ: 石鏡温泉の泉質は、主にナトリウム-塩化物泉で、神経痛や筋肉痛、冷え性などに効果があると言われています。湯冷めしにくく、体の芯から温まることができます。
- 人懐っこい地元の人々: 漁師町ならではの温かい人柄に触れることができるでしょう。地元の人との交流も、旅の思い出の一つになるかもしれません。
④ 残念な所
- 交通の便: 公共交通機関でのアクセスはやや不便です。鳥羽駅からバスが出ているものの、本数は限られています。自家用車での訪問が便利でしょう。
- 周辺施設の少なさ: 大規模な観光地のような土産物店やレジャー施設はあまりありません。温泉と食事、自然を楽しむことがメインとなるでしょう。
- 施設の老朽化: 一部の温泉宿は、設備がやや古い場合があります。快適さを重視する方は、事前に施設の情報をよく確認することをおすすめします。
- 天候に左右される: 海沿いの温泉地であるため、天候によっては景観が損なわれたり、露天風呂が利用できなかったりする場合があります。
- 娯楽施設の不足: パチンコ店やカラオケなどの娯楽施設はほとんどありません。夜は静かに過ごしたい方には良いですが、賑やかな夜を楽しみたい方には物足りないかもしれません。
⑤ 見どころのスポット
- 鏡岩: 石鏡の地名の由来となった奇岩です。海岸沿いにあり、自然の力によって削られた丸い形が特徴的です。干潮時には近くまで行くことができます。
- 石鏡漁港: 活気ある漁港の様子を見学できます。早朝には水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が並び、活気にあふれています。
- 海女小屋体験施設 さとうみ庵: 現役の海女さんから話を聞いたり、海女料理を味わったりできる施設です。石鏡の漁業文化に触れることができます。
- 鳥羽展望台: 石鏡から車で少し足を伸ばせば、鳥羽湾を一望できる絶景の展望台があります。天気の良い日には、遠くの島々まで見渡せます。
- 近隣の観光スポット: 鳥羽水族館やミキモト真珠島など、鳥羽市内の他の観光スポットへのアクセスも比較的容易です。石鏡温泉と合わせて訪れるのもおすすめです。
石鏡温泉は、都会の喧騒を忘れ、美しい海の景色と美味しい海の幸、そして温かい温泉に浸かってゆっくりと過ごしたい方にとって、まさに穴場と言えるでしょう。派手さはないものの、心に残る静かで贅沢な時間を過ごせるはずです。
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