和歌山県の穴場観光スポット

各地の穴場観光スポット

和歌山県には、比較的静かで落ち着いた観光地が多くあります。以下に、混雑を避けてゆったり楽しめる穴場的なスポットを2か所ご紹介します。

1. 高野山・奥の院(和歌山県高野町)

和歌山県の穴場観光スポット「高野山・奥の院」

① 概要

高野山奥の院は、弘法大師空海が入定(にゅうじょう、生きたまま仏となること)された聖地とされ、高野山の中でも最も神聖な場所とされています。一の橋から御廟(ごびょう、弘法大師御廟)まで続く約2キロメートルの参道には、樹齢数百年の杉木立がそびえ立ち、織田信長、豊臣秀吉、武田信玄といった歴史上の人物から一般庶民まで、数多くの墓石や供養塔が立ち並び、独特の荘厳な雰囲気を醸し出しています。昼間は多くの参拝客で賑わいますが、早朝や夕暮れ時には静寂に包まれ、より神秘的な体験をすることができます。

② 歴史的な成り立ち

弘法大師空海は、真言密教の根本道場として高野山を開創した後、承和2年(835年)に入定されました。奥の院は、その弘法大師が入定された御廟を中心としたエリアであり、高野山信仰の中心地として発展してきました。当初は質素な御廟でしたが、時代を経るにつれて、皇族や貴族、武士、庶民など、身分を問わず多くの人々が自身の供養や先祖の冥福を祈るために墓石や供養塔を建立するようになり、現在のような独特の景観が形成されました。特に江戸時代以降、参詣道が整備され、多くの参拝者が訪れるようになり、その神聖性は今日まで受け継がれています。

③ 良い所

  • 神秘的で荘厳な雰囲気: 樹齢を重ねた杉木立と、苔むした無数の墓石や供養塔が織りなす風景は、他では味わえない独特の荘厳さと神秘的な雰囲気に満ちています。歩いているだけで心が洗われるような感覚を覚えます。
  • 歴史上の人物の墓所: 織田信長、豊臣秀吉、石田三成、武田信玄、伊達政宗など、歴史の教科書で学んだ数々の有名武将の墓所や供養塔が点在しており、歴史好きにはたまらない魅力があります。
  • 自然との調和: 古木が生い茂る参道は、四季折々の自然の美しさを感じさせてくれます。特に、新緑や紅葉の時期は格別です。
  • 信仰の深さを感じられる: 多くの人々が先祖や故人を偲び、祈りを捧げてきた場所であり、信仰の深さや人々の思いを感じることができます。
  • 早朝や夜間の静けさ: 日中の賑わいとは異なり、早朝や夜間は静寂に包まれ、より一層神聖な雰囲気が漂います(夜間の参拝は足元に注意が必要です)。

④ 残念な所

  • 距離がある: 一の橋から御廟まで約2キロメートルの参道は長く、歩くのが苦手な方や体力に自信のない方には少し負担かもしれません。
  • 天候に左右される: 雨の日などは足元が悪くなるため、歩きにくいことがあります。また、悪天候時は景観も十分に楽しめない可能性があります。
  • 虫が多い季節がある: 夏場など、自然豊かな場所であるため、虫が多いことがあります。虫除け対策をしていくと良いでしょう。
  • 飲食店の数が少ない: 奥の院周辺には飲食店は限られています。参拝前後に食事をする場合は、高野山中心部に戻る必要があります。
  • 墓地であるという認識: 神聖な場所であると同時に墓地でもあるため、騒いだり、不謹慎な行動は慎む必要があります。

⑤ 見どころのスポット

  • 一の橋: 奥の院への入口となる重要な橋です。渡る際には一礼をするのが習わしとされています。橋の下を流れる川には、罪人が落ちると蛇が絡みつくという伝説があります。
  • 織田信長墓所: 焼け跡のような独特の形状をした墓所です。本能寺の変で亡くなった信長の供養のために建てられました。
  • 豊臣家墓所: 立派な五輪塔が並ぶ豊臣家の墓所です。秀吉とその母、弟の秀長などが祀られています。
  • 武田信玄・勝頼墓所: 二基の五輪塔が並んでいます。宿敵であった織田信長の墓所と比較的近い場所に位置しています。
  • 石田三成墓所: 関ヶ原の戦いで敗れた石田三成の供養塔です。
  • 中の橋(手水舎): 奥の院の中間地点にある橋で、ここで身を清めます。橋の欄干には、様々な家紋が刻まれています。
  • 燈籠堂: 御廟の正面に建つ、多くの燈籠が奉納されたお堂です。内部は撮影禁止ですが、荘厳な雰囲気に圧倒されます。
  • 弘法大師御廟: 奥の院の最も奥に位置する、弘法大師空海が入定された御廟です。現在も生きて瞑想を続けていると信じられており、神聖な空気が漂っています。御廟橋から先は撮影禁止です。
  • 御供所: 燈籠堂の隣にあり、毎日弘法大師に食事が供えられています。

奥の院は、単なる観光地というだけでなく、深い信仰心と歴史が息づく特別な場所です。訪れる際には、静かに心を落ち着けて、その神聖な雰囲気を肌で感じてみてください。

2. 串本町・橋杭岩(和歌山県串本町)


串本町・橋杭岩

① 概要

和歌山県東牟婁郡串本町に位置する「橋杭岩(はしぐいいわ)」は、紀伊大島に向かって約850メートルにわたり、大小40余りの奇岩が海上に列をなしてそそり立つ、国の名勝天然記念物です。その特異な景観は、まるで橋の杭が打ち込まれたように見えることからこの名が付けられました。荒々しい太平洋の波と風によって長年かけて削られた奇岩群は、自然の力強さと造形美を感じさせる、まさに絶景スポットです。

② 歴史的な成り立ち

橋杭岩の成り立ちには、弘法大師(空海)と天の邪鬼の伝説が深く関わっています。

昔、弘法大師が対岸の紀伊大島まで一夜で橋を架けようとしましたが、最後の杭を打ち込もうとした時、天の邪鬼に邪魔され、結局橋を完成させることができませんでした。その残った橋の杭が、現在の橋杭岩であると伝えられています。

地質学的には、この奇岩群は約1500万年前の火山活動によってできた流紋岩質の岩石が、長い年月をかけて波や風の浸食によって削り出されたものです。硬い部分が残り、柔らかい部分が削られた結果、現在のような独特の形状になったと考えられています。伝説と科学的な成り立ちが結びついている点も、橋杭岩の魅力の一つと言えるでしょう。

③ 良い所

  • 圧倒的な景観美: 海上に林立する奇岩群は、他に類を見ない壮大な景観です。特に朝日や夕日に照らされた時の美しさは息をのむほどです。
  • 自然の造形美: 長年の自然の力によって削られた、一つひとつ異なる個性的な岩の形は、見る人の想像力を掻き立てます。
  • 伝説との結びつき: 弘法大師と天の邪鬼の伝説は、景観にロマンと神秘的な雰囲気を添えています。
  • 手軽にアクセス可能: 国道42号線沿いに位置し、駐車場も整備されているため、車でのアクセスが容易です。
  • 写真撮影の絶好のロケーション: その独特な景観は、プロ・アマ問わず多くのカメラマンを魅了する撮影スポットです。時間帯や天候によって様々な表情を見せてくれます。
  • 周辺観光との組み合わせ: 串本町には、潮岬や海中公園など、他にも魅力的な観光スポットが点在しており、合わせて楽しむことができます。

④ 残念な所

  • 天候に左右される: 荒天時には波が高くなり、近づくことが危険な場合があります。また、雨天時は足元が悪くなることもあります。
  • 遊泳禁止: 橋杭岩周辺は遊泳禁止となっています。海に入って楽しむことはできません。
  • 日陰が少ない: 夏場は日差しが強く、日陰が少ないため、暑さ対策が必要です。
  • 商業施設は少ない: 周辺にはお土産店や飲食店などの商業施設は限られています。事前に準備をして訪れると良いでしょう。
  • 時間帯による混雑: 特に連休や観光シーズン中は、駐車場や見学スポットが混雑することがあります。

⑤ 見どころのスポット

  • 弁天島: 橋杭岩の先端近くにある小さな島で、赤い鳥居が印象的です。干潮時には歩いて渡ることができます。
  • 道の駅 橋杭岩: 橋杭岩の目の前にあり、お土産の購入や食事、休憩ができます。展望台からは橋杭岩全体を見渡すことができます。
  • 朝日・夕日の観賞ポイント: 時間帯によって岩肌の色や海の色が変化し、幻想的な風景を楽しむことができます。特に日の出と日の入りは絶好のシャッターチャンスです。
  • 高台からの眺め: 少し離れた高台から橋杭岩全体を見下ろすと、その連なりがより一層際立ちます。
  • 満潮時の風景: 満潮時には、岩の根元が海に浸り、まるで海から生えているかのような神秘的な光景を見ることができます。
  • 周辺の海岸線: 橋杭岩だけでなく、周辺の海岸線も奇岩や美しい砂浜が続いており、散策を楽しむことができます。

橋杭岩は、自然の力強さと神秘的な伝説が織りなす、和歌山県を代表する景勝地です。ぜひ足を運んで、その独特の景観を प्रत्यक्ष肌で感じてみてください。

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