兵庫県の穴場観光スポット

各地の穴場観光スポット

兵庫県には有名な観光地が多い一方で、混雑を避けて楽しめる静かなスポットも数多くあります。以下に、比較的に混雑しない穴場的な観光地を2か所ご紹介します。

1. 書写山圓教寺(兵庫県姫路市)

兵庫県の穴場観光スポット:書写山圓教寺

① 概要

書写山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)は、兵庫県姫路市の北西に位置する書写山の中腹に広がる天台宗の古刹です。西国三十三所観音霊場の第二十七番札所であり、「西の比叡山」とも称されるほど歴史と格式のある寺院です。広大な境内には、国宝や重要文化財を含む多くの堂塔が点在し、豊かな自然に囲まれた静寂な空間は、訪れる人々に深い安らぎを与えます。近年では、映画やドラマのロケ地としても注目を集めています。

② 歴史的な成り立ち

圓教寺は、康保3年(966年)に性空上人(しょうくうしょうにん)によって開創されました。性空上人は一条天皇の勅願を受け、この地に堂宇を建立し、天台教学の道場を開きました。平安時代後期には、貴族や武士の信仰を集め、広大な寺領と多くの僧坊を有する大寺院として発展しました。

戦国時代には、羽柴秀吉による播磨攻めの際に一部が焼失しましたが、江戸時代に入ると姫路藩主によって再建が進められました。特に、仁王門、摩尼殿、大講堂、食堂(じきどう)、常行堂(じょうぎょうどう)などの主要な堂塔は、この時期に再建されたものです。

明治時代の廃仏毀釈や第二次世界大戦の被害を免れ、創建以来の歴史と文化を今に伝える貴重な寺院として、多くの人々に信仰され、親しまれています。

③ 良い所

  • 歴史と文化の重み: 1000年以上の歴史を持つ古刹であり、国宝や重要文化財を含む貴重な文化財を間近で見ることができます。堂塔の建築美や、そこに息づく歴史の深さは訪れる人々を魅了します。
  • 静かで荘厳な雰囲気: 広大な境内は自然に囲まれ、喧騒から離れた静寂な空間が広がっています。堂塔を巡りながら、心静かに歴史や文化に触れることができます。
  • 眺望の美しさ: 書写山山上に位置するため、境内からは姫路市街や瀬戸内海の素晴らしい景色を一望できます。特に夕暮れ時の眺めは格別です。
  • ハイキングも楽しめる: 書写山自体が自然豊かな場所であり、圓教寺への参道はハイキングコースとしても整備されています。自然を満喫しながら参拝することができます。
  • ロープウェイでのアクセス: 山上までロープウェイで手軽にアクセスできるため、体力に自信のない方でも気軽に訪れることができます。ロープウェイからの眺めも絶景です。
  • 映画やドラマのロケ地: 近年、時代劇などのロケ地として使用されることが多く、映画やドラマファンにとっても興味深いスポットです。

④ 残念な所

  • 山上のため移動が大変な場所も: 広大な境内はアップダウンが多く、全ての堂塔を巡るにはある程度の体力が必要です。足腰に不安のある方は、事前にルートを確認しておくと良いでしょう。
  • 周辺の飲食店やお土産店が少ない: 山上やロープウェイ乗り場周辺には、大規模な飲食店やお土産店はあまりありません。事前に準備をして訪れるか、姫路市街に戻ってから食事などを取るのがおすすめです。
  • 冬季の寒さ: 山上は冬季には冷え込むため、防寒対策をしっかりとする必要があります。積雪や路面凍結の可能性もあるため、足元にも注意が必要です。
  • 公共交通機関のアクセス: 姫路駅からバスとロープウェイを乗り継ぐ必要があります。自家用車以外の場合、時間に余裕をもって計画する必要があります。

⑤ 見どころのスポット

  • 摩尼殿(まにでん): 懸造り(かけづくり)という珍しい建築様式で建てられた、山腹に張り出すように立つお堂です。舞台からの眺めは絶景で、四季折々の自然美を楽しめます。
  • 三つの堂(みっつのおどう): 大講堂、食堂(じきどう)、常行堂(じょうぎょうどう)の三つのお堂が並び立つ壮大な景観は圧巻です。それぞれ重要文化財に指定されており、歴史的な建築美と堂内の仏像などをじっくりと見学できます。
  • 仁王門(におうもん): 圓教寺の正門にあたる重厚な門で、安置されている金剛力士像は迫力があります。
  • 開山堂(かいさんどう): 圓教寺を開創した性空上人を祀るお堂です。静かで落ち着いた雰囲気の中で、歴史を感じることができます。
  • 奥の院(おくのいん): 境内の一番奥に位置し、ひっそりとした佇まいの中に、多くの石仏や供養塔が並んでいます。神秘的な雰囲気が漂う場所です。
  • 書写山ロープウェイ: 山麓から山上まで約4分で結ぶロープウェイ。眼下に広がる景色を眺めながら、手軽に圓教寺へアクセスできます。
  • 圓教寺会館: 食事や休憩ができる施設です。精進料理を味わうこともできます(要予約)。

書写山圓教寺は、歴史、文化、自然が豊かに調和した、訪れる価値のある穴場観光スポットです。姫路城と合わせて訪れるのもおすすめです。

2. 竹田城跡周辺の隠れた散策道(兵庫県朝来市)

兵庫県の穴場観光スポット:竹田城跡周辺の隠れた散策道

① 概要

天空の城として名高い竹田城跡は多くの観光客で賑わいますが、その周辺にはひっそりと佇む、歴史と自然に満ちた隠れた散策道がいくつか存在します。これらの道は、竹田城跡の壮大な景観を異なる角度から楽しんだり、城下町の風情ある街並みをゆっくりと散策したり、あるいは自然豊かな山道を歩いたりと、多様な魅力を持っています。喧騒を離れて静かに歴史や自然を感じたい方にとって、まさに穴場と呼べるスポットです。

② 歴史的な成り立ち

竹田城は、室町時代に築かれたとされ、戦国時代には赤松氏の重要な拠点となりました。その後、羽柴秀吉の播磨攻めの際に落城し、江戸時代には廃城となりました。城下町は、城を中心に発展し、商人や職人の町として栄えました。竹田城跡周辺の散策道は、かつての城への道や、城下町の人々が生活のために利用していた道などが、自然に還りつつ、あるいは整備されながら残っているものです。近年、竹田城跡の観光客増加に伴い、周辺の魅力を再発見しようとする動きの中で、これらの散策道が注目されるようになりました。

③ 良い所

  • 静寂の中で歴史を感じられる: 竹田城跡の賑わいとは対照的に、これらの散策道は静かで落ち着いた雰囲気の中で、歴史の息吹を感じることができます。
  • 多様な景観を楽しめる: 竹田城跡を様々な角度から眺めることができるだけでなく、城下町の古い街並み、豊かな自然、田園風景など、変化に富んだ景色を楽しむことができます。
  • ハイキングや散策に最適: 適度なアップダウンがある道や、平坦で歩きやすい道など、体力や好みに合わせて選べるバリエーションがあります。
  • 穴場ならではの魅力: メジャーな観光地のような混雑はなく、ゆっくりと自分のペースで散策を楽しめます。
  • 竹田城跡と合わせて楽しめる: 竹田城跡の見学と合わせて散策することで、より深く地域の歴史や文化に触れることができます。

④ 残念な所

  • 整備状況にばらつきがある: 一部の散策道は十分に整備されていない箇所もあり、足元に注意が必要な場合があります。
  • 案内表示が少ない場合がある: 迷わないように、事前に地図や情報を確認しておくことをおすすめします。
  • アクセスがやや不便な場所もある: 公共交通機関でのアクセスが限られる場所や、駐車場から少し歩く必要がある場所もあります。
  • 季節によっては虫が多い: 特に夏場などは虫対策が必要となる場合があります。
  • 眺望が開けない場所もある: 竹田城跡全体を見渡せる絶景ポイントばかりではありません。

⑤ 見どころのスポット

  • 立雲峡(りつうんきょう): 竹田城跡を雲海と共に望むことができる絶景スポットとして有名ですが、実は周辺に整備された遊歩道があり、ハイキングを楽しむことができます。特に、春や秋の早朝には幻想的な風景に出会える可能性があります。
  • 竹田城下町の古い街並み: 竹田城跡の麓に広がる城下町には、古い家並みが残っており、散策するだけでも風情を感じられます。寺町通りや武家屋敷跡などを巡ると、当時の面影を偲ぶことができます。
  • 朝来山(あさごやま): 竹田城跡の背後にそびえる山で、登山道が整備されています。山頂からは竹田城跡や周辺の山々を一望できる絶景が広がります。ただし、登山道は比較的険しい箇所もあるため、装備を整えて臨む必要があります。
  • 乙女の滝(おとめのたき): 竹田城跡から少し離れた場所にありますが、静かで美しい滝です。滝までの散策道も自然豊かで、森林浴を楽しむことができます。
  • 旧木村酒造場: 城下町に残る古い酒蔵で、趣のある建物を見学できます(現在は閉鎖されている可能性もありますので、事前にご確認ください)。周辺の街並みと合わせて散策するのもおすすめです。

これらの散策道は、竹田城跡の新たな魅力を発見させてくれるはずです。時間に余裕があれば、ぜひ足を運んでみてください。

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