山口県の穴場観光スポット

各地の穴場観光スポット

山口県には角島や錦帯橋といった有名な観光地がありますが、静かに楽しめる穴場的なスポットも存在します。その中から2か所をご紹介します。

1. 寂地峡(じゃくちきょう)(岩国市)

山口県の穴場観光スポット「寂地峡」

① 概要

寂地峡(じゃくちきょう)は、山口県岩国市錦町に位置する、中国山地の奥深くにある自然豊かな峡谷です。原生林に覆われたV字谷を、清冽な寂地川が流れ下り、大小様々な滝や淵、奇岩が織りなす景観は、まさに秘境の趣があります。特に紅葉の時期は、山々が鮮やかに染まり、一層美しい景色を楽しむことができます。手つかずの自然が残る静かな場所で、ハイキングや森林浴を満喫したい方におすすめの穴場スポットです。

② 歴史的な成り立ち

寂地峡は、古くから修験道の霊場として知られていました。寂地山(標高1337m)を中心とした山岳信仰の地であり、かつては多くの修験者が修行に励んだとされています。そのため、峡谷内には不動明王を祀る祠など、歴史を感じさせる場所も点在しています。

近代になると、その豊かな自然と景観が注目されるようになり、観光地としての開発が進められました。遊歩道が整備され、多くの人が手軽に自然を楽しめるようになりましたが、過度な開発は避けられ、現在も原生林に近い自然が保たれています。

③ 良い所

  • 手つかずの自然: 豊かな原生林に囲まれ、清らかな水が流れる峡谷は、都会の喧騒を忘れさせてくれる静寂と癒しの空間です。
  • 変化に富んだ景観: 滝、淵、奇岩など、歩くたびに異なる表情を見せる自然の造形美を楽しむことができます。特に、日本の滝百選にも選ばれている「五竜の滝」は圧巻です。
  • ハイキングコースの充実: 初心者から上級者まで楽しめる、様々なレベルのハイキングコースが整備されています。体力に合わせて自然を満喫できます。
  • 四季折々の美しさ: 新緑、深緑、紅葉、雪景色と、一年を通して異なる自然の表情を楽しむことができます。特に紅葉の時期は、息をのむほどの美しさです。
  • 穴場的な静けさ: 比較的観光客が少なく、静かに自然を満喫したい方には最適なスポットです。喧騒を離れて、ゆっくりと自然と向き合うことができます。

④ 残念な所

  • アクセス: 公共交通機関でのアクセスは限られており、自家用車での訪問が基本となります。道中、山道を通る箇所もあるため、運転には注意が必要です。
  • 周辺施設の少なさ: 観光地化された場所ではないため、飲食店やお土産店などの周辺施設は限られています。事前に食料や飲み物などを準備しておくことをおすすめします。
  • 天候による影響: 雨天時や増水時は、遊歩道が通行止めになる場合があります。また、足元が悪くなるため、注意が必要です。事前に天気予報を確認し、適切な装備で訪れるようにしましょう。
  • 虫対策: 自然豊かな場所であるため、夏場を中心に虫が多いです。虫除けスプレーなどの対策が必要です。
  • 冬季の閉鎖: 冬季は積雪のため、遊歩道が閉鎖される場合があります。訪問前に必ず情報を確認するようにしてください。

⑤ 見どころのスポット

  • 五竜の滝: 寂地峡の最も奥に位置する、落差約85mの壮大な滝です。五段になって流れ落ちる姿は圧巻で、日本の滝百選にも選ばれています。滝壺近くまで行くことができ、その迫力を間近で感じられます。
  • 竜ヶ淵: 五竜の滝へと続く遊歩道沿いにある、神秘的な雰囲気の淵です。深く青い水をたたえ、周囲の緑が映り込み、静かで美しい景観を作り出しています。
  • 犬戻しの滝: 険しい岩場を流れ落ちる滝で、かつて猟犬が引き返したという伝説が名前の由来となっています。荒々しい自然の力を感じさせるスポットです。
  • 三つの滝(一の滝、二の滝、三の滝): 遊歩道沿いに連続して現れる三つの滝です。それぞれに個性的な表情を見せてくれます。
  • 寂地山: 峡谷の奥にそびえる標高1337mの山です。山頂からは周囲の山々を一望できる絶景が広がります。登山道も整備されていますが、ある程度の体力が必要です。
  • 遊歩道: 寂地川沿いに整備された遊歩道は、自然を満喫しながら散策するのに最適です。木漏れ日の下を歩き、清流の音を聞きながら、リフレッシュできます。

寂地峡は、手つかずの自然が残る、まさに山口県の秘境とも言える場所です。アクセスはやや不便ですが、その分、静かで豊かな自然を独り占めできる魅力があります。自然を満喫したい方、静かな場所でリフレッシュしたい方には、ぜひ訪れていただきたい穴場スポットです。

2. 青海島(おうみじま)(長門市)

山口県の穴場観光スポット「青海島(おうみじま)」についてご紹介します。

① 概要

青海島は、山口県長門市仙崎湾の沖合に浮かぶ、周囲約40kmの島です。「海上アルプス」とも称される変化に富んだ海岸線と、そこに点在する奇岩、そして豊かな自然が魅力です。島内には遊歩道が整備されており、ハイキングや景観を楽しむことができます。また、ダイビングスポットとしても知られ、透明度の高い海中には多様な生物が生息しています。本土とは青海大橋で結ばれており、車で気軽にアクセスできるのも魅力の一つです。

② 歴史的な成り立ち

青海島は、古くから漁業の拠点として人々の生活と深く結びついてきました。江戸時代には、捕鯨が盛んに行われ、その名残をとどめる史跡も存在します。明治時代以降は、風光明媚な景観が注目されるようになり、観光地としての開発が進められました。特に、詩人・童謡作家の金子みすゞが故郷である仙崎から眺めた青海島の風景は、彼女の作品にも度々登場し、その美しさを伝えています。近年では、自然保護の意識が高まり、島の豊かな自然環境を守りながら観光客を受け入れる取り組みが行われています。

③ 良い所

  • 息をのむ絶景: 海蝕によって生まれた奇岩や断崖が連なる海岸線は、まさに自然の芸術品です。遊覧船から眺める景色は圧巻で、陸上からのハイキングでも様々な表情の景観を楽しめます。
  • 豊かな自然: 島内には手つかずの自然が多く残っており、四季折々の植物や野鳥を観察できます。特に、照葉樹林が広がる遊歩道は、森林浴にも最適です。
  • 透明度の高い海: 青海島の周辺海域は透明度が高く、ダイビングやシュノーケリングに最適です。色とりどりの魚やサンゴ礁を観察することができます。
  • アクセスの良さ: 本土と青海大橋で繋がっているため、車で簡単にアクセスできます。駐車場も整備されており、ドライブの目的地としても最適です。
  • 静かで落ち着いた雰囲気: 比較的観光客が少なく、喧騒を離れてゆっくりと自然を満喫したい方におすすめです。

④ 残念な所

  • 公共交通機関の便: 島内の移動は、主に車やレンタサイクルになります。公共交通機関は限られているため、車がない場合は少し不便に感じるかもしれません。
  • 飲食店や土産物店の数: 観光地としては比較的規模が小さいため、飲食店やお土産物店の数は多くありません。食事などは事前に調べておくか、ある程度準備していくと良いでしょう。
  • 冬季の観光: 冬季は天候が不安定になる日もあり、遊覧船の運航が休止されたり、遊歩道が閉鎖されたりする場合があります。
  • 急な地形の場所も: 遊歩道によっては、階段やアップダウンが激しい場所もあります。体力に自信のない方は、事前にルートを確認することをおすすめします。

⑤ 見どころのスポット

  • 青海島遊覧船: 島の景勝地を海上から巡る遊覧船は、青海島の魅力を手軽に満喫できる一番のおすすめです。象の鼻、夫婦岩、ライオン岩など、ユニークな形の奇岩を間近に見ることができます。
  • 島内遊歩道: 島内には複数のハイキングコースが整備されており、体力や目的に合わせて選ぶことができます。特に、「自然研究路」や「海上アルプス縦走路」からは、絶景を望むことができます。
  • 鯨墓: 江戸時代に捕鯨が盛んだった頃の供養塔です。当時の人々の自然に対する畏敬の念を感じることができます。
  • 金子みすゞ記念館: 青海島からほど近い仙崎にある記念館ですが、彼女の詩を通して青海島の風景を感じることができます。
  • ダイビング・シュノーケリングスポット: 透明度の高い海中には、様々な魚やウミウシ、サンゴなどが生息しており、ダイビングやシュノーケリングを楽しむことができます。
  • 青海大橋: 本土と青海島を結ぶ美しい橋で、橋の上からの眺めも素晴らしいです。特に夕暮れ時はロマンチックな雰囲気に包まれます。

これらの情報を参考に、ぜひ青海島を訪れて、その豊かな自然と美しい景観を満喫してください。

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