沖縄県は人気の観光地が多いですが、混雑を避けて沖縄ならではの自然や文化を楽しめる穴場スポットもあります。以下に2か所ご紹介します。
1. 大石林山(だいせきりんざん)(沖縄本島北部・国頭村)

沖縄県の穴場観光スポット「大石林山(だいせきりんざん)」についてご紹介します。
① 概要
大石林山は、沖縄本島最北端の地、国頭村(くにがみそん)にある、奇岩・巨石群が織りなす自然公園です。琉球石灰岩が長い年月をかけて雨や風に浸食されてできた、独特でダイナミックな景観が広がっています。パワースポットとしても知られ、亜熱帯の豊かな自然の中で、手軽なトレッキングから本格的な散策まで楽しむことができます。
② 歴史的な成り立ち
大石林山は、古くから地元の人々に聖地として崇められてきた場所です。琉球の創世神であるアマミキヨが最初に降り立った場所の一つという伝説が残っており、御嶽(うたき:聖なる場所)や拝所(はいしょ:祈りの場)が点在しています。
観光地として整備されたのは比較的最近のことです。手つかずの自然が残るこの地を、多くの人に知ってもらい、その魅力を体験してもらいたいという思いから、遊歩道などが整備され、現在のような自然公園として公開されるようになりました。自然の造形美と、琉球の古い信仰が息づく場所として、独特の雰囲気を持っています。
③ 良い所
- 圧倒的な自然景観: 琉球石灰岩の奇岩・巨石群は、他では見られないダイナミックな景観を作り出しています。亜熱帯の植物が生い茂る中、様々な形をした岩々がそびえ立つ様子は圧巻です。
- 手軽に楽しめるトレッキングコース: 整備された遊歩道があり、体力に合わせて複数のコースを選ぶことができます。気軽に自然散策を楽しみたい方から、少し本格的なトレッキングを楽しみたい方まで、幅広く対応できます。
- パワースポットとしての魅力: 古くからの聖地であり、自然のエネルギーを感じられる場所として人気があります。特に、御願(うがん)ガジュマルや生まれ変わりの岩など、スピリチュアルなスポットも点在しています。
- 亜熱帯の豊かな自然: ガジュマルをはじめとする珍しい植物や、固有の生物が生息しており、自然観察にも最適です。運が良ければ、珍しい野鳥や昆虫に出会えるかもしれません。
- バリアフリーへの配慮: 一部のコースはバリアフリーに対応しており、車椅子の方や足の不自由な方も自然を楽しめるようになっています。
④ 残念な所
- アクセス: 那覇空港からは距離があり、レンタカーなどがないとアクセスしにくい場合があります。公共交通機関を利用する場合は、乗り換えなども含めて時間がかかることがあります。
- 天候に左右される: 雨天時は足元が悪くなるため、散策が困難になる場合があります。また、夏場は日差しが強く、暑さ対策が必要です。
- 虫対策: 自然の中を歩くため、蚊やハブなどの虫対策が必要です。虫除けスプレーなどの準備を忘れずに行きましょう。
- 売店や休憩所の数: 観光地としては比較的規模が小さいため、売店や休憩所の数は限られています。飲み物などは事前に用意しておくと安心です。
⑤ 見どころのスポット
- 奇岩群: ローソク岩、キノコ岩、象の鼻岩など、自然が作り出したユニークな形の岩々は見ごたえがあります。それぞれの岩の名前の由来などを想像しながら散策するのも楽しいでしょう。
- 御願ガジュマル: 樹齢数百年の巨大なガジュマルで、パワースポットとして人気です。その生命力溢れる姿は圧巻で、訪れる人にエネルギーを与えてくれると言われています。
- 生まれ変わりの岩: 狭い岩の隙間を通り抜けることで、過去の悪いものを断ち切り、新たな自分に生まれ変わると言われているスポットです。
- 展望台: 公園内にはいくつか展望台があり、東シナ海や辺戸岬(へどみさき)などの絶景を一望できます。特に夕日の時間はロマンチックな雰囲気に包まれます。
- バリアフリーコース: 車椅子やベビーカーでも通行可能なコースがあり、気軽に自然を楽しめます。
大石林山は、手つかずの自然と琉球の神秘的な雰囲気を同時に感じられる、魅力的な穴場観光スポットです。沖縄北部を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。。
2. 久高島(くだかじま)(沖縄本島南東部・南城市)

沖縄県の穴場観光スポット:神の島「久高島」
① 概要
久高島(くだかじま)は、沖縄本島南東部の知念半島から東へ約5kmに浮かぶ、周囲約8kmの細長い島です。琉球開闢(かいびゃく)の祖であるアマミキヨが最初に降り立ったとされる聖地であり、「神の島」として今も多くの人々に崇められています。手つかずの自然が残り、昔ながらの沖縄の風景が色濃く残る、静かで神秘的な雰囲気が魅力の島です。
② 歴史的な成り立ち
久高島は、琉球の歴史において非常に重要な意味を持つ島です。琉球の創世神話において、アマミキヨが天から降り立ち、この島を最初に作ったと伝えられています。そのため、琉球王国時代から聖地として特別な扱いを受け、王府からの保護も厚かったとされています。
島内には、琉球王朝時代の祭祀遺跡や、神聖な場所とされる御嶽(うたき)が数多く存在し、現在も島民によって伝統的な祭祀が大切に守り続けられています。外部からの観光客も、島の神聖な雰囲気を尊重し、マナーを守って見学することが求められます。
近代に入ってからも、久高島は独自の文化や伝統を守り続けてきました。近年では、その神秘的な魅力と自然の美しさから観光客も訪れるようになりましたが、大規模な開発は行われておらず、昔ながらの静かな島の雰囲気が保たれています。
③ 良い所
- 手つかずの自然: 透明度の高い美しい海、手つかずの自然海岸、緑豊かな森など、本島ではなかなか見られない自然がそのまま残っています。
- 神聖な雰囲気: 島全体が聖地とされており、独特の静かで神秘的な雰囲気が漂っています。パワースポットとしても知られています。
- 昔ながらの沖縄の風景: 赤瓦の家並みや石垣など、昔ながらの沖縄の原風景が残っており、ゆったりとした時間を過ごせます。
- 素朴な人々の温かさ: 島民の方々は温かく、親切な方が多いです。交流を通じて、より深く島の文化に触れることができます。
- 手軽な離島体験: 本島からフェリーで約15分とアクセスが良く、日帰りでも気軽に離島の雰囲気を楽しめます。
- レンタサイクルでの散策: 島内は比較的平坦で、レンタサイクルで気軽に回ることができます。風を感じながらのサイクリングは最高です。
④ 残念な所
- 観光客向け施設が少ない: ホテルや民宿などの宿泊施設、飲食店、お土産店などは限られています。事前に予約や準備をしておく必要があります。
- 聖地としての制約: 島内には立ち入り禁止の場所や、写真撮影が禁止されている場所があります。島のルールやマナーを守る必要があります。
- 天候に左右される: フェリーの運航は天候に左右されることがあります。特に台風シーズンなどは注意が必要です。
- 公共交通機関が少ない: 島内の移動手段は、レンタサイクル、徒歩、または集落内を走るコミュニティバスに限られます。
- 夜間の過ごし方: 夜間は明かりが少なく、静かです。賑やかな夜のレジャーを期待する方には物足りないかもしれません。
⑤ 見どころのスポット
- カベール岬: 島最北端に位置し、白い砂浜と青い海が広がる美しい岬です。琉球の創世神話に登場する場所としても知られています。
- クボー御嶽: 島で最も重要な御嶽の一つとされ、聖なる森の中にあります。立ち入り禁止区域もあるため、注意が必要です。
- イシキ浜: 遠浅で透明度の高い美しいビーチです。シュノーケリングや海水浴を楽しむことができます。
- ロマンスロード: 島の中央部を南北に走る道で、緑豊かな景色の中をサイクリングするのに最適です。
- 集落の散策: 赤瓦の家並みや石垣など、昔ながらの沖縄の風景が残る集落をゆっくりと散策するのもおすすめです。
- メーヌ浜: 島南端に位置する静かなビーチです。夕日の名所としても知られています。
- 久高島ビジターセンター: 島の歴史や文化、自然に関する展示があり、島を巡る前に訪れるとより深く理解できます。
久高島は、観光地化されていない素朴な魅力と、神聖な雰囲気が共存する特別な場所です。自然や歴史、文化に触れたい方、静かな時間を過ごしたい方におすすめの穴場スポットと言えるでしょう。訪れる際には、島の文化やマナーを尊重する気持ちを忘れずにいたいものです。
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