奈良県の人気観光スポットを5つご紹介します。それぞれの良い所と残念な所もお伝えします。
1. 東大寺(奈良県奈良市)

奈良県奈良市にある東大寺は、「奈良の大仏」として知られる巨大な盧舎那仏坐像を本尊とする、華厳宗大本山の寺院です。その歴史的意義と壮大な伽藍は、国内外から多くの観光客を惹きつける、奈良を代表する観光スポットです。
歴史的な成り立ち
- 東大寺は、聖武天皇の発願により、745年に盧舎那仏像の造立が開始され、752年に開眼供養が行われました。
- 大仏造立は、天平文化の粋を集めた国家的な事業であり、当時の社会情勢の安定と仏教による鎮護国家を目指すものでした。
- 南都七大寺の一つとして、政治・文化の中心的な役割を果たしました。
- 平安時代末期には兵火で多くの伽藍が焼失しましたが、鎌倉時代に重源上人によって復興されました。
- 室町時代にも再び火災に遭いましたが、江戸時代に再建され、現在に至ります。
良い所
- 圧倒的な大仏: 高さ約15mの巨大な盧舎那仏坐像は、そのスケールに圧倒されます。
- 壮大な伽藍: 南大門、中門、金堂(大仏殿)、法華堂など、広大な境内に建つ堂塔は、歴史と風格を感じさせます。
- 歴史的価値: 天平文化を代表する建築物や仏像が多く、日本の仏教文化を知る上で非常に重要な場所です。
- 周辺の自然: 奈良公園の中に位置し、鹿と触れ合いながら散策を楽しめます。
- アクセスの良さ: 近鉄奈良駅やJR奈良駅から徒歩圏内と、アクセスも比較的容易です。
残念な所
- 観光客の多さ: 奈良を代表する観光地のため、特に週末や祝日、修学旅行シーズンは大変混雑します。
- 大仏殿内の混雑: 大仏殿内は、特に混雑時はゆっくりと見学できない場合があります。
- 鹿の糞: 奈良公園内には多くの鹿が生息しており、鹿の糞が落ちている場所もあります。
見どころスポット
- 盧舎那仏坐像(奈良の大仏): 東大寺の本尊であり、圧倒的な存在感を放つ巨大な仏像です。
- 南大門: 高さ約25mの巨大な門で、左右に立つ金剛力士像(仁王像)は迫力満点です。
- 金堂(大仏殿): 世界最大級の木造建築であり、大仏を安置しています。
- 法華堂(三月堂): 東大寺創建当初から残る貴重な建物で、多くの仏像が安置されています。
- 二月堂: お水取り(修二会)が行われる場所で、舞台からの眺めも素晴らしいです。
- 東大寺ミュージアム: 東大寺に伝わる貴重な文化財を展示しています。
- 鐘楼: 日本最大級の梵鐘があります。
観光のヒント
- 比較的空いている午前中の早い時間に訪れるのがおすすめです。
- 大仏殿内は一方通行になっている場合がありますので、案内に従いましょう。
- 奈良公園の鹿は人に慣れていますが、食べ物を与える際は注意が必要です。
- 東大寺周辺には、春日大社や興福寺など、他にも多くの寺社がありますので、合わせて観光するのもおすすめです。
東大寺は、その歴史、文化、そしてスケールの大きさを肌で感じられる、奈良を代表する必見の観光スポットです。
2. 法隆寺(奈良県斑鳩町)

法隆寺は、奈良県生駒郡斑鳩町にある、日本最古の仏教寺院の一つであり、世界遺産にも登録されている非常に重要な文化財です。創建以来、幾多の変遷を経て現代にその姿を伝えています。
歴史的な成り立ち
- 法隆寺は、推古天皇と聖徳太子が創建を発願し、太子薨去後の607年に創建されたと伝えられています(異説あり)。
- 金堂、五重塔を中心とする西院伽藍は、飛鳥時代の建築様式を今に伝える世界最古の木造建築群として知られています。
- 平安時代には、東院伽藍が整備され、夢殿などが建立されました。
- 創建以来、火災などで一部焼失・再建された部分もありますが、主要な伽藍は創建当初の姿を色濃く残しています。
良い所
- 世界最古の木造建築: 飛鳥時代の建築様式を伝える金堂や五重塔は、歴史的・建築学的に非常に価値が高いです。
- 聖徳太子ゆかりの寺院: 日本の仏教の発展に大きく貢献した聖徳太子ゆかりの寺院であり、歴史ロマンを感じられます。
- 数多くの国宝・重要文化財: 伽藍全体が貴重な文化財の宝庫であり、仏像や絵画など、数多くの国宝や重要文化財を所蔵しています。
- 静かで荘厳な雰囲気: 広大な境内は静かで落ち着いた雰囲気があり、歴史と文化に浸ることができます。
- 周辺の景観: 田園風景の中に佇む寺院の姿は、日本の原風景を感じさせます。
残念な所
- 交通アクセス: 近鉄電車などの駅からバスでのアクセスとなり、やや時間がかかる場合があります。
- 拝観料: 複数の伽藍や宝物館を拝観する場合、それぞれの料金が必要となるため、やや高額に感じるかもしれません。
- 建物の内部見学: 保存のため、金堂や五重塔の内部は通常公開されていません(特別公開の場合あり)。
- 観光客の多さ: 特に連休や観光シーズンは、多くの観光客で賑わいます。
見どころスポット
- 西院伽藍:
- 金堂: 現存する世界最古の木造建築の一つで、釈迦三尊像や薬師如来像などの仏像が安置されています。
- 五重塔: 同じく世界最古の木造塔で、美しいシルエットは法隆寺の象徴です。
- 中門: 飛鳥時代の特徴的な建築様式を示す門です。
- 回廊: 金堂と五重塔を囲む回廊も、創建当初の姿を伝えています。
- 東院伽藍:
- 夢殿: 聖徳太子の御殿跡に建てられた八角円堂で、救世観音像が安置されています。
- 伝法堂: 平安時代の住宅建築を移築したもので、内部には多くの仏像が安置されています。
- 大講堂: 平安時代に再建された建物で、講義や集会などに用いられました。
- 宝物館: 法隆寺に伝わる貴重な仏像、絵画、工芸品などを収蔵・展示しています。
観光のヒント
- 事前に法隆寺の公式サイトで伽藍の配置や見どころ、拝観時間、料金などを確認しておくと良いでしょう。
- 時間に余裕があれば、西院伽藍と東院伽藍の両方をゆっくりと見学することをおすすめします。
- 宝物館には貴重な文化財が多数展示されているので、ぜひ立ち寄りましょう。
- 周辺には、法起寺や中宮寺など、聖徳太子ゆかりの寺院が点在しているので、合わせて巡るのもおすすめです。
- 斑鳩町は、聖徳太子にちなんだお土産品なども販売されています。
法隆寺は、日本の歴史と文化を深く感じることができる、非常に重要な観光スポットです。ぜひ、その目で古代の息吹を感じてみてください。
3. 奈良公園(奈良県奈良市)

奈良公園は、奈良県奈良市にある広大な都市公園です。世界遺産の東大寺、興福寺、春日大社などの社寺や、国の天然記念物に指定されている野生の鹿が生息することで知られ、歴史と自然が豊かに調和した人気の観光スポットです。
歴史的な成り立ち
- 奈良公園の原型は、710年の平城京遷都とともに、東大寺や興福寺などの寺院の境内として形成されました。
- 春日大社の神域を含む一帯は、古くから神聖な場所として守られてきました。
- 明治時代になり、これらの寺社境内や周辺の自然地が統合され、1880年に奈良公園として誕生しました。
- 公園内に生息する鹿は、春日大社の神使(神の使い)として大切に保護されてきました。
良い所
- 歴史的な社寺との調和: 東大寺、興福寺、春日大社といった世界遺産の社寺が公園内に点在し、歴史と文化を肌で感じることができます。
- 愛らしい鹿との触れ合い: 約1200頭の野生の鹿が公園内で自由に暮らしており、鹿せんべいをあげたり、間近で観察したりすることができます。
- 豊かな自然: 広大な芝生広場や若草山など、自然を満喫できるスポットが多く、四季折々の風景を楽しめます。
- 散策の楽しさ: 公園内は遊歩道が整備されており、歴史的な建造物や自然をゆっくりと散策できます。
- アクセスの良さ: 近鉄奈良駅やJR奈良駅から徒歩圏内と、アクセスも比較的容易です。
残念な所
- 鹿のフン: 公園内の至る所に鹿のフンがあるため、足元に注意が必要です。
- 鹿による被害: 鹿は人に慣れている反面、食べ物を強引に奪ったり、噛みついたりすることがあるため、注意が必要です。
- 観光客の多さ: 特に春や秋の行楽シーズンは、多くの観光客で賑わいます。
- 周辺施設の価格帯: 観光地価格のため、飲食費や土産物代などが比較的高めです。
見どころスポット
- 東大寺: 大仏殿には巨大な盧舎那仏坐像が安置されており、そのスケールに圧倒されます。南大門の金剛力士像も必見です。
- 興福寺: 五重塔は奈良のシンボルの一つ。国宝館には貴重な仏像が数多く展示されています。
- 春日大社: 朱塗りの美しい社殿が連なり、境内には数多くの釣灯籠が奉納されています。
- 鹿: 公園内の至る所で出会える鹿は、奈良公園の象徴です。鹿せんべいを購入して触れ合ってみましょう。
- 若草山: 三つの笠を重ねたような形が特徴的な山で、山頂からは奈良盆地を一望できます。
- 浮見堂: 鷺池に浮かぶ八角形のお堂で、水面に映る姿が幻想的です。
- 奈良国立博物館: 仏教美術品を中心に、貴重な文化財が展示されています。
観光のヒント
- 鹿せんべいは公園内の売店で購入できますが、鹿に与える際は周囲に注意し、無理に触ったり追いかけたりしないようにしましょう。
- 公園内は広いので、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
- 春や秋の気候の良い時期は特に散策が楽しめます。
- 周辺には、奈良町など古い街並みが残るエリアもあり、合わせて観光するのもおすすめです。
奈良公園は、歴史、文化、自然、そして愛らしい鹿との触れ合いを楽しめる、魅力的な観光スポットです。ぜひ、古都奈良の魅力を満喫してください。
4. 春日大社(奈良県奈良市)

春日大社は、奈良県奈良市にある古社で、全国に約3,000社ある春日神社の総本社です。世界遺産「古都奈良の文化財」の一部として登録されており、朱塗りの社殿と数多くの鹿がいることで知られています。
歴史的な成り立ち
- 創建は768年(神護景雲2年)とされ、藤原氏の氏神を祀るために創建されました。
- 茨城県の鹿島神宮から武甕槌命(たけみかづちのみこと)、千葉県の香取神宮から経津主命(ふつぬしのみこと)を迎え、さらに天児屋根命(あめのこやねのみこと)とその妻の比売神(ひめがみ)を祀っています。
- 平安時代以降、藤原氏の隆盛とともに発展し、皇室や武士からも崇敬を集めました。
- 現在の社殿は、江戸時代末期から明治時代にかけて再建されたものです。
- 春日大社の神使とされる鹿は、神聖な生き物として大切に保護されています。
良い所
- 歴史と風格: 朱塗りの美しい社殿は、歴史と風格を感じさせます。
- 鹿との触れ合い: 境内には多くの鹿が放し飼いにされており、間近で触れ合ったり、鹿せんべいをあげたりすることができます。
- 自然豊かな環境: 春日山原始林に囲まれ、自然豊かな環境の中で参拝できます。
- 多くの文化財: 本殿をはじめ、多くの建造物や宝物が国の重要文化財や国宝に指定されています。
- 万燈籠: 境内には数多くの燈籠が奉納されており、節分や中元の時期には万燈籠が灯され、幻想的な雰囲気に包まれます。
- アクセスの良さ: 近鉄奈良駅から徒歩約20分、JR奈良駅からバスでのアクセスも可能です。
残念な所
- 観光客の多さ: 奈良を代表する観光地のため、特に週末や祝日、鹿寄せの時間帯などは大変混雑します。
- 鹿の糞: 境内のいたるところに鹿の糞があるので、足元に注意が必要です。
- 階段や坂道: 境内は比較的広く、階段や坂道もあるため、歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
見どころスポット
- 本殿: 朱塗りの美しい社殿は、国宝に指定されており、五棟の社殿が連なる壮麗な姿を見ることができます。
- 中門・釣燈籠: 中門には多くの釣燈籠が吊るされており、独特の景観を作り出しています。
- 南門: 春日大社の正門で、堂々とした佇まいです。
- 鹿苑: 病気や怪我をした鹿が保護されている施設です。
- 春日大社国宝殿: 春日大社に伝わる貴重な宝物を展示しています。
- 若宮十五社巡り: 境内にある15の摂末社を巡る参拝路で、様々なご利益があるとされています。
- 飛火野: 広々とした芝生広場で、鹿たちがのんびりと過ごす様子を見ることができます。
観光のヒント
- 朝早く訪れると、比較的空いていることが多いです。
- 鹿せんべいは、境内の売店で購入できます。
- 万燈籠の時期は、事前に日程を確認して訪れると良いでしょう。
- 春日大社周辺には、奈良公園や東大寺など、他の観光スポットもたくさんあります。
春日大社は、歴史、自然、そして愛らしい鹿たちとの触れ合いを楽しめる、奈良を代表する魅力的な観光スポットです。ぜひ、訪れてみてください。
5. 明日香村(飛鳥)(奈良県明日香村)

明日香村は、奈良県の中央部に位置し、飛鳥時代の日本の中心地として栄えた歴史的な村です。田園風景の中に数多くの史跡が点在し、日本の古代史を肌で感じられる貴重な場所として、多くの観光客を魅了しています。
歴史的な成り立ち
- 飛鳥時代(6世紀末~8世紀初め)に、日本の政治・文化の中心地として繁栄しました。
- 推古天皇、聖徳太子、天智天皇、持統天皇など、重要な天皇や皇族がこの地を拠点に政治を行いました。
- 日本初の本格的な仏教寺院である飛鳥寺をはじめ、多くの寺院や宮殿が建立されました。
- 710年の平城京遷都により政治の中心としての役割は終えましたが、その後も歴史的な遺産が大切に守り伝えられてきました。
- 現在は、その歴史的価値から、村全体が国の特別史跡に指定されています。
良い所
- 日本の古代史を肌で感じられる: 点在する史跡を巡ることで、飛鳥時代の息吹を身近に感じることができます。
- 豊かな自然と田園風景: のどかな田園風景の中に史跡が溶け込んでおり、心安らぐ空間が広がっています。
- 歴史散策: 比較的平坦な道が多く、レンタサイクルなどを利用して気軽に史跡巡りを楽しめます。
- 素朴な雰囲気: 大規模な商業施設などは少なく、昔ながらの日本の原風景が残っています。
残念な所
- 公共交通機関の便: 電車やバスの本数が限られているため、自家用車やレンタサイクルでの移動が便利です。
- 観光施設の営業時間: 史跡や資料館など、閉館時間が比較的早い場合があります。
- 飲食店や土産物店の数: 大都市の観光地に比べると、飲食店や土産物店の数は限られます。
見どころスポット
- 石舞台古墳: 蘇我馬子の墓とも言われる巨大な石室を持つ古墳です。
- 飛鳥寺: 日本最古の本格的な仏教寺院で、現存する日本最古の仏像(飛鳥大仏)を安置しています。
- 橘寺: 聖徳太子生誕の地と伝えられる寺院です。
- 亀形石造物・猿石: 謎の多い古代の石造物で、そのユニークな形が人気です。
- 高松塚古墳: 極彩色の壁画が発見されたことで有名な古墳です(壁画館でレプリカを公開)。
- キトラ古墳: 四神の壁画などが発見された古墳です(キトラ古墳壁画体験館で関連展示を公開)。
- 甘樫丘: 蘇我氏の邸宅があったとされる丘で、明日香村を一望できる展望台があります。
- 岡寺: 義淵僧正が開いた古刹で、本堂や三重塔など見どころが多いです。
観光のヒント
- レンタサイクルを利用すると、効率よく広範囲の史跡を巡ることができます。
- 各史跡には解説板が設置されていますが、事前に飛鳥時代の歴史を予習しておくとより深く楽しめます。
- 明日香村観光ボランティアガイドの会によるガイドツアーもおすすめです。
- 季節によっては、田植えや稲刈りなど、農村風景も楽しめます。
- 近隣の橿原市や高取町などと合わせて観光するのも良いでしょう。
明日香村は、日本のルーツを感じられる、歴史好きにはたまらない魅力的な場所です。ぜひ、ゆっくりと時間をかけて古代のロマンに触れてみてください。
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