和歌山県には自然豊かな観光スポットや歴史的な名所がたくさんあります。以下、人気観光スポットを5つ選び、それぞれの魅力と気になる点についてご紹介します。
1. 熊野古道(和歌山県 奈良県 三重県)

熊野古道は、和歌山県、奈良県、三重県にまたがる熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への参詣道です。古くから信仰の道として多くの人々が歩き、その歴史的・文化的価値から、2004年にはユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されました。
歴史的な成り立ち
- 熊野信仰は、自然崇拝を起源とし、平安時代には皇族や貴族の間で盛んになりました。
- 鎌倉時代から室町時代にかけては、庶民の間にも広がり、「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど多くの人々が熊野を目指しました。
- 熊野古道は、熊野三山を結ぶ複数のルートがあり、それぞれに歴史と特徴があります。主なルートとしては、中辺路(なかへち)、大辺路(おおへち)、小辺路(こへち)、伊勢路(いせじ)、紀伊路(きいじ)などが挙げられます。
- これらの道は、単なる参詣道としてだけでなく、文化交流の道としても重要な役割を果たしました。
良い所
- 歴史と文化: 古代からの信仰の道であり、歴史的な史跡や文化財が数多く残っています。
- 豊かな自然: 紀伊山地の豊かな自然の中を歩くことができ、森林浴や美しい景色を楽しめます。
- 多様なルート: 体力や興味に合わせて、様々なルートを選ぶことができます。初心者向けの短いコースから、本格的な山道を踏破するロングトレイルまであります。
- 世界遺産: 世界的に認められた歴史的・文化的価値を持つ道であり、その重要性を肌で感じることができます。
- 達成感: 困難な道のりを歩き終えた時の達成感は格別です。
残念な所
- 体力が必要: 特に山間部のルートは、急な坂道や険しい道が多く、ある程度の体力が必要です。
- 交通アクセス: 一部のルートは公共交通機関でのアクセスが不便な場合があります。
- 宿泊施設の少なさ: 一部のルート沿いには宿泊施設が少ないため、事前の手配が重要です。
- 天候の影響: 山間部を歩くため、天候の変化に注意が必要です。雨天時は足元が悪くなることがあります。
- 熊などの野生動物: 山間部では熊などの野生動物に遭遇する可能性があるため、対策が必要です。
見どころスポット
- 熊野本宮大社: 熊野三山の中心となる神社。かつては熊野川の中洲にありましたが、水害により現在の場所に移されました。
- 熊野速玉大社: 熊野川の河口近くに鎮座する神社。朱塗りの社殿が印象的です。
- 熊野那智大社: 那智の滝の近くに鎮座する神社。那智の滝との景観は圧巻です。
- 那智の滝: 日本三大名瀑の一つ。落差133mの雄大な滝は、古くから信仰の対象とされてきました。
- 熊野古道中辺路: 最も多くの人が歩く主要ルート。熊野本宮大社へと続く道には、多くの史跡や自然が残っています。
- 熊野古道大辺路: 海沿いを歩くルート。変化に富んだ景色を楽しめます。
- 熊野古道小辺路: 高野山と熊野本宮大社を結ぶ険しい山道。健脚者向けです。
- 熊野古道伊勢路: 伊勢神宮から熊野三山へと続く道。七里御浜などの海岸線や峠道が特徴です。
- 熊野古道紀伊路: 大阪方面から熊野を目指す道。海岸沿いを歩く部分もあります。
- 王子跡: 熊野古道沿いに点在する、かつての参詣者の休憩所や礼拝所跡。
観光のヒント
- 自分の体力や日程に合わせてルートを選びましょう。
- 事前に地図や情報を収集し、しっかりと計画を立てましょう。
- 歩きやすい靴と服装、雨具、飲み物、食料などを準備しましょう。
- 山間部を歩く場合は、熊鈴などの熊対策グッズを持参しましょう。
- 宿泊施設は事前に予約しておきましょう。
- 熊野古道ビジターセンターなどで最新の情報を入手しましょう。
熊野古道は、単なるハイキングコースではなく、歴史と文化、そして自然を感じることができる特別な道です。ぜひ、その魅力を体験してみてください。
2. 白浜温泉(和歌山県西牟婁郡白浜町)

白浜温泉は、和歌山県南紀白浜にある、日本三古湯の一つに数えられる歴史ある温泉地です。白い砂浜と青い海が広がる美しいロケーションに加え、豊富な湯量と泉質を誇り、年間を通して多くの観光客で賑わいます。
歴史的な成り立ち
- 白浜温泉の歴史は非常に古く、飛鳥時代や奈良時代の文献にもその名が見られます。舒明天皇や斉明天皇も訪れたと伝えられています。
- 鎌倉時代には、熊野詣の湯垢離場としても利用されました。
- 江戸時代には、紀州藩の湯治場として栄え、多くの人々が湯治に訪れました。
- 明治時代以降は、海水浴場としても発展し、温泉と海水浴を同時に楽しめるリゾート地として人気を集めています。
良い所
- 泉質の豊富さ: 塩化物泉、炭酸水素塩泉など、多様な泉質の温泉が湧出しており、効能も様々です。
- 美しいロケーション: 白砂青松の白良浜をはじめ、円月島、千畳敷など、景勝地に恵まれています。
- 温泉とレジャーの両立: 海水浴、マリンスポーツ、アドベンチャーワールドなどのレジャー施設も充実しており、温泉と合わせて楽しめます。
- 歴史と文化: 古くからの歴史を持つ温泉地であり、周辺には熊野古道などの歴史的なスポットもあります。
- 温暖な気候: 年間を通して比較的温暖な気候で、過ごしやすいのが魅力です。
- 新鮮な海の幸: 近海で獲れた新鮮な魚介類を使った料理も楽しめます。
残念な所
- 観光客の多さ: 特に夏休みや年末年始などのピークシーズンは、多くの観光客で賑わい、宿泊施設や交通機関の予約が取りにくいことがあります。
- 一部施設の老朽化: 歴史のある温泉地のため、一部の宿泊施設や共同浴場などで老朽化が見られる場合があります。
- 公共交通機関: 主要都市からのアクセスは比較的良いですが、白浜町内の移動はバスの本数が限られる場合があります。
見どころスポット
- 白良浜: 白く美しい砂浜が約620m続く、白浜温泉のシンボル。夏は海水浴客で賑わいます。
- 円月島: 海に浮かぶ小さな島で、中央に丸い海蝕洞が開いているのが特徴。夕日の名所としても知られています。
- 千畳敷: 打ち寄せる荒波によって浸食された、畳を何枚も重ねたような広大な岩畳。
- 三段壁: 高さ約50mの断崖絶壁。洞窟探検も楽しめます。
- アドベンチャーワールド: 動物園、水族館、遊園地が一体となったテーマパーク。パンダが人気です。
- 崎の湯: 海に面した開放的な露天風呂。波の音を聞きながら入浴できます。
- 牟婁の湯: 白浜温泉の源泉の一つ「行幸源泉」と「砿湯」を楽しめる共同浴場。
- 熊野古道: 世界遺産にも登録されている歴史的な古道の一部が白浜町内を通っています。
観光のヒント
- ピークシーズンを避けて訪れると、比較的ゆっくりと過ごせるでしょう。
- 白浜町内の移動には、レンタカーがあると便利です。
- 温泉だけでなく、周辺の観光スポットやレジャー施設も満喫するのがおすすめです。
- 夕日百選にも選ばれている円月島の夕日は必見です。
- 各宿泊施設の泉質や特徴を調べて、自分に合った温泉を選ぶと良いでしょう。
白浜温泉は、美しい自然と歴史、そして豊富な温泉を楽しめる魅力的な観光地です。ぜひ、訪れてみてください。
3. 高野山(和歌山県伊都郡高野町)

高野山は、和歌山県伊都郡高野町にある標高約900mの山々の総称で、平安時代の弘仁7年(816年)に弘法大師空海が開創した真言密教の聖地です。2004年にはユネスコ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録され、国内外から多くの参拝者や観光客が訪れる人気のスポットです。
歴史的な成り立ち
- 開創: 弘法大師空海が唐での修業を終え帰国後、嵯峨天皇より高野山の地を賜り、真言密教の根本道場を開きました。
- 発展: 弘法大師の入定後も、多くの弟子や信者によって伽藍が整備され、信仰の山として発展しました。
- 女人禁制: 長らく女人禁制の地でしたが、明治時代に解禁されました。
- 世界遺産登録: 2004年にその歴史的・文化的価値が認められ、世界遺産に登録されました。
良い所
- 歴史と信仰: 1200年以上の歴史を持つ真言密教の聖地であり、荘厳な雰囲気の中で歴史と信仰を感じることができます。
- 豊かな自然: 奥深い山々に囲まれ、四季折々の美しい自然を満喫できます。特に秋の紅葉は見事です。
- 宿坊体験: 多くの寺院が宿坊を運営しており、精進料理を味わったり、写経や座禅などの修行体験をすることができます。
- 奥之院: 弘法大師が入定されている聖地であり、多くの著名人の墓石や供養塔が立ち並ぶ神秘的な空間です。
- 伽藍: 金堂や根本大塔など、重要な文化財を含む荘厳な伽藍を見学できます。
- 精進料理: 高野山の宿坊で提供される精進料理は、素材の味を生かした滋味深い味わいです。
残念な所
- アクセス: 山間部に位置するため、公共交通機関でのアクセスはやや時間がかかる場合があります。
- 冬季の寒さ: 冬季は気温が低く、積雪することもあります。防寒対策が必要です。
- 坂道や階段が多い: 境内は広く、坂道や階段が多いため、足腰に不安がある方は注意が必要です。
- 観光客の多さ: 特に連休や紅葉シーズンは、多くの参拝者や観光客で賑わいます。
- 宿坊の予約: 人気の宿坊は早めに予約が必要な場合があります。
見どころスポット
- 奥之院: 一の橋から御廟までの参道は、歴史上の人物の墓石や供養塔が立ち並び、荘厳な雰囲気が漂います。御廟橋から先は写真撮影禁止です。
- 金剛峯寺: 真言宗総本山であり、広大な境内には格式高い建造物が並びます。
- 根本大塔: 真言密教の根本道場である高野山のシンボル的な存在です。
- 金堂: 高野山の中心となるお堂で、重要な仏像が安置されています。
- 壇上伽藍: 弘法大師が最初に伽藍を建立した場所とされ、多くの重要な建造物が集まっています。
- 霊宝館: 高野山の寺宝や美術工芸品を収蔵・展示する博物館です。
- 女人堂: かつて女人禁制だった高野山において、女性が参拝できた場所の一つです。現在残っているのは不動院の女人堂のみです。
- 徳川家霊台: 江戸幕府を開いた徳川家康と二代将軍秀忠を祀る壮麗な霊廟です。
観光のヒント
- 高野山は広いので、事前に見たい場所を絞って計画を立てるのがおすすめです。
- 奥之院の参道は長く、足元が悪い場所もあるので、歩きやすい靴で訪れましょう。
- 宿坊に宿泊する場合は、事前に予約をし、寺院のルールを守って過ごしましょう。
- 高野山内の移動には、バスが便利です。
- 冬季に訪れる際は、防寒対策をしっかりと行いましょう。
高野山は、歴史、信仰、自然が深く結びついた魅力的な場所です。ぜひ、訪れてその特別な雰囲気を体験してみてください。
4. 串本海中公園(和歌山県東牟婁郡串本町)

串本海中公園は、和歌山県東牟婁郡串本町にある、本州最南端に位置する海中公園です。豊かなサンゴ礁とそこに生息する多様な生物を観察できる、自然の魅力を満喫できる人気の観光スポットです。
歴史的な成り立ち
- 1970年6月1日に、日本で最初の海中公園として指定されました。
- 黒潮の影響を受ける温暖な海域に位置し、多種多様な熱帯・亜熱帯性生物が生息する貴重な海中環境を保護・活用することを目的として設立されました。
- 海中展望塔は1972年にオープンし、その後、水族館などの施設が整備され、教育・研究・レクリエーションの拠点として発展してきました。
良い所
- 豊かなサンゴ礁と熱帯魚: 本州とは思えないほどの美しいサンゴ礁が広がり、カラフルな熱帯魚や様々な海の生き物を観察できます。
- 海中展望塔: 海に潜ることなく、海中約6mの水中世界を360度見渡せる展望塔は、子供から大人まで楽しめます。
- 水族館: 地域の特徴的な水生生物を中心に展示しており、ウミガメやマンボウなど人気の生き物にも出会えます。
- 海中観光船: 海中が見えるグラスボートに乗って、海中散歩を楽しむことができます。
- 自然との触れ合い: シュノーケリングやダイビングなどのアクティビティを通じて、より間近に海中世界を体験できます(別途料金、条件あり)。
- 本州最南端のロケーション: 周辺には潮岬など、本州最南端ならではの景勝地も楽しめます。
残念な所
- アクセス: 主要都市からのアクセスは、電車やバスを乗り継ぐ必要があり、やや時間がかかる場合があります。
- 天候の影響: 海上施設のため、天候によっては海中展望塔や海中観光船が利用できない場合があります。
- 冬季の寒さ: 冬季は海水温が下がり、海中活動は寒く感じる場合があります。
見どころスポット
- 海中展望塔: カラフルな熱帯魚やサンゴ礁を気軽に観察できる、公園のシンボル的な施設です。
- 水族館: 「串本の海」「紀伊半島の海」「世界の海」などテーマごとに展示されており、様々な海の生き物を観察できます。特にウミガメの繁殖にも力を入れています。
- 海中観光船ブルーマリン: グラスボートで、海中を遊覧しながらサンゴ礁や魚たちを観察できます。
- サンゴ礁エリア: 公園周辺の海域は、シュノーケリングやダイビングスポットとしても人気です(ライセンスや経験が必要な場合があります)。
- ビジターセンター: 公園の自然や生物に関する展示があり、学習することができます。
観光のヒント
- 事前に公式サイトで営業時間や休園日、海況などを確認しておきましょう。
- 海中展望塔や海中観光船の利用を予定している場合は、天候に注意してください。
- シュノーケリングやダイビングを楽しむ場合は、事前に予約や準備が必要です。
- 公園周辺には、民宿やホテルなどの宿泊施設もあります。
- 本州最南端の潮岬や橋杭岩など、周辺の観光スポットと合わせて訪れるのもおすすめです。
串本海中公園は、手軽に美しい海中世界を体験できる貴重な場所です。和歌山を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。
5. 那智の滝(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)

那智の滝は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある、日本三大名瀑の一つに数えられる名瀑です。熊野那智大社の別宮である飛瀧神社の御神体ともされており、古くから信仰の対象として崇められてきました。
歴史的な成り立ち
- 那智の滝は、熊野信仰の中心地である熊野三山の一つ、熊野那智大社の起源と深く結びついています。
- 滝そのものが神として崇められ、古くから修験道の行場としても利用されてきました。
- 熊野那智大社は、もともと那智の滝の近くに祀られていましたが、後に現在地に移されました。しかし、滝は依然として重要な聖地とされています。
- 滝のそばにある飛瀧神社は、那智の滝を直接祀る珍しい神社です。社殿はなく、滝そのものがご神体となっています。
良い所
- 圧倒的な景観: 高さ133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さ10mというスケールは圧巻で、自然の雄大さを感じさせてくれます。
- 神聖な雰囲気: 熊野信仰の中心地であり、滝そのものが神として祀られているため、非常に神聖な雰囲気が漂っています。
- アクセスの良さ: 那智勝浦町内からバスや車で比較的容易にアクセスできます。周辺には駐車場も整備されています。
- 周辺観光との連携: 熊野那智大社や那智山青岸渡寺など、周辺の熊野古道の観光スポットと合わせて訪れることができます。
- 四季折々の美しさ: 新緑、紅葉、雨後の水量が増した姿など、四季折々に異なる表情を見せてくれます。
残念な所
- 滝壺への近接: 安全上の理由から、滝壺のすぐ近くまでは立ち入ることができません。
- 雨天時の足元: 雨天時は遊歩道や階段が滑りやすくなるため、注意が必要です。
- 観光客の多さ: 特に連休や観光シーズンは、多くの観光客で賑わいます。
見どころスポット
- 那智の滝: 言わずもがな、その雄大な姿は必見です。滝壺近くの展望台から見上げる滝は迫力満点です。
- 飛瀧神社: 社殿を持たず、那智の滝そのものを御神体とする珍しい神社です。滝に向かって手を合わせ、自然の神聖さを感じましょう。
- 滝見台: 滝を正面から見渡せる展望台です。滝全体を写真に収めるのにも最適なスポットです。
- 青岸渡寺からの眺め: 那智山青岸渡寺の境内からも那智の滝を望むことができます。三重塔と滝を一緒に写真に収める構図が人気です。
- 熊野古道(大門坂): 那智の滝へと続く熊野古道の一部で、趣のある石畳の道や杉木立の中を歩くことができます。
観光のヒント
- 歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
- 雨具を持参すると、天候の変化に対応できます。
- 周辺の熊野古道も散策する場合は、時間に余裕を持って計画しましょう。
- 那智勝浦町は温泉地としても有名なので、温泉と合わせて楽しむのもおすすめです。
那智の滝は、自然の力強さと神聖な雰囲気を同時に感じられる、和歌山県を代表する観光スポットです。ぜひ、その目で雄大な滝の姿を確かめてみてください。
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