島根県には、歴史や自然が豊富な魅力的な観光スポットが多くあります。以下に、人気の観光スポット5つと、それぞれの良い点と少し残念な点を挙げます。
1. 出雲大社(島根県出雲市)

出雲大社(いずもおおやしろ)は、島根県出雲市にある日本を代表する古社の一つです。縁結びの神様として広く知られ、その荘厳な雰囲気と歴史の深さから、年間を通して多くの参拝者が訪れる人気の観光スポットです。
歴史的な成り立ち
- 出雲大社の創建は非常に古く、その起源は神話の時代にまで遡るとされています。国譲りの神話で知られる大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀っており、その創建は日本最古の神社の一つと言われています。
- 古代には巨大な神殿が存在したと伝えられており、その高さは諸説ありますが、数十メートルにも及んだと考えられています。
- 中世以降、何度か焼失・再建を繰り返しましたが、現在の本殿は江戸時代後期に建てられたものです。
- 明治時代には、官幣大社に列せられました。
良い所
- 縁結びの神様: 大国主大神は縁結びの神様として広く信仰されており、男女の縁だけでなく、仕事や友人など、あらゆる良縁を願う人々が訪れます。
- 荘厳な雰囲気: 広大な境内と、独特の建築様式を持つ本殿や拝殿は、訪れる人々に神聖な雰囲気を与えます。
- 歴史と文化: 神話の時代から続く歴史を持ち、多くの文化財や伝説が残っています。
- 独特の参拝方法: 一般的な神社とは異なり、「二礼四拍手一礼」という独特の参拝方法で行います。
- 周辺の観光スポット: 出雲大社周辺には、稲佐の浜や古代出雲歴史博物館など、見どころとなるスポットが点在しています。
残念な所
- アクセス: 島根県は比較的遠方にあるため、首都圏や他の主要都市からのアクセスには時間がかかる場合があります。
- 混雑: 縁結びの御利益を求めて、特に週末や祝日、連休などは多くの参拝者で賑わいます。
- 階段や砂利道: 境内は広く、階段や砂利道も多いため、足腰に不安がある方は注意が必要です。
見どころスポット
- 拝殿: 大きなしめ縄が印象的な建物で、参拝はこちらで行います。
- 本殿: 大国主大神が祀られている御本殿は、荘厳な佇まいを見せています(普段は内部拝観できません)。
- 十九社: 旧暦の10月(神在月)に全国の神々が集まるとされる建物です。
- 神楽殿: 日本最大級の大きさを誇るしめ縄が掛けられています。
- ムスビの御神像: 大国主大神と須勢理毘売命(すせりびめのみこと)が仲睦まじく寄り添う像で、縁結びの象徴とされています。
- 稲佐の浜: 国譲りの神話の舞台となった場所で、出雲大社の西方に位置しています。
- 古代出雲歴史博物館: 出雲大社の歴史や出土品などを展示しており、より深く理解することができます。
観光のヒント
- 参拝の際は、「二礼四拍手一礼」の作法を守りましょう。
- 時間に余裕があれば、周辺の稲佐の浜や古代出雲歴史博物館も訪れるのがおすすめです。
- 出雲そばは、出雲地方の名物なので、ぜひ味わってみてください。
- 神在月(旧暦10月)には、全国の神々が集まる神事が行われ、普段とは異なる賑わいを見せます。
出雲大社は、縁結びの神様としてだけでなく、日本の古代からの歴史と文化を感じられる特別な場所です。ぜひ、訪れてその荘厳な雰囲気を感じてみてください。
2. 松江城(島根県松江市)

松江城は、島根県松江市にある、現存十二天守の一つに数えられる貴重な城です。宍道湖のほとりに佇むその姿は美しく、歴史的な価値も高く、多くの観光客を魅了しています。
歴史的な成り立ち
- 松江城は、関ヶ原の戦いの功績により出雲・隠岐の地を与えられた堀尾吉晴によって、1607年から約5年の歳月をかけて築城されました。
- 堀尾氏の後、京極氏、松平氏が城主を務めました。特に松平氏は、徳川家康の孫にあたる松平直政が初代藩主となり、明治維新まで10代にわたって松江藩を治めました。
- 明治時代の廃城令により多くの建物が取り壊されましたが、天守は市民の熱意により保存されました。
- 2015年には、創建当時の姿を留める天守が国宝に指定されました。
良い所
- 現存天守: 江戸時代初期の姿を今に伝える貴重な現存天守であり、国の宝です。
- 美しい外観: 黒を基調とした重厚感のある外観は「千鳥破風」が特徴的で、別名「千鳥城」とも呼ばれています。
- 眺望: 天守最上階からは、松江市街や宍道湖を一望できる素晴らしい眺めが広がります。
- 歴史: 城内には、築城当時の様子や歴代城主に関する資料などが展示されており、歴史を学ぶことができます。
- 周辺環境: 宍道湖畔に位置し、周辺には武家屋敷や小泉八雲旧居など、歴史的な観光スポットが点在しています。
残念な所
- 階段: 天守内は階段での移動となり、最上階まで登るには体力が必要です。
- エレベーターなし: 現存天守のため、エレベーターなどのバリアフリー設備はありません。
- 冬季の寒さ: 冬季は天守内が寒く感じられることがあります。
見どころスポット
- 天守: 国宝に指定された天守は、必見です。各階の展示や最上階からの眺めをじっくりと楽しみましょう。
- 天守の鯱: 天守の屋根に飾られた鯱は、木造の鯱としては日本最大級の大きさを誇ります。
- 石垣: 築城当時の技術が偲ばれる石垣は、見応えがあります。特に「登り石垣」と呼ばれる独特の構造は注目です。
- 本丸跡: 現在は広場となっており、天守を様々な角度から眺めることができます。
- 興雲閣: 明治時代に建てられた洋風建築で、現在は展示施設や休憩所として利用されています。
- 武具櫓: 復元された櫓で、当時の武具などが展示されています。
- 堀: 城を囲む堀は、往時の面影を伝えています。遊覧船からの眺めもおすすめです。
観光のヒント
- 松江城へのアクセスは、JR松江駅からバスまたは徒歩となります。
- 天守への入場は有料です。
- 時間に余裕があれば、周辺の武家屋敷や小泉八雲旧居なども合わせて観光するのがおすすめです。
- 宍道湖の夕日は絶景なので、夕暮れ時に訪れるのも良いでしょう。
松江城は、歴史と美しさを兼ね備えた、島根県を代表する観光スポットです。ぜひ、訪れてその魅力を体感してみてください。
3. 宍道湖(島根県松江市)(島根県出雲市)

宍道湖(しんじこ)は、島根県東部に位置する全国で7番目に大きな汽水湖です。夕日の美しさで特に有名で、豊かな自然と歴史、そして独特の文化が魅力の観光スポットです。
歴史的な成り立ち
- 宍道湖は、約6000年前の縄文時代から人々の生活の場でした。湖畔からは多くの貝塚や遺跡が発見されています。
- 古くから漁業が盛んで、特にシジミは宍道湖を代表する特産品となっています。
- 江戸時代には、松江藩の重要な水上交通路として利用されました。
- 明治時代以降は、観光地としても注目されるようになり、特に夕日の美しさが広く知られるようになりました。
良い所
- 絶景の夕日: 宍道湖の夕日は「日本の夕陽百選」にも選ばれており、時間とともに変化する空と湖面のコントラストは息をのむ美しさです。
- 豊かな自然: 四季折々の自然が美しく、野鳥の観察スポットとしても知られています。
- 美味しい湖の幸: シジミをはじめ、モロゲエビ、アマサギ、スズキ、コイ、ウナギ、ワカサギの「宍道湖七珍」と呼ばれる特産品は絶品です。
- 周辺観光との連携: 松江城や出雲大社など、周辺の観光スポットへのアクセスも便利です。
- ゆったりとした雰囲気: 大規模な観光地のような賑やかさはないものの、落ち着いた雰囲気の中で自然や文化に触れることができます。
残念な所
- 天候に左右される: 夕日の美しさは天候に大きく左右されます。曇りの日や雨の日には期待した景色が見られないことがあります。
- アクセス: 大都市圏からのアクセスは、飛行機や新幹線などを利用してもやや時間がかかる場合があります。
- 冬の寒さ: 冬季は気温が低く、湖畔は風が強いことがあります。
見どころスポット
- 嫁ヶ島: 宍道湖に浮かぶ小さな無人島で、夕日の絶好のビューポイントとして知られています。遊覧船から眺めることができます。
- 宍道湖夕日スポット: 湖畔には多くの夕日観賞スポットがあり、それぞれ異なる景色を楽しめます(例:県立宍道湖自然館ゴビウス周辺、宍道湖グリーンパークなど)。
- 宍道湖遊覧船: 湖上から夕日や周辺の景色をゆったりと楽しむことができます。
- 宍道湖しじみ漁: 早朝には、伝統的な漁法でシジミを獲る漁師の姿を見ることができます。
- 県立宍道湖自然館ゴビウス: 宍道湖の自然や生態系について学べる施設です。
- 宍道湖温泉: 湖畔には温泉旅館もあり、夕日を眺めながら温泉に浸かることができます。
- 松江城: 宍道湖畔にそびえる現存天守の城で、湖と城のコントラストが美しいです。
観光のヒント
- 夕日を見る際は、事前に日没時間を確認し、時間に余裕を持って湖畔へ向かいましょう。
- 天候が変わりやすいので、折りたたみ傘や羽織るものがあると便利です。
- 宍道湖周辺の旅館やホテルでは、宍道湖七珍を使った料理を提供しているところが多いので、ぜひ味わってみてください。
- レンタサイクルを利用して湖畔をサイクリングするのもおすすめです。
宍道湖は、その美しい夕日をはじめ、豊かな自然や食文化など、多くの魅力を持つ観光スポットです。ぜひ、ゆったりとした時間を過ごしに訪れてみてください。
4. 石見銀山(島根県大田市)

石見銀山は、島根県大田市にある、かつて世界有数の産出量を誇った銀山遺跡です。2007年には「石見銀山遺跡とその文化的景観」としてユネスコ世界遺産に登録され、歴史的な鉱山跡や集落の風景が魅力的な観光スポットとなっています。
歴史的な成り立ち
- 石見銀山の本格的な開発は、戦国時代の16世紀初頭に始まりました。
- 朝鮮半島から進んだ新しい採掘・精錬技術によって銀の産出量が飛躍的に増大し、日本最大の銀山として繁栄しました。
- 江戸時代には、幕府直轄の天領となり、厳重な管理のもとで採掘が続けられました。
- 銀の産出量の減少や技術の変化により、昭和初期に閉山しました。
- 閉山後、坑道や集落の跡が良好な状態で保存され、歴史的な価値が見直され、世界遺産登録に至りました。
良い所
- 歴史的な景観: 銀山跡や鉱山町の古い町並みが残っており、当時の様子を偲ぶことができます。
- 自然との調和: 豊かな自然の中に鉱山跡や集落が点在しており、歴史と自然の両方を楽しめます。
- 坑道探検: 一部の坑道が公開されており、当時の採掘の様子を体験できます。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 大規模な観光地のような賑やかさとは異なり、静かで落ち着いた雰囲気の中で歴史や自然に触れることができます。
- 世界遺産: 世界的に貴重な文化遺産であり、その価値を肌で感じることができます。
残念な所
- 移動手段: 広い範囲に遺跡が点在しているため、徒歩での移動には限界があり、レンタサイクルやタクシー、バスなどの利用が推奨されます。
- 坑道内の環境: 坑道内は暗く、足元が悪い場所もあるため、注意が必要です。
- 冬季の気候: 冬季は積雪や寒さ対策が必要です。
- 派手なエンターテイメント性はない: テーマパークのような派手なアトラクションはありません。歴史や自然に興味がある方向けです。
見どころスポット
- 龍源寺間歩: 石見銀山で唯一一般公開されている坑道で、当時の採掘の様子を見学できます。
- 大森銀山重要伝統的建造物群保存地区: 銀山で働く人々が暮らした町並みが保存されており、武家屋敷や商家などを見学できます。
- 石見銀山資料館: 石見銀山の歴史や採掘技術などを詳しく学ぶことができます。
- 羅漢寺五百羅漢: 坑夫たちの霊を弔うために彫られた五百体以上の石仏が並ぶ場所です。
- 清水寺: 銀山領主大久保氏の菩提寺で、美しい庭園や三重塔があります。
- 代官所跡: 江戸時代に銀山を管理した代官所の跡地です。
- 街並みを巡るレンタサイクル: 広い範囲を効率よく回るのに便利です。
観光のヒント
- 事前に石見銀山の歴史や見どころについて調べておくと、より深く楽しめます。
- 歩きやすい靴と服装で訪れましょう。
- レンタサイクルを利用する場合は、事前に予約状況を確認しておくと良いでしょう。
- 坑道内は涼しいので、羽織るものがあると便利です。
- 周辺には温泉地もありますので、観光と合わせて温泉を楽しむのもおすすめです。
石見銀山は、日本の歴史と文化、そして自然の美しさを感じられる魅力的な場所です。時間をかけてゆっくりと散策し、その歴史的な価値と景観を堪能してみてください。
5. 足立美術館(島根県安来市)

足立美術館は、島根県安来市出身の実業家である足立全康氏が、「故郷への恩返し」という強い思いから私財を投じて1970年に開館した美術館です。全康氏は、横山大観をはじめとする近代日本画に深い感銘を受け、その収集に情熱を注ぐとともに、「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、広大な日本庭園の作庭にも心血を注ぎました。
歴史的な成り立ち
- 1970年(昭和45年): 足立全康氏が71歳の時に、財団法人足立美術館を創設し開館。当初は小さな展示室のみでしたが、その後増築を重ねています。
- 開館以来、年中無休で運営されています。
- 全康氏は、生前寝起きしていた本宅内に「生の掛軸」という鑑賞スタイルを取り入れ、周囲を驚かせました。これは、床の間の壁に穴を開け、向かい側の白砂青松庭をまるで掛け軸のように鑑賞できるようにしたものです。
- 全康氏は、当初から日本庭園と日本画を美術館の二本柱として構想していました。
- 1990年(平成2年): 足立全康氏が91歳で逝去。
- 2011年(平成23年): 公益財団法人に移行。
- 2020年(令和2年): 北大路魯山人の作品だけを展示する「魯山人館」がオープン。
良い所
- 日本一と称される美しい日本庭園: アメリカの日本庭園専門誌によるランキングで、2003年から連続で日本一に選ばれるほど、質が高く手入れの行き届いた広大な庭園です。枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭など、趣の異なる多様な庭園が、四季折々に美しい表情を見せます。
- 横山大観コレクション: 近代日本画の巨匠・横山大観の作品を約120点所蔵しており、質・量ともに日本屈指です。常時20点余りが展示され、その繊細かつ大胆な作風を堪能できます。
- 多様な所蔵品: 横山大観の他、竹内栖鳳、上村松園、川合玉堂ら近代日本画家の名作や、北大路魯山人の陶芸、平櫛田中の木彫、林義雄の童画、そして現代日本画など、約2,000点の所蔵品があります。
- 「生の額絵」「生の掛軸」: 庭園をまるで絵画のように鑑賞できるユニークな仕掛けがあり、自然の美しさを ভিন্ন角度から楽しめます。
- 四季折々の展示替え: 年に4回の展示替えが行われ、いつ訪れても異なる作品と庭園の表情を楽しめます。
- 落ち着いた鑑賞空間: 広大な敷地と複数の展示室により、比較的ゆったりと美術品や庭園を鑑賞できます。
- 無料シャトルバス: JR安来駅から無料のシャトルバスが運行しており、アクセスも比較的便利です。
残念な所
- 入館料: 一般的な美術館と比較して、入館料がやや高めに設定されています。
- 写真撮影の制限: 館内での写真撮影は、一部を除き禁止されています。庭園は撮影可能ですが、展示作品は基本的に撮影できません。
- アクセス: 公共交通機関の場合、駅からシャトルバスでの移動が必要となるため、やや時間がかかる場合があります。
- 混雑: 特に庭園ランキングで上位に選ばれる時期や、大型連休などは混雑することがあります。
- 飲食施設の選択肢: 美術館周辺や館内の飲食施設の選択肢は限られています。
見どころスポット
- 枯山水庭: 足立美術館の主庭であり、中央の立石や白砂が織りなす静謐な空間です。借景の山々との調和も見事です。
- 白砂青松庭: 横山大観の代表作「白沙青松」をモチーフに作庭された庭園で、白砂と松のコントラストが印象的です。奥には「亀鶴の滝」があり、大観の「那智乃瀧」をイメージしています。
- 苔庭: 多種類の苔が絨毯のように広がる、しっとりとした美しい庭園です。
- 池庭: 四季折々の自然が水面に映り込む、趣のある庭園です。正面には煎茶室「清風」があります。
- 生の額絵: 館内の窓枠を額縁に見立て、庭園の景色を一枚の絵画のように鑑賞できるスポットです。
- 生の掛軸: 床の間の壁をくり抜き、庭園の一部を掛け軸のように鑑賞できる、創設者こだわりの鑑賞スタイルです。
- 横山大観特別展示室: 常時約20点の横山大観の作品を鑑賞できます。
- 魯山人館: 北大路魯山人の陶芸や書画を展示する独立した施設です。
足立美術館は、「庭園もまた一幅の絵画である」という創設者の理念が息づく、日本美を堪能できる अद्वितीयの স্থানです。
【JTB国内旅行】魅力的なプランと豊富な在庫をご用意!