石川県の穴場観光スポット

各地の穴場観光スポット

石川県には、比較的混雑せず、ゆっくりと楽しめる穴場的な観光地があります。以下におすすめの2か所をご紹介します。

1. 倶利伽羅峠(くりからとうげ)(石川県津幡町~富山県小矢部市)

石川県の穴場観光スポット:倶利伽羅峠

① 概要

倶利伽羅峠(くりからとうげ)は、石川県河北郡津幡町と富山県小矢部市にまたがる峠です。古くから交通の要衝として知られ、特に源平合戦における源義仲(木曽義仲)の「火牛の計」の舞台として有名です。現在では、豊かな自然に囲まれたハイキングコースや歴史的な史跡が残る場所として、静かに歴史と自然を感じたい方におすすめの穴場スポットです。春の新緑、秋の紅葉など、四季折々の美しい景観も魅力です。

② 歴史的な成り立ち

倶利伽羅峠は、古代より北陸地方における重要な交通路でした。特にその名を歴史に刻んだのは、平安時代末期の治承・寿永の乱(源平合戦)における**「倶利伽羅峠の戦い」**です。

  • 源平合戦の舞台: 1183年(寿永2年)、木曽義仲率いる源氏軍と平維盛率いる平氏軍がこの地で激突しました。この戦いで義仲は、角に松明をつけた牛を平氏軍に突入させるという奇策「火牛の計」を用い、平氏軍を大いに混乱させ、勝利を収めました。この勝利は、源氏の勢力を大きく拡大する転機となりました。
  • 軍事的な要衝: その後も、倶利伽羅峠は軍事的な要衝として重要視されました。戦国時代には、加賀の一向一揆勢と織田信長軍との間で戦いも繰り広げられました。
  • 近世以降: 江戸時代には、加賀藩の領内を通る街道の一部として利用されました。明治時代以降は、鉄道や新たな道路の開通により交通の要としての役割は薄れましたが、歴史的な史跡や自然が残る場所として、人々に親しまれるようになりました。

③ 良い所

  • 歴史ロマンを感じられる: 源平合戦の古戦場であり、「火牛の計」という有名な戦術の舞台となった場所を訪れることで、歴史の息吹を肌で感じることができます。
  • 豊かな自然と静かな環境: 峠一帯は緑豊かな自然に囲まれており、喧騒から離れて静かに過ごしたい方には最適です。四季折々の自然美を楽しむことができます。
  • 手軽なハイキングコース: 整備されたハイキングコースがあり、気軽に自然散策を楽しめます。峠道は比較的緩やかで、体力に自信のない方でも歩きやすいでしょう。
  • 眺望の良さ: 峠からは周囲の山々や平野を見渡せる場所があり、開放的な景色を楽しむことができます。特に夕暮れ時の景色は格別です。
  • アクセスしやすい: 金沢市内から車で比較的アクセスしやすく、日帰りでの観光が可能です。

④ 残念な所

  • 派手な観光施設がない: 大規模な観光施設やエンターテイメント施設はなく、自然や歴史に触れることを目的とした場所です。賑やかな観光地を求める方には物足りないかもしれません。
  • 公共交通機関の便: 公共交通機関でのアクセスはやや不便な場合があります。自家用車での訪問が便利です。
  • 冬季の閉鎖: 冬季は積雪のため、ハイキングコースなどが閉鎖される場合があります。訪問前に情報を確認する必要があります。
  • 史跡の保存状態: 一部の史跡は風化が進んでいる箇所もあります。往時の姿を完全に想像するには、ある程度の知識が必要かもしれません。

⑤ 見どころのスポット

  • 倶利伽羅古戦場跡: 源平合戦の激戦地となった場所です。案内板などが設置されており、当時の様子を偲ぶことができます。
  • 火牛塚: 「火牛の計」で活躍した牛たちの霊を弔うために建てられたと伝えられる塚です。
  • 不動滝: 峠道沿いにある美しい滝です。水量が多く、迫力があります。
  • 倶利伽羅県民の森: 峠一帯に広がる自然公園で、四季折々の花々や植物を楽しむことができます。ハイキングコースも整備されています。
  • 小矢部市側の眺望: 峠の富山県側からは、砺波平野を一望できる絶景ポイントがあります。
  • 埴生護国八幡宮: 倶利伽羅峠の戦いで戦勝祈願が行われたと伝えられる神社です。歴史を感じさせる佇まいです。

倶利伽羅峠は、歴史好き、自然好きの方にとって、静かで落ち着いた時間を過ごせる魅力的な穴場観光スポットです。源平合戦のロマンを感じながら、豊かな自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

2. 輪島塗会館と周辺の静かな小路(石川県輪島市)

輪島塗会館と周辺の静かな小路

① 概要

石川県輪島市は、日本を代表する漆器「輪島塗」の産地として知られています。輪島塗会館は、その歴史や製作工程、美しい作品を展示する施設であり、輪島塗の世界を深く知ることができます。会館周辺には、伝統的な家並みが残る静かな小路が点在し、輪島の文化と風情をゆっくりと散策するのに最適な穴場スポットです。賑やかな観光地とは一線を画し、落ち着いた雰囲気の中で輪島の魅力を堪能できます。

② 歴史的な成り立ち

輪島塗の歴史は古く、室町時代末期にはその原型となる漆器が存在していたと考えられています。江戸時代に入ると、沈金(ちんきん)や蒔絵(まきえ)といった高度な加飾技術が発達し、輪島塗は全国的にその名を知られるようになりました。特に、丈夫さと優美さを兼ね備えた輪島塗は、武士階級や富裕層に愛用されました。

輪島塗会館は、このような長い歴史と伝統を持つ輪島塗の文化を後世に伝え、観光客にその魅力を知ってもらうために設立されました。輪島塗の技術の粋を集めた展示品を通して、その美しさや職人の技、そして歴史的背景を学ぶことができます。また、周辺の小路は、かつて輪島塗に関わる職人や商人たちが生活していた場所であり、当時の面影を今に伝える貴重な空間です。

③ 良い所

  • 輪島塗の奥深さを知る: 会館では、輪島塗の歴史、製作工程(木地作りから加飾まで)、様々な種類の作品が系統的に展示されており、その奥深さをじっくりと学ぶことができます。職人の技術の高さや、漆の持つ独特の美しさに触れることができるでしょう。
  • 静かで落ち着いた雰囲気: 賑やかな観光地とは異なり、輪島塗会館周辺は比較的静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。喧騒を離れて、じっくりと展示品を鑑賞したり、小路を散策したりすることができます。
  • 伝統的な街並みを散策できる: 会館周辺には、古い家並みが残る小路があり、昔ながらの日本の風景を楽しむことができます。軒先に飾られた輪島塗の看板や、趣のある建物など、散策するだけでも心が安らぎます。
  • 職人の技に触れる機会: 会館によっては、職人による実演や体験プログラムが用意されている場合があり、輪島塗の製作過程を間近で見たり、実際に体験したりすることができます。
  • 雨の日でも楽しめる: 屋内施設である輪島塗会館は、天候に左右されずに観光を楽しむことができます。

④ 残念な所

  • 公共交通機関でのアクセス: 輪島市自体が比較的アクセスに時間がかかる場所にあり、輪島塗会館も公共交通機関でのアクセスはやや不便かもしれません。自家用車での訪問が推奨されます。
  • 周辺の飲食店・土産店: 会館周辺は静かな住宅街という雰囲気のため、軽井沢や金沢のような賑やかな観光地と比べると、飲食店やお土産店の数は限られます。食事や買い物を楽しみたい場合は、輪島市中心部まで足を延ばす必要があります。
  • 展示内容の専門性: 輪島塗に関する専門的な展示が多いため、漆器に全く興味がない方にとっては、やや退屈に感じる可能性もあります。
  • 体験プログラムの有無: 職人による実演や体験プログラムは、時期や会館の状況によって開催されていない場合があります。事前に確認が必要です。

⑤ 見どころのスポット

  • 輪島塗会館の展示室: 様々な技法やデザインの輪島塗の作品が展示されており、その美しさと技術の高さを堪能できます。特に、国の重要無形文化財に指定されている輪島塗の技術は必見です。
  • 沈金・蒔絵の実演コーナー(開催時): 職人が実際に沈金や蒔絵の技法を披露する様子を見学できることがあります。繊細な手仕事はまさに芸術です。
  • 輪島塗の製作工程紹介: 木地作りから塗り、加飾に至るまでの長い工程を、パネルや映像などで分かりやすく解説しています。
  • 周辺の静かな小路: 会館を出て、周辺の細い路地を散策してみましょう。古い家並みや、ひっそりと佇むお寺、軒先に飾られた輪島塗の看板など、輪島ならではの風情を感じることができます。
  • 總持寺祖院周辺: 輪島塗会館から少し足を延ばすと、曹洞宗の大本山である總持寺祖院があります。広大な境内や歴史ある建造物は見ごたえがあり、輪島の歴史と文化を感じさせるスポットです。周辺には、輪島塗のギャラリーやショップが点在していることもあります。

輪島塗会館と周辺の静かな小路は、輪島の伝統文化と落ち着いた雰囲気を満喫できる、知る人ぞ知る穴場スポットです。時間に余裕を持って訪れ、輪島の魅力をじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。

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