熊本県には自然や歴史が豊富な観光スポットがたくさんあります。以下に特に人気のある5つのスポットと、それぞれの良いところと少し残念な点を紹介します。
1. 熊本城(熊本県熊本市中央区)

熊本城は、熊本県熊本市にある、加藤清正によって築かれた名城です。かつては難攻不落の城として知られ、現在もその壮麗な姿は多くの観光客を魅了しています。
歴史的な成り立ち
- 1601年(慶長6年)から7年の歳月をかけて、加藤清正によって築城されました。
- 戦国時代の築城技術の粋を集めた、堅牢で美しい城として知られました。
- 西南戦争(1877年)で多くの建物が焼失しましたが、その後、一部が復元されました。
- 2016年(平成28年)の熊本地震で甚大な被害を受け、現在も復旧作業が進められています。
良い所
- 壮大な石垣: 「武者返し」と呼ばれる独特の反り返った石垣は、敵の侵入を防ぐための工夫が凝らされており、見応えがあります。
- 復元された建造物: 天守閣をはじめ、いくつかの櫓や門が復元され、往時の姿を偲ぶことができます。
- 歴史: 加藤清正という名将が築いた城であり、西南戦争の舞台ともなった歴史的な場所です。
- 眺望: 復元された天守閣からは、熊本市内を一望できます。
- 復旧への取り組み: 地震からの復旧作業が着実に進んでおり、その様子を見学することも貴重な体験となります。
残念な所
- 地震による被害: 2016年の地震で多くの建物や石垣が損壊し、現在も立ち入り禁止区域が多くあります。
- 復旧工事中: 全面的な復旧にはまだ時間がかかり、見学できる範囲が限られています。
- 往時の姿ではない: 復元された建物であり、創建当時の姿とは異なる部分があります。
見どころスポット
- 天守閣: 地震の被害を受けましたが、復旧工事が進み、内部を見学できるようになりました。展望所からは熊本市内を一望できます。
- 宇土櫓: 創建当時の姿をほぼそのまま残す貴重な櫓で、国の重要文化財に指定されています。
- 武者返し: 独特の反り返った石垣は、熊本城の見どころの一つです。
- 飯田丸五階櫓: 地震で大きく被災しましたが、復旧工事が進んでいます。
- 頬当御門: 本丸への正門で、堅牢な造りが特徴です。
- 二様の石垣: 築城時期の異なる石垣が隣り合って見られる珍しい場所です。加藤清正が築いた算木積みの石垣と、それ以前の野面積みの石垣を見比べることができます。
- 桜の馬場 城彩苑: 熊本城の歴史や文化を紹介する施設や、熊本の特産品を扱う店、飲食店などがあります。
観光のヒント
- 熊本城の公式サイトで、見学可能なエリアや復旧状況を事前に確認することをおすすめします。
- 地震の爪痕が残る場所も多いため、安全に注意して見学してください。
- 桜の時期や秋の紅葉の時期は特に美しいですが、混雑も予想されます。
- 熊本城周辺には、水前寺成趣園など、他の観光スポットもあります。
熊本地震からの復興が進む熊本城は、その歴史と不屈の精神を感じさせる場所です。完全な復旧には時間がかかりますが、訪れることで復興への支援にも繋がります。
2. 阿蘇山(熊本県阿蘇市)

阿蘇山は、熊本県にある世界有数のカルデラを持つ活火山です。その雄大な自然と独特の景観は、多くの人々を魅了し、熊本県を代表する観光スポットとなっています。
歴史的な成り立ち
- 阿蘇山は、約27万年前から約9万年前の4回の大規模な噴火によって形成されたと考えられています。これらの噴火によって地下のマグマだまりが空洞になり、陥没して巨大なカルデラができました。
- カルデラ内には、現在の中岳、高岳、烏帽子岳、杵島岳、根子岳といった中央火口丘群が形成されました。これらを総称して阿蘇五岳と呼びます。
- 有史以降の噴火は主に中岳で記録されており、現在も活発な活動を続けている活火山です。
良い所
- 雄大なカルデラ: 世界有数の大きさを誇るカルデラは、広大な草原や田園風景、そして阿蘇五岳の雄姿など、変化に富んだ景観を作り出しています。
- 活火山: 現在も噴煙を上げる中岳火口を間近に見ることができ、地球の息吹を感じられます(ただし、火山活動の状況により規制される場合があります)。
- 四季折々の自然: 春の新緑、夏の草原、秋の紅葉、冬の雪景色と、一年を通して美しい自然を楽しめます。
- 豊富な観光スポット: 草千里ヶ浜、大観峰、阿蘇ファームランドなど、自然を満喫できるスポットやレジャー施設が充実しています。
- 温泉: 阿蘇山周辺には、豊富な温泉が湧き出ており、観光と合わせて温泉も楽しめます。
- グルメ: 阿蘇の牛乳やジャージー牛乳を使ったソフトクリーム、あか牛料理など、地元ならではのグルメも魅力です。
残念な所
- 火山活動による規制: 火山活動の状況によっては、火口周辺への立ち入りが規制されることがあります。事前に気象庁の火山活動に関する情報を確認する必要があります。
- 天候: 山岳地帯のため、天候が変わりやすく、雨や霧などで景色が見えにくい場合があります。
- アクセス: 公共交通機関での移動は、本数が少ない場合や乗り換えが必要な場合があります。レンタカーがあると便利です。
- 観光地の混雑: 特にゴールデンウィークや夏休みなどの観光シーズンは、主要なスポットが混雑することがあります。
見どころスポット
- 中岳火口: 阿蘇山の中心にある活火口で、エメラルドグリーンの湯だまりが見られることがあります(立ち入り規制に注意)。
- 草千里ヶ浜: 広大な草原が広がり、乗馬や散策を楽しめます。中央には雨水が溜まってできた池があり、美しい景観を作り出しています。
- 大観峰: 阿蘇カルデラを一望できる絶景スポット。阿蘇五岳や阿蘇谷の雄大な景色を眺めることができます。
- 米塚: 円錐形の美しい小山で、阿蘇のシンボルの一つとなっています。
- 阿蘇ファームランド: 動物との触れ合いや温泉、グルメ、ショッピングなどが楽しめる複合施設です。
- 阿蘇神社: 健磐龍命を祀る歴史ある神社で、楼門は日本三大楼門の一つに数えられています。
- 白川水源: 環境省選定の「名水百選」にも選ばれた美しい水源。毎分60トンもの湧水量を誇ります。
阿蘇山は、その雄大な自然と活火山というダイナミックな景観が魅力の観光地です。訪れる際には、事前に火山活動の状況や天候を確認し、安全に注意して観光を楽しんでください。
3. 水前寺成趣園(熊本県熊本市中央区)

水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)は、熊本県熊本市中央区にある美しい回遊式庭園です。桃山式庭園の代表的なものとして知られ、国の名勝にも指定されています。
歴史的な成り立ち
- 水前寺成趣園は、細川家初代忠利公が1636年頃から造営を始め、三代綱利公の時代にほぼ現在の形になったとされています。
- 元々は細川家の別邸「水前寺御茶屋」として利用されていました。
- 庭園の名前にある「成趣園」は、中国の詩人・陶淵明の詩の一節「園日渉以成趣」(庭を日ごと歩き回って趣をなす)に由来すると言われています。
- 明治維新後、一般に公開されるようになりました。
良い所
- 美しい回遊式庭園: 阿蘇の伏流水が湧き出る池を中心に、築山や芝生、茶屋などが配置され、歩きながら景色を楽しめます。
- 阿蘇の自然を凝縮: 園内の築山は阿蘇の山々を模して造られており、あたかも阿蘇の自然を訪れたような気分になれます。
- 出水神社: 園内にある出水神社は、細川家を祀る神社で、厳かな雰囲気があります。
- 古今伝授の間: 細川幽斎が古今和歌集の奥義を伝授したとされる茅葺屋根の建物で、歴史的な価値があります。
- 四季折々の風景: 春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季を通して美しい風景を楽しめます。
- 落ち着いた雰囲気: 都会の喧騒を忘れ、静かで落ち着いた時間を過ごせます。
残念な所
- 規模: 他の著名な回遊式庭園と比べると、やや規模が小さいと感じる方もいるかもしれません。
- 雨天時: 雨天時は足元が悪くなる場所があります。
- 周辺の賑わい: 庭園周辺は住宅街や商業施設があり、静寂さを求める方には少し気になるかもしれません。
見どころスポット
- 古今伝授の間: 茅葺屋根の趣のある建物で、内部の見学も可能です。
- 出水神社: 細川家を祀る神社で、参拝だけでなく、美しい朱色の社殿も見どころです。
- 能楽殿: 江戸時代に建てられた能楽殿で、当時の面影を残しています。
- 水前寺池: 園の中心となる池で、水面に映る景色が美しいです。鯉が泳いでいる姿も見られます。
- 築山: 阿蘇の山々を模して造られた築山で、散策しながら様々な角度から庭園を眺められます。
- 手水舎: 阿蘇の湧水が流れ込む手水舎は、清涼感があります。
- 肥後六花: 園内では、肥後椿、肥後芍薬、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後菊、肥後紅梅といった「肥後六花」と呼ばれる美しい花々が季節ごとに咲き誇ります。
観光のヒント
- 庭園内はゆっくりと散策するのがおすすめです。
- 古今伝授の間は、時間によって内部を見学できる場合があります。
- 出水神社では、お参りだけでなく、庭園の景色と合わせて写真撮影も楽しめます。
- 周辺には、熊本県立美術館や熊本博物館など、他の文化施設もあります。
- 熊本市電を利用すると、アクセスも便利です。
水前寺成趣園は、歴史と自然が調和した美しい庭園です。熊本を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
4. 黒川温泉(熊本県阿蘇郡南小国町)

熊本県阿蘇郡南小国町にある黒川温泉は、自然豊かな山あいに佇む、風情ある温泉地です。温泉街全体が露天風呂のような趣で、湯めぐりを楽しむのが醍醐味です。
歴史的な成り立ち
- 黒川温泉の開湯は古く、江戸時代初期には湯治場として知られていました。
- 当時はひっそりとした温泉地でしたが、1960年代に「野趣あふれる露天風呂」をコンセプトに、温泉街全体で景観を保全する取り組みが始まりました。
- 1980年代には、女性誌などで紹介されたことをきっかけに人気が高まり、現在の全国的に知られる温泉地となりました。
- 温泉街の景観を守るための住民の努力が実り、多くの人を魅了し続けています。
良い所
- 風情ある温泉街: 湯煙が立ち上る中、木造の旅館や土産物店が並ぶ温泉街の景観は、歩いているだけでも心が癒されます。
- 豊富な湯量と泉質: 多種多様な泉質の温泉が湧き出ており、各旅館自慢の露天風呂を楽しめます。
- 湯めぐり: 「入湯手形」を購入すれば、複数の旅館の露天風呂を気軽に楽しむことができます。
- 自然との調和: 周囲を豊かな自然に囲まれており、四季折々の美しい景色を眺めながら入浴できます。
- 落ち着いた雰囲気: 大規模な歓楽街のような賑やかさはなく、静かで落ち着いた時間を過ごしたい方におすすめです。
残念な所
- 公共交通機関でのアクセス: 阿蘇駅からバスでのアクセスとなりますが、本数が限られています。車での訪問が便利です。
- 宿泊料金: 人気の温泉地のため、宿泊料金は比較的高めに設定されている場合があります。
- 冬季の積雪: 冬季は積雪が多く、道路状況によってはアクセスに注意が必要です。
見どころスポット
- 湯畑: 黒川温泉の中心部にあり、温泉の源泉が湧き出る場所です。湯煙が立ち上る様子は温泉情緒たっぷりです。
- 共同浴場: 「穴湯」「河原の湯」「地蔵湯」の3つの共同浴場があり、気軽に温泉を楽しめます。
- 旅館の露天風呂: 各旅館が趣向を凝らした露天風呂は、それぞれ異なる泉質や景観を楽しめます。
- 黒川温泉街の散策: 木造の旅館や土産物店が並ぶ通りを散策するだけでも楽しめます。
- 田の原川: 温泉街を流れる川で、せせらぎを聞きながら散策できます。
- 周辺の自然: 阿蘇の大自然に囲まれているため、ドライブやハイキングなども楽しめます。
観光のヒント
- 湯めぐりを楽しむなら、入湯手形(1枚1,300円で3ヶ所の露天風呂に入浴可能)の購入がおすすめです。
- 各旅館の露天風呂の雰囲気や泉質を事前に調べてから訪れると、より楽しめます。
- 温泉街の散策は、夕暮れ時や夜のライトアップされた時間帯も風情があります。
- 周辺には、阿蘇山や草千里ヶ浜など、他の観光スポットもたくさんあります。
黒川温泉は、日本の原風景が残るような、心安らぐ温泉地です。ぜひ、湯めぐりを楽しみながら、のんびりとした時間を過ごしてみてください。
5. 天草エリア(イルカウォッチング)(熊本県天草市を中心に熊本県上天草市や熊本県芦北町など)

熊本県の天草エリアは、大小120余りの島々が織りなす美しい景観と、歴史・文化、そして豊かな海の幸が魅力の観光地です。キリスト教との深い関わりを持つ歴史や、イルカウォッチングなど、独自の魅力を持っています。
歴史的な成り立ち
- キリスト教伝来と弾圧: 16世紀にキリスト教が伝来し、多くの信者が生まれましたが、江戸時代には厳しい弾圧を受けました。崎津教会など、当時の歴史を今に伝える教会群が点在しています。
- 天草四郎の乱: 島原・天草一揆(1637年)の中心人物である天草四郎は、この地の出身です。
- 捕鯨の歴史: 江戸時代から捕鯨が盛んで、その文化が今も残っています。
- 隠れキリシタン: 弾圧を逃れた人々が、独自の信仰を守り続けた歴史があります。
良い所
- 美しい島々と自然: リアス式海岸や砂浜、緑豊かな島々が織りなす景観は息をのむ美しさです。
- イルカウォッチング: 野生のイルカが高確率で見られるスポットとして全国的に有名です。
- 歴史と文化: キリスト教関連の史跡や、捕鯨文化、隠れキリシタンの歴史など、独特の歴史・文化に触れることができます。
- 新鮮な海の幸: タイ、ウニ、クルマエビなど、豊かな海で獲れた新鮮な海の幸を堪能できます。
- 温泉: 下田温泉や湯島温泉など、風光明媚な温泉地もあります。
- マリンアクティビティ: 海水浴、シーカヤック、ダイビングなど、様々なマリンアクティビティを楽しめます。
残念な所
- 交通アクセス: 島々が点在しているため、公共交通機関での移動はやや時間がかかる場合があります。レンタカーの利用が便利です。
- 観光地の分散: 見どころが広範囲に点在しているため、効率よく回るには計画が必要です。
- 冬季の寒さ: 冬季は風が強く、体感温度が低くなることがあります。
見どころスポット
- 崎津教会: 漁村の風景に溶け込む美しい教会で、畳敷きの珍しい聖堂です。
- 大江天主堂: ロマネスク様式の美しい白亜の教会で、高台からの眺めも素晴らしいです。
- 天草ロザリオ館: キリスト教関連の資料を展示する博物館です。
- 通詞島: イルカウォッチングのメッカで、野生のミナミハンドウイルカが高確率で見られます。
- 妙見浦: 海蝕によってできた奇岩が並ぶ景勝地で、遊覧船からの眺めがおすすめです。
- 天草五橋: 本土と天草諸島を結ぶ5つの橋で、ドライブコースとしても人気があります。
- 下田温泉: 海を見下ろす温泉地で、夕日の名所としても知られています。
- 天草キリシタン館: 天草のキリスト教の歴史や文化を学べる施設です。
- 道の駅 天草さんさんSUNマリン: 地元の特産品が揃い、海を眺めながら食事もできます。
観光のヒント
- イルカウォッチングは、事前に予約するのがおすすめです。
- レンタカーを利用すると、天草エリアを自由に観光できます。
- 各島の情報を事前に調べて、効率的なルートを計画しましょう。
- 海の幸を味わうなら、地元の食事処や道の駅などがおすすめです。
- 教会を見学する際は、静かに見学し、写真撮影の可否などを確認しましょう。
天草エリアは、美しい自然、独特の歴史・文化、そして美味しい海の幸が満喫できる魅力的な観光地です。時間をかけてゆっくりと巡るのがおすすめです。
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