京都府の人気観光スポットを5つ選び、それぞれの良い所と少し残念な所についてご紹介します。
1. 清水寺(京都府京都市東山区)

清水寺は、京都府京都市東山区にある、北法相宗の大本山です。清水の舞台で知られ、世界遺産「古都京都の文化財」の構成要素の一つとして、国内外から多くの観光客が訪れる京都を代表する寺院です。
歴史的な成り立ち
- 宝亀9年(778年)、奈良の僧・賢心(けんしん、延鎮上人)が、夢のお告げによりこの地を訪れ、音羽の滝の霊水で修行を始めたのが起源とされています。
- 延暦17年(798年)には、坂上田村麻呂が堂宇を建立し、清水寺と号しました。
- 室町時代には応仁の乱で焼失しましたが、江戸時代初期に徳川家光の寄進により再建されました。
- 「清水の舞台」として知られる本堂は、崖の上に建てられた懸造(かけづくり)という特殊な工法で建てられています。
良い所
- 清水の舞台: 崖の上にそびえ立つ本堂の舞台からの眺めは絶景で、京都市内を一望できます。春は桜、秋は紅葉と、四季折々の美しい景色を楽しめます。
- 歴史と文化: 創建から1200年以上の歴史を持つ古刹であり、多くの文化財や歴史的建造物が残っています。
- 音羽の滝: 清水寺の名前の由来となった滝で、3本の滝壺から流れ落ちる霊水は、それぞれ学業成就・恋愛成就・延命長寿のご利益があるとされています。
- 地主神社: 縁結びの神様として知られ、若い女性を中心に人気を集めています。「恋占いの石」は特に有名です。
- 周辺の散策: 清水寺へと続く参道(清水坂、三年坂、二年坂)は、土産物店や京料理店などが軒を連ね、散策するだけでも楽しめます。
残念な所
- 混雑: 一年を通して観光客が多く、特に桜や紅葉のシーズン、週末や祝日は非常に混雑します。清水の舞台も人で埋め尽くされることがあります。
- 工事: 文化財保護のため、定期的に修復工事が行われることがあります。訪れる時期によっては、一部の建物や景観が見られない場合があります。
- 坂道や階段: 清水寺の境内や周辺の参道は、坂道や階段が多く、足腰に不安がある方は注意が必要です。
見どころスポット
- 清水の舞台(本堂): 言わずと知れた清水寺のシンボル。舞台からの眺めは必見です。
- 音羽の滝: 3本の滝壺から流れ落ちる霊水。どの水を飲むか迷うのも楽しいかもしれません。
- 地主神社: 縁結びの神様。「恋占いの石」に挑戦してみましょう。
- 仁王門: 清水寺の正門。朱塗りの大きな門は迫力があります。
- 三重塔: 鮮やかな朱色が目を引く美しい塔。
- 経堂: 内部には多数の経典が納められています。
- 奥の院: 本堂の舞台を正面から見渡せる絶好の撮影スポットです。
- 清水坂、三年坂、二年坂: 歴史的な風情が残る参道。お土産探しや食べ歩きを楽しめます。
観光のヒント
- 混雑を避けるなら、早朝に訪れるのがおすすめです。
- 歩きやすい靴で訪れましょう。境内や参道は坂道や階段が多いです。
- 事前に清水寺の公式サイトで、工事情報やイベント情報を確認しておくと良いでしょう。
- 周辺には多くの寺社仏閣や観光スポットがあるので、時間に余裕があれば合わせて巡るのもおすすめです。
清水寺は、その歴史、美しい景観、そして信仰の力で、訪れる人々を魅了し続ける京都を代表する観光スポットです。
2. 金閣寺(京都府京都市北区)

金閣寺(きんかくじ)は、正式名称を鹿苑寺(ろくおんじ)といい、京都市北区にある室町時代の代表的な建築物です。その黄金に輝く姿は、国内外から多くの観光客を魅了する、京都を代表する観光スポットの一つです。
歴史的な成り立ち
- 金閣寺は、もともと鎌倉時代の公卿、西園寺公経(さいおんじきんつね)の別荘「北山第(きたやまてい)」でした。
- 室町幕府3代将軍の足利義満(あしかがよしみつ)がこの地を譲り受け、1397年(応永4年)に別荘「北山殿(きたやまどの)」を造営しました。
- 義満の死後、遺言により禅寺となり、義満の法号「鹿苑院殿(ろくおんいんでん)」から鹿苑寺と名付けられました。
- 金閣(舎利殿)は、義満の時代に建てられたもので、3層構造の各層に異なる建築様式が用いられ、金箔が貼られています。
- 度重なる火災に見舞われましたが、1955年(昭和30年)に焼失した金閣は、1987年(昭和62年)に再建されました。
良い所
- 黄金に輝く美しさ: 鏡湖池(きょうこち)の水面に映る金閣は、息をのむほどの美しさです。特に晴れた日には、その輝きが際立ちます。
- 歴史的な価値: 室町時代の華やかな文化「北山文化」を代表する建築物であり、歴史的な価値が高いです。
- 庭園の美しさ: 金閣を中心とした回遊式庭園は、四季折々の自然美を楽しめます。
- アクセスの良さ: 京都市内からバスで比較的容易にアクセスできます。
残念な所
- 常に混雑している: 京都を代表する観光地のため、一年を通して多くの観光客で賑わっています。ゆっくりと鑑賞するには、早朝の訪問がおすすめです。
- 建物内部の見学は不可: 金閣の内部は一般公開されていません。外観からの鑑賞となります。
- 写真撮影の制限: 三脚や自撮り棒の使用が禁止されている場合があります。
見どころスポット
- 金閣(舎利殿): 3層構造で、各層に異なる様式(1層:寝殿造、2層:武家造、3層:禅宗仏殿造)が用いられています。
- 鏡湖池: 金閣が映り込む美しい池で、周囲の景色と一体となった風景を楽しめます。
- 陸舟の松(りくしゅうのまつ): 義満が好んだとされる船の形に剪定された五葉松です。
- 夕佳亭(せっかてい): 庭園内にある数寄屋風の茶室で、茅葺き屋根が特徴です。
- 不動堂: 金閣焼失を免れた建物で、内部には石不動明王が祀られています。
- 売店・お土産: 金閣寺限定のお土産や、抹茶などを楽しむことができます。
観光のヒント
- 開門直後や閉門間際など、比較的空いている時間帯を狙って訪れるのがおすすめです。
- 周辺には、龍安寺の石庭や仁和寺の御室桜など、他にも多くの観光スポットがありますので、合わせて巡るのも良いでしょう。
- 金閣寺周辺はバスの便が良いですが、時間帯によっては渋滞することもありますので、時間に余裕を持って行動しましょう。
金閣寺は、その名の通り黄金に輝く美しい姿と、周囲の自然が織りなす景観が魅力の観光スポットです。京都を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
3. 伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区)

伏見稲荷大社は、京都府京都市伏見区にある、全国に約3万社ある稲荷神社の総本社です。朱色の鳥居が連なる「千本鳥居」は、国内外から多くの観光客を魅了する、京都を代表する観光スポットの一つです。
歴史的な成り立ち
- 伏見稲荷大社の創建は非常に古く、和銅4年(711年)に稲荷山の五つの峰に神様が祀られたのが始まりとされています。
- 古くから五穀豊穣、商売繁盛の神様として信仰を集めてきました。
- 平安時代には、皇室からの崇敬も篤く、二十二社の一つに数えられました。
- 室町時代以降、願い事が「通る」に通じることから、鳥居を奉納する習慣が広まり、現在の千本鳥居の景観が形成されました。
良い所
- 圧巻の千本鳥居: 朱色の鳥居がトンネルのように連なる光景は、まさに圧巻で、神秘的な雰囲気に包まれています。
- 歴史と信仰: 古くからの歴史と信仰を持つ神社であり、厳かな雰囲気を味わえます。
- 山全体が境内: 稲荷山全体が神域となっており、自然豊かな中で散策を楽しめます。
- 眺望: 山の中腹や山頂からは、京都市内を一望できる素晴らしい眺めが広がります。
- アクセスの良さ: JR奈良線稲荷駅または京阪本線伏見稲荷駅からすぐと、アクセスも非常に便利です。
残念な所
- 混雑: 特に週末や祝日、観光シーズンは、千本鳥居を中心に大変混雑します。
- 階段が多い: 奥社奉拝所や山頂を目指す場合、階段が多く、体力が必要です。
- お店の閉店時間: 参道のお店は、夕方には閉店するところが多いです。
見どころスポット
- 千本鳥居: 伏見稲荷大社の最も有名な見どころで、無数の朱色の鳥居が連なる光景は圧巻です。
- 奥社奉拝所: 千本鳥居を抜けた先にあるお社で、「おもかる石」と呼ばれる試し石があります。
- 稲荷山山頂(一ノ峰): 約4kmの参道を登った先にある山頂で、京都市内を一望できる絶景が広がります。
- 東丸神社: 学問の神様である菅原道真公が祀られており、合格祈願に訪れる人が多いです。
- 御茶屋: 稲荷山の中腹にある休憩所で、景色を眺めながらお茶や軽食を楽しめます。
- 楼門: 本殿の正面に建つ立派な門で、重要文化財に指定されています。
- 本殿: 五穀豊穣、商売繁盛の神様が祀られている社殿です。
観光のヒント
- 混雑を避けるなら、早朝に訪れるのがおすすめです。
- 奥社奉拝所や山頂を目指す場合は、歩きやすい靴と服装で訪れましょう。
- 水分補給を忘れずに行いましょう。
- 千本鳥居は、奥に進むほど人が少なくなり、静かに散策できます。
- 参道には、お土産店や食事処がたくさんありますので、休憩しながら楽しめます。
伏見稲荷大社は、その独特の景観と歴史、そして信仰の深さで、訪れる人々を魅了する特別な場所です。ぜひ、時間をかけてゆっくりと散策してみてください。
4. 嵐山(京都府京都市西京区)

京都府を代表する観光地の一つ、嵐山(あらしやま)についてご紹介します。その美しい自然景観は古くから多くの人々を魅了し、歴史的な史跡や文化財も豊富です。
歴史的な成り立ち
- 嵐山は、平安時代から貴族の遊興の地として知られていました。特に紅葉の美しさは古くから歌に詠まれています。
- 鎌倉時代には、亀山天皇がこの地の景観を愛で、離宮を造営したことから、皇室とのゆかりも深いです。
- 室町時代には、足利義満が天龍寺を創建し、その庭園は現在も美しい姿を残しています。
- 江戸時代には、渡月橋が架けられ、観光地としての基礎が築かれました。
良い所
- 息をのむ自然美: 春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の美しい自然を満喫できます。特に竹林の小径は幻想的な雰囲気です。
- 歴史と文化: 天龍寺をはじめとする歴史的な寺社仏閣が多く、日本の伝統文化に触れることができます。
- 散策の楽しさ: 渡月橋周辺や竹林の小径など、風情ある道をのんびりと散策するのに最適です。
- グルメ: 京料理はもちろん、湯豆腐や抹茶スイーツなど、嵐山ならではのグルメも楽しめます。
- お土産: 伝統工芸品や京菓子など、様々なお土産を選ぶことができます。
残念な所
- 圧倒的な混雑: 特に桜や紅葉のシーズン、週末や祝日は非常に多くの観光客で賑わいます。ゆっくりと景色を堪能したり、落ち着いて散策したりするのが難しい場合があります。
- 観光地価格: 飲食店やお土産物店の価格が、やや高めに設定されている場合があります。
- 自然環境への配慮: 人気観光地ゆえに、一部でゴミ問題や自然破壊が懸念されています。訪れる際には、環境保護への意識を持つことが大切です。
見どころスポット
- 渡月橋(とげつきょう): 桂川(保津川)に架かる嵐山のシンボル。橋の上からの眺めは絶景です。
- 竹林の小径(ちくりんのこみち): 天龍寺の北側に広がる竹林の道。空を覆う竹の緑が美しく、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
- 天龍寺(てんりゅうじ): 室町幕府初代将軍・足利尊氏が創建した臨済宗の寺院。美しい庭園は特別名勝・史跡に指定されています。
- トロッコ列車: 保津川渓谷の美しい景色を眺めながら走る人気の観光列車。
- 保津川下り: 亀岡から嵐山まで、船で保津川を下るスリル満点のアクティビティ。
- 大河内山荘(おおこうちさんそう): 映画俳優・大河内傳次郎が30年かけて築き上げた別荘。美しい庭園と京都市内を一望できる眺めが魅力です。
- 常寂光寺(じょうじゃっこうじ): 紅葉の名所として知られる寺院。多宝塔と紅葉のコントラストが美しいです。
- 野宮神社(ののみやじんじゃ): 『源氏物語』にも登場する由緒ある神社。縁結びの神様として知られています。
観光のヒント
- 混雑を避けるためには、早朝や平日に訪れるのがおすすめです。
- 渡月橋周辺や竹林の小径は特に混雑するので、少し足を延ばして周辺の寺社仏閣を巡るのも良いでしょう。
- トロッコ列車や保津川下りは人気があるので、事前に予約をしておくのが安心です。
- 嵐山周辺には多くの飲食店やお土産物店があるので、散策の合間に休憩や買い物を楽しめます。
嵐山は、その美しい自然と歴史的な魅力で、訪れる人々を魅了し続ける場所です。混雑に注意しつつ、ゆっくりと散策を楽しんでください。
5. 銀閣寺(京都府京都市左京区)

銀閣寺(ぎんかくじ)は、京都府京都市左京区にある臨済宗相国寺派の寺院です。正式名称は東山慈照寺(とうさんじしょうじ)といい、金閣寺と並ぶ京都を代表する観光名所の一つです。侘び寂びの世界観が魅力的な庭園と、質素ながらも洗練された建築美が特徴です。
歴史的な成り立ち
- 銀閣寺は、室町幕府8代将軍・足利義政が、祖父である3代将軍・足利義満の金閣寺にならって1482年(文明14年)から造営を始めた山荘「東山殿(ひがしやまどの)」がその始まりです。
- 義政の死後、遺言により禅寺となり、夢窓疎石を勧請開山として東山慈照寺と名付けられました。
- 銀閣(観音殿)は、義政が生前に完成させた主要な建物の一つです。銀箔が貼られる予定でしたが、義政の生前に実現することはなく、現在に至っています。
- 庭園は、義政自身が作庭に深く関わったとされ、洗練された意匠が特徴です。
良い所
- 侘び寂びの世界観: 金閣寺の絢爛豪華さとは対照的に、銀閣寺とその庭園は、質素で静寂な美しさ、侘び寂びの精神を感じさせます。
- 洗練された庭園美: 白砂を敷き詰めた「銀沙灘(ぎんしゃだん)」や、盛り砂の「向月台(こうげつだい)」など、独特の意匠を持つ庭園は、見る者の心を落ち着かせます。
- 歴史的な建造物: 銀閣(観音殿)や東求堂(とうぐどう)など、室町時代の建築様式を今に伝える貴重な建造物を見学できます。特に東求堂の同仁斎(どうじんさい)は、書院造の原型とも言われています。
- 散策路: 庭園内には散策路が整備されており、様々な角度から庭園や建物を楽しむことができます。高台からは京都市街の景色も望めます。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 金閣寺に比べると比較的落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと時間をかけて鑑賞できます。
残念な所
- 銀箔が貼られていない: 名前から銀箔で覆われた建物を想像するかもしれませんが、実際には貼られていません。これは歴史的な事実ですが、期待して訪れると少し残念に感じるかもしれません。
- 混雑: 比較的落ち着いているとはいえ、特に観光シーズンは多くの観光客で賑わいます。
- 階段や坂道: 庭園内には階段や坂道があり、足腰に不安のある方は注意が必要です。
見どころスポット
- 銀閣(観音殿): 二層構造の建物で、上層の潮音洞(ちょうおんどう)には観音菩薩が安置されています。
- 銀沙灘(ぎんしゃだん): 白砂を波紋のように美しく敷き詰めた пространствo で、月の光を反射させる工夫が凝らされています。
- 向月台(こうげつだい): 白砂を円錐状に盛り上げたもので、月を鑑賞するために造られたと言われています。
- 東求堂(とうぐどう): 義政の持仏堂で、書院造の原型とされる同仁斎(どうじんさい)があります。内部は通常非公開です。
- 錦鏡池(きんきょうち): 庭園の中心にある池で、周囲の木々や建物を映し出す美しい水面が特徴です。
- 洗月泉(せんげつせん): 滝から流れ落ちる水が溜まる泉で、その名の通り月を映し出すと言われています。
- 苔の庭: 庭園全体を覆う緑色の苔も、銀閣寺の静寂な美しさを引き立てています。
- 高台からの眺め: 散策路を登った高台からは、銀閣寺の全景と京都市街の一部を望むことができます。
観光のヒント
- 午前中の比較的早い時間帯に訪れると、比較的落ち着いて鑑賞できます。
- 庭園内は一方通行となっているため、順路に従ってゆっくりと散策しましょう。
- 秋の紅葉の時期や、新緑の時期もおすすめです。
- 周辺には哲学の道や永観堂など、他の観光名所も多いので、合わせて巡るのも良いでしょう。
銀閣寺は、派手さはないものの、奥深い美しさと静けさに満ちた場所です。ぜひ、ゆっくりと時間をかけてその魅力を堪能してください。
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