宮城県にはまだあまり知られていない、静かで美しい観光スポットがいくつもあります。以下は、比較的に混雑しないおすすめの2か所です。
1. 鳴子峡(宮城県大崎市)

鳴子峡は、宮城県大崎市にある、大谷川が侵食してできた深さ約100mにも及ぶV字型の大峡谷です。新緑、紅葉と四季折々の美しい自然を満喫できる絶景スポットでありながら、比較的混雑を避けられる穴場として知られています。
歴史的な成り立ち
鳴子峡は、数百万年という長い年月をかけて、大谷川の流れが周囲の岩盤を削り取ることで形成されました。特に、固い岩盤と比較的柔らかい岩盤が交互に重なっている地質のため、独特のV字型の深い谷が生まれたと考えられています。
古くからその景観は知られていましたが、観光地として注目を集めるようになったのは、比較的近年のことです。自然の雄大さを間近に感じられる場所として、写真愛好家や自然を求める人々を中心に人気が高まっています。
鳴子峡の良い所
- 息をのむ絶景: 深いV字谷と、そこに生い茂る木々のコントラストはまさに絶景です。特に、秋の紅葉シーズンは山々が赤や黄色に染まり、息をのむほどの美しさです。
- 手軽に楽しめる自然: 遊歩道が整備されており、気軽に峡谷の景観を楽しむことができます。体力に自信のない方でも、比較的歩きやすいコースがあります。
- 四季折々の魅力: 新緑の春、深緑の夏、紅葉の秋、雪景色の冬と、一年を通して異なる表情を見せてくれます。いつ訪れても自然の美しさを堪能できます。
- 写真映えするスポットが多い: ダイナミックな峡谷の風景は、どこを切り取っても絵になります。特に、後述の「大深沢橋」からの眺めは圧巻です。
- 温泉地に近い: 鳴子温泉郷が近くにあり、観光と温泉を合わせて楽しむことができます。
鳴子峡の残念な所
- 公共交通機関でのアクセス: 電車やバスの本数が限られているため、公共交通機関でのアクセスはやや不便です。自家用車での訪問がおすすめです。
- 冬季の閉鎖: 冬季(例年12月上旬~4月上旬頃)は積雪のため、遊歩道や駐車場が閉鎖されることがあります。訪問前に必ず情報を確認する必要があります。
- 天候に左右される: 雨天時や悪天候の場合は、遊歩道が滑りやすくなったり、景色が見えにくくなったりする可能性があります。
- 売店や飲食店が少ない: 観光地としては比較的規模が小さいため、売店や飲食店は限られています。事前に準備をしていくと良いでしょう。
見どころのスポット
- 大深沢橋(おおふかさわばし): 鳴子峡の最も有名な撮影スポットです。橋の上からは、V字谷のダイナミックな景観と、季節によって色を変える木々を一望できます。特に紅葉シーズンは、谷底を流れる川と色づいた木々のコントラストが絶景です。
- 遊歩道: 大深沢橋周辺には、整備された遊歩道がいくつかあります。自然の中を散策しながら、様々な角度から峡谷の美しさを楽しむことができます。体力に合わせてコースを選びましょう。
- 鳴子峡レストハウス: お土産の購入や軽食をとることができる施設です。展望スペースからは、峡谷の風景を眺めることができます。
- 回顧橋(かいこばし): 大深沢橋とは反対側に位置する橋で、こちらも峡谷の美しい景色を眺めることができます。比較的静かに景色を楽しみたい方におすすめです。
鳴子峡は、都会の喧騒を離れて、雄大な自然を満喫したい方にとって、まさに穴場と言える観光スポットです。ぜひ、四季折々の美しい景色を楽しみに訪れてみてください。訪問の際は、事前に交通情報や開園状況を確認することをおすすめします。
2. 荒沢湿原(宮城県加美郡加美町)

宮城県の穴場観光スポットとして、自然豊かな「荒沢湿原(あらさわしつげん)」をご紹介します。
歴史的な成り立ち
荒沢湿原は、約3~4万年前の氷河期後半に始まったとされる大規模な地すべりによって形成されました。この地すべりによって複雑で変化に富んだ地形、地質、水系が生まれ、その結果、多数の池沼と湿地が点在する現在の湿原が形成されました。点在する無数の湖沼群は、ミズバショウをはじめとする多様な水生植物の宝庫となっています。
荒沢湿原の良い所
- 豊かな自然: 約700ヘクタールにも及ぶ広大な湿原には、多種多様な動植物が生息しており、四季折々の自然の美しさを堪能できます。特に春にはミズバショウの群生が見事です。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 定番の観光地のような賑わいはなく、静かに自然と向き合いたい方には最適な穴場スポットです。
- 散策しやすい木道: 湿原内には木道が整備されており、気軽に散策を楽しめます。
- 荒沢自然館: 湿原に関する展示や情報提供を行っており、自然観察の拠点となります。天然の湧き水「船形の氷水」を味わうこともできます。
- スノーシュー体験: 冬季には積雪があり、スノーシューを履いて雪原を散策する特別な体験ができます。
荒沢湿原の残念な所
- 公共交通機関でのアクセス: 電車やバスの本数が限られているため、自家用車での訪問が便利です。
- 冬季の閉鎖: 冬季は積雪のため、一部エリアが閉鎖される場合があります。
- 天候による影響: 雨天時や悪天候の場合は、足元が悪くなるため注意が必要です。
- 施設: レストランや土産物店などの商業施設は周辺に限られています。
見どころのスポット
- ミズバショウ群生地: 春(3月下旬~4月下旬頃)には、広大な湿原一面に白いミズバショウが咲き誇り、息をのむ美しさです。
- 田谷地沼: 湿原内に点在する美しい沼の一つで、水面に映る景色も楽しめます。ハンノキ林とミズバショウの群生も見どころです。
- 荒沢自然館周辺: 自然館の周辺には散策路が整備されており、湿原の多様な植物や昆虫などを観察できます。観察デッキからは湿原を一望できます。
- 揺るぎの田代: 多くの湿地に形成される、足元がふかふかとした独特の地形です。宮城県内でも有数の規模を誇ります。
- スゲ沼: 地すべりによって形成されたとされる沼で、特異な地形を観察できます。
注意点
- 足元: 湿原内は場所によってぬかるんでいる箇所もあるため、歩きやすい靴が必要です。
- 天候: 天候が変わりやすい山間部のため、雨具の準備があると安心です。
- 虫対策: 特に夏場は虫が多いので、虫除けスプレーなどの対策をしましょう。
- 自然保護: 湿原の植物や生き物を採取したり、ゴミを捨てたりする行為はやめましょう。
- クマ: 周辺にはツキノワグマが生息している可能性があるので、鈴など音の出るものを携帯すると良いでしょう。
荒沢湿原は、手つかずの自然が残る貴重な場所です。都会の喧騒を離れ、静かに自然を満喫したい方にとって、きっと心に残る場所となるでしょう。訪れる際には、自然への敬意を払い、マナーを守って散策をお楽しみください。
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