宮崎県の代表的な郷土料理を3つご紹介します。それぞれの郷土料理について、文化的・歴史的な背景、レシピ、一般の人が作る場合のコツ、地元での食べ方、おすすめの店、食レポ的な説明をまとめました。
1. チキン南蛮

文化的・歴史的な背景
チキン南蛮は、宮崎県延岡市発祥の鶏肉料理で、鶏肉を揚げて甘酢あんで絡め、タルタルソースをかけて食べるのが特徴です。1950年代後半に、延岡市の洋食店「ロンドン」の創業者である後藤直さんが、従業員のまかない料理として考案したのが始まりと言われています。その後、同じく延岡市の「おぐら」の創業者である甲斐義光さんが、タルタルソースをかけたチキン南蛮を提供し、全国的に知られるようになりました。現在では、宮崎県を代表するソウルフードとして、県内外で広く親しまれています。
レシピ
- 鶏もも肉またはむね肉は、一口大に切り、塩胡椒で下味をつけます。
- 小麦粉、溶き卵の順に衣をつけます。
- 170℃程度の油で揚げ、火を通します。
- 甘酢あんを作ります。醤油、酢、砂糖、みりんを鍋に入れ、ひと煮立ちさせます。
- 揚げた鶏肉を甘酢あんに絡めます。
- タルタルソースを作ります。ゆで卵、玉ねぎ、ピクルスなどをマヨネーズと混ぜ合わせ、塩胡椒で味を調えます。
- 鶏肉を皿に盛り付け、タルタルソースをかけます。
一般の人が作る場合のコツ
- 鶏肉は、揚げる前にフォークなどで数カ所穴を開けておくと、火が通りやすくなります。
- 甘酢あんは、お好みの酸味や甘さに調整してください。
- タルタルソースは、具材を細かく刻むと、口当たりが良くなります。市販のタルタルソースを使っても手軽です。
- 揚げた鶏肉は、熱いうちに甘酢あんに絡めると、味がよく染み込みます。
地元での食べ方
チキン南蛮は、定食屋さんやレストランなど、様々な場所で提供されています。ご飯と一緒に食べるのが一般的で、タルタルソースの濃厚な味わいが食欲をそそります。店舗によってタルタルソースのレシピや甘酢あんの味が異なるため、食べ歩きも楽しめます。
おすすめの店
- 「おぐら 本店・瀬頭店」:タルタルソースをかけたチキン南蛮の元祖として知ら
れています。 - 「直ちゃん」:鶏むね肉を揚げて甘酢に漬け込んだシンプルな味わいで、鶏肉本
来の旨味と甘酢のバランスが絶妙です。 - 「グリル爛漫」:鶏肉は丸鶏から丁寧に捌き、揚げたて熱々のチキンに、創業
以来継ぎ足しで作られてきたという甘酢とあっさりとした
タルタルソースがかけられています。
食レポ
チキン南蛮は、外はカリッと、中はジューシーな鶏肉に、甘酸っぱいタレと濃厚なタルタルソースが絶妙に絡み合った、宮崎を代表する味わいです。一口食べると、甘さと酸味、そしてタルタルのコクが口いっぱいに広がり、ご飯が止まらなくなる美味しさです。店舗ごとに個性があるので、食べ比べてみるのもおすすめです。
2. 冷や汁

文化的・歴史的な背景
冷や汁は、宮崎県全域で広く食べられている郷土料理で、焼いたアジや豆腐、キュウリ、ミョウガなどを味噌仕立ての冷たい汁に入れ、ご飯にかけて食べるものです。鎌倉時代に武士の食事として始まったと言われており、暑い夏でも食欲がない時でもサラサラと食べられることから、農家や漁師の間で広まりました。現在では、宮崎県の夏の定番料理として、家庭や飲食店で親しまれています。
レシピ
- アジの干物は、グリルなどで焼き、身をほぐします。骨も丁寧に取ります。
- 豆腐は水切りをし、手で崩します。
- キュウリは薄切りにし、塩もみして水気を絞ります。
- ミョウガ、ネギ、大葉は刻みます。
- 味噌、だし汁、すりごまを混ぜ合わせ、冷や汁のベースを作ります。
- 器にご飯を盛り付け、冷や汁をかけ、アジ、豆腐、野菜を乗せます。
一般の人が作る場合のコツ
- アジの干物の代わりに、焼きサバや鶏肉を使っても美味しく作れます。
- 味噌は、麦味噌を使うと、より本格的な味わいになります。
- きゅうりは、塩もみすることで青臭みが抜け、味が染み込みやすくなります。
- 冷や汁は、食べる直前まで冷蔵庫で ভালোভাবে冷やしておくと、より美味しくいただけます。
- 仕上げに、氷を加えると、さらに涼やかに食べられます。
地元での食べ方
冷や汁は、夏の暑い時期に、食欲がない時でもサラサラと食べられるため、家庭の定番料理となっています。ご飯にかけるだけでなく、そうめんやうどんにかけて食べることもあります。県内の飲食店でも、夏のメニューとして提供しているところが多いです。
おすすめの店
- 「青島屋」:地元で愛される冷や汁の老舗。
- ふるさと料理 杉の子:落ち着いた雰囲気で本格的な冷や汁を味わえます。
- 「道の駅 フェニックス」:景色を眺めながら手軽に冷や汁を楽しめます。
食レポ
冷や汁は、味噌の風味と魚介の旨みが溶け合った、さっぱりとしていながらもコクのある味わいが特徴です。キュウリやミョウガのシャキシャキとした食感と、豆腐の優しい口当たりが、暑い夏にぴったりの爽やかな一品です。ご飯にかけてサラサラと食べられるので、食欲がない時でも美味しくいただけます。
3. 宮崎地鶏の炭火焼き

文化的・歴史的な背景
宮崎地鶏は、宮崎県で飼育されているブランド鶏で、適度な運動と自然に近い環境で育つため、肉質は引き締まり、独特の旨味と歯ごたえがあります。炭火焼きは、その宮崎地鶏の美味しさを最大限に引き出す調理法として、県内の多くの飲食店で提供されています。シンプルながらも素材の良さが際立つ料理として、県内外で人気を集めています。
レシピ
- 宮崎地鶏のもも肉またはむね肉は、一口大に切ります。
- 塩胡椒でシンプルに下味をつけます。
- 強火の炭火で、表面が焦げ付かないように注意しながら、中までじっくりと焼き上げます。
- 焼き上がった鶏肉を皿に盛り付け、レモンなどを添えていただきます。
一般の人が作る場合のコツ
- 家庭で炭火焼きをするのは難しい場合があるので、魚焼きグリルやフライパンで代用しても美味しく作れます。
- フライパンで焼く場合は、皮目を下にして強火で焼き始め、焼き色がついたら裏返し、中火でじっくりと火を通します。
- 塩胡椒は、焼く直前に振ると、水分が出にくく、美味しく仕上がります。
- 焼きすぎると硬くなるので、火加減に注意しながら焼きましょう。
地元での食べ方
宮崎地鶏の炭火焼きは、居酒屋や地鶏専門店などで提供されています。シンプルに塩胡椒で味付けされていることが多く、鶏肉本来の旨味を堪能できます。ビールや焼酎との相性も抜群です。
おすすめの店
- 「丸万焼鳥 本店」:メニューはもも焼きを中心に数種類とシンプルで、まさに「元祖の味」を堪能できます。
- 「地鶏炭火焼 粋仙」:炭火焼きは、地鶏ならではの旨味と柔らかな肉質、そして備長炭の香ばしさが楽しめます。有名人も多く訪れる名店です。
- 「ぐんけい 本店 隠蔵」:柔らかくしっかりとした味わいが特徴で、オリジナルの柚子胡椒が鶏肉の旨味をさらに引き立てます。
食レポ
宮崎地鶏の炭火焼きは、噛むほどに溢れ出る鶏肉本来の旨味と、炭火の香ばしさが食欲をそそる一品です。引き締まった肉質の歯ごたえも心地よく、シンプルながらも素材の良さを存分に味わえます。レモンを絞ると、さっぱりとした風味が加わり、また違った美味しさが楽しめます。ビールや焼酎と一緒に味わうのがおすすめです。