長崎県の穴場観光スポット

各地の穴場観光スポット

長崎県にはハウステンボスや長崎市内のグラバー園など有名な観光地が多いですが、比較的混雑しない穴場的なスポットも点在しています。以下に2か所をご紹介します。

1. 外海(そとめ)エリアの「出津(しつ)教会堂」(長崎市西出津町)

長崎県外海エリアの穴場観光スポット:出津教会堂

① 概要

出津教会堂(しつ きょうかいどう)は、長崎県長崎市西出津町にひっそりと佇む、石造りの美しい教会です。世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つであり、その質素ながらも荘厳な佇まいは、訪れる人々に深い感銘を与えます。外海(そとめ)地区という、長崎市の中心部からやや離れた場所に位置するため、比較的静かに見学できる穴場スポットと言えるでしょう。

② 歴史的な成り立ち

出津教会堂は、長崎におけるカトリックの歴史において非常に重要な役割を果たしました。

  • 潜伏キリシタンの里: 外海地区は、江戸時代の厳しい禁教令の下でも信仰を守り続けた潜伏キリシタンの人々が暮らしていた地域です。
  • ド・ロ神父の尽力: 1879年(明治12年)、フランス人宣教師マルク・マリー・ド・ロ神父(日本名:百合野了元)がこの地に赴任しました。彼は、貧しい信徒たちのために私財を投じ、医療や教育、生活指導など多岐にわたる支援を行いました。
  • 教会堂の建設: ド・ロ神父は、信徒たちの信仰の中心となる教会堂の建設を強く望み、自ら設計・監督を行い、信徒たちの協力のもと、1882年(明治15年)に完成させました。
  • 石造りの理由: 当時、この地域では良質な石材が産出されたこと、そしてド・ロ神父が質素で堅牢な建物を目指したことから、石造りの教会堂となりました。
  • 潜伏キリシタンとの繋がり: 出津教会堂は、長きにわたる潜伏期間を経て、信仰を再開した信徒たちの精神的な拠り所となり、現在に至るまで地域の人々に大切に守り続けられています。

③ 良い所

  • 静謐な雰囲気: 長崎市の中心部から少し離れているため、喧騒から離れて落ち着いた雰囲気の中で見学できます。
  • 素朴で美しい外観: 地元の石材を用いた石造りの教会堂は、装飾は少ないながらも、その重厚感と自然に溶け込むような佇まいに心惹かれます。
  • ド・ロ神父の功績を感じられる: 教会堂の随所から、信徒たちのために尽力したド・ロ神父の温かい想いが伝わってきます。
  • 世界文化遺産としての価値: 潜伏キリシタンの歴史を今に伝える貴重な文化遺産であり、歴史好きや文化に興味のある方にとって見逃せないスポットです。
  • 周辺の自然: 教会堂の周辺は、豊かな自然に囲まれており、散策も楽しめます。

④ 残念な所

  • アクセス: 長崎市の中心部からは公共交通機関でのアクセスに時間がかかる場合があります。レンタカーなどを利用するのが便利かもしれません。
  • 内部の見学: 現在も信仰の場であるため、内部の見学には制限がある場合があります。事前に確認しておくことをお勧めします。
  • 周辺施設の充実度: 周辺には観光客向けの商業施設はあまりありません。食事やお土産の購入は事前に済ませておくと良いでしょう。
  • 階段: 教会堂へ続く道や敷地内に階段があるため、足の不自由な方には少し不便かもしれません。

⑤ 見どころのスポット

  • 教会堂の外観: 灰色がかった石積みの壁と、シンプルな装飾が特徴的な外観は、どの角度から見ても絵になります。特に、夕暮れ時のシルエットは幻想的です。
  • 教会堂の正面入口: シンプルながらも重厚な石造りの入口は、歴史を感じさせます。
  • 聖堂内部(見学可能な範囲で): 質素ながらも、信徒たちの祈りが込められた静かで神聖な空間です。ステンドグラスから差し込む光が美しいです。
  • ド・ロ神父記念館: 教会堂に隣接しており、ド・ロ神父の生涯や業績、当時の信徒たちの生活などを知ることができます。教会堂と合わせて見学することで、より深く理解することができます。
  • 周辺の集落: 教会堂周辺の静かな集落を散策するのもおすすめです。当時の人々の暮らしを偲ばせる風景が残っています。
  • 遠藤周作文学館: 外海地区には、小説「沈黙」などで知られる作家・遠藤周作の文学館もあります。キリシタンの歴史に関心がある方は、こちらも合わせて訪れると良いでしょう。

出津教会堂は、派手さはないものの、その静けさの中に深い歴史と人々の信仰が息づいている、魅力的な穴場観光スポットです。長崎を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

2. 五島列島「福江島」の鬼岳(五島市福江島)

長崎県の穴場観光スポット:五島列島「福江島」の鬼岳

① 概要

長崎県五島列島の福江島にある鬼岳(おにだけ)は、標高317mの火山です。その名の通り、鬼が住んでいたという伝説が残る神秘的な山で、山頂一帯は広大な草原に覆われ、360度の大パノラマが楽しめます。手軽に登山やハイキングを楽しめるだけでなく、夕日の名所としても知られ、地元の人々や観光客に愛される穴場スポットです。

② 歴史的な成り立ち

鬼岳は約300万年前から始まったとされる五島列島の火山活動によって形成されました。比較的新しい火山であり、山頂には直径約1km、深さ約200mの火口跡が美しい円錐形を描いています。

古くから地元の人々には信仰の対象とされており、「鬼の棲む山」として畏れられてきました。山頂付近には祠が祀られており、その名残を今も見ることができます。

近代に入ると、その特異な地形と豊かな自然が注目されるようになり、観光地としての開発が進められました。現在では、遊歩道や展望台が整備され、多くの人が気軽に訪れることができるようになっています。

③ 良い所

  • 360度の大パノラマ: 山頂からは、福江島の市街地や美しい海岸線、そして周辺の島々を一望できます。特に天気の良い日には、息をのむような絶景が広がります。
  • 手軽なハイキング: 登山道が整備されており、比較的短時間で山頂まで登ることができます。初心者や家族連れでも気軽にハイキングを楽しめるのが魅力です。
  • 夕日の名所: 山頂からの夕日は格別です。オレンジ色に染まる空と海、そして島々のシルエットが織りなす風景は、訪れる人々を魅了します。
  • 広大な草原: 山頂一帯は広々とした草原が広がっており、ピクニックや休憩にも最適です。遮るものがなく、開放的な空間でリラックスできます。
  • 自然の豊かさ: 多様な植物が生息しており、四季折々の自然を楽しむことができます。特に春にはツツジが咲き誇り、山を彩ります。
  • アクセスが良い: 福江港や福江空港から比較的近く、レンタカーやタクシーでアクセスしやすいです。駐車場も整備されています。

④ 残念な所

  • 天候に左右される: 雨天時や強風時は登山道が滑りやすくなったり、視界が悪くなったりするため、注意が必要です。また、悪天候時は夕日も楽しめません。
  • 日陰が少ない: 山頂付近は遮るものが少ないため、夏場は日差しが強く暑く感じることがあります。帽子や日焼け止めなどの対策が必要です。
  • 売店や休憩施設が少ない: 山頂付近には売店や休憩施設はほとんどありません。飲み物や軽食は事前に準備しておく必要があります。
  • 虫が多い季節がある: 夏場など、季節によっては虫が多く発生することがあります。虫除け対策をしていくと良いでしょう。

⑤ 見どころのスポット

  • 山頂展望台: 360度のパノラマビューを楽しめる絶好のポイントです。福江島の地形や周辺の島々を確認しながら、景色を満喫できます。
  • 火口跡: 美しい円錐形の火口跡は、鬼岳の象徴的な景観です。その雄大なスケールを間近で見ることができます。
  • 遊歩道: 山頂へと続く遊歩道は、自然観察をしながらのんびりと散策するのに最適です。季節の花々や植物を観察できます。
  • 鬼岳園地: 山麓にある公園で、駐車場やトイレなどが整備されています。ここから登山を開始する人が多いです。
  • 夕日観賞ポイント: 山頂のどこからでも美しい夕日を眺めることができますが、特に遮るもののない開けた場所がおすすめです。
  • 祠跡: 山頂付近に残る祠は、かつての信仰の面影を伝える貴重なスポットです。

鬼岳は、その雄大な自然と美しい景観、そして手軽に楽しめるハイキングコースが魅力の、福江島を訪れた際にはぜひ立ち寄ってほしい穴場観光スポットです。

【JTB】国内旅行(宿泊+ツアー)予約サイト
タイトルとURLをコピーしました