岡山県には魅力的な観光スポットが多数あります。以下はその中から人気のある5つのスポットと、それぞれの良い点と残念な点です。
1. 後楽園(岡山県岡山市北区)

岡山県岡山市にある後楽園は、日本三名園の一つに数えられる、江戸時代を代表する大名庭園です。その美しい景観は国内外から多くの観光客を魅了しています。
歴史的な成り立ち
- 後楽園は、岡山藩2代藩主池田綱政が、家臣の津田永忠に命じて1687年(貞享4年)に着工し、約14年の歳月をかけて1700年(元禄13年)に完成しました。
- 当初は「御後園(ごこうえん)」と呼ばれていましたが、綱政が「天下の民に先んじて憂い、天下の民に後れて楽しむ」という中国の古典の一節から「後楽園」と名付けました。
- 藩主の静養の場や賓客の接待の場として利用されました。
- 明治時代以降は一般に公開され、1952年には国の特別名勝に指定されています。
良い所
- 美しい景観: 広大な園内には、池、築山、茶室などが巧みに配置され、四季折々の美しい景色を楽しめます。特に、春の桜、初夏のツツジ、秋の紅葉は見事です。
- 歴史的な価値: 江戸時代初期の回遊式庭園の様式を今に伝える貴重な文化財です。
- アクセスの良さ: JR岡山駅からバスで約12分と、アクセスも比較的容易です。
- 周辺観光: 岡山城や岡山県立博物館など、周辺にも観光スポットが充実しています。
- 手入れの行き届いた庭園: 常に丁寧に手入れされており、いつ訪れても美しい状態を保っています。
- 多様な楽しみ方: 散策だけでなく、お茶屋での休憩や、季節ごとのイベントも楽しめます。
残念な所
- 観光客の多さ: 特に春や秋の行楽シーズンは、多くの観光客で賑わいます。
- 一部施設の利用料金: 園内の茶室などを利用する場合は、別途料金がかかる場合があります。
- 自然災害の影響: 過去には水害などの自然災害に見舞われたことがあり、一部景観が変化している部分もあります。
見どころスポット
- 延養亭(えんようてい): 藩主の居間として使われた建物で、庭園を一望できる絶景の場所です。
- 流店(りゅうてん): 庭園の中を流れる水路に沿って建てられた建物で、涼やかな雰囲気の中で休憩できます。
- 唯心山(ゆいしんざん): 園内で最も高い築山で、山頂からは園全体を見渡せます。
- 沢の池(さわのいけ): 広大な池には島や橋が配置され、変化に富んだ景観を楽しめます。
- 花葉の池(かようのいけ): ハナショウブやスイレンなど、季節の花々が美しい池です。
- 廉池軒(れんちけん): 池に面して建てられた茶室で、落ち着いた雰囲気の中で庭園を眺められます。
- 芝生広場: 広々とした芝生広場は、ピクニックや休憩に最適です。
観光のヒント
- 時間に余裕があれば、園内をゆっくりと散策するのがおすすめです。
- 春や秋の気候の良い時期は特に気持ちよく過ごせます。
- 園内の案内板やパンフレットを活用すると、より深く庭園の魅力を理解できます。
- 周辺の岡山城と合わせて観光するのもおすすめです。
- 季節ごとのイベント情報も事前にチェックしておくと、より楽しめます。
後楽園は、日本の美しい庭園文化を代表する場所であり、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれます。ぜひ、岡山にお越しの際は足を運んでみてください。
2. 岡山城(岡山県岡山市北区)

岡山城は、岡山県岡山市にある、黒い下見板張りが特徴的な美しいお城です。その歴史的な成り立ち、良い所、残念な所、そして見どころスポットをご紹介します。
歴史的な成り立ち
- 岡山城は、戦国時代の末期、宇喜多秀家によって1597年(慶長2年)にほぼ完成しました。
- それ以前にも、この地には石山城という城がありましたが、宇喜多氏が大規模な改築を行い、現在の岡山城の基礎を築きました。
- 関ヶ原の戦い後、小早川秀秋が城主となり、さらに改修を行いました。
- 江戸時代には、池田氏が城主として入封し、明治維新まで岡山藩の藩庁として機能しました。
- 明治時代の廃城令により多くの建物が取り壊されましたが、第二次世界大戦の空襲で天守閣も焼失しました。
- 現在の天守閣は、1966年に鉄筋コンクリート造りで復元されたものです。
良い所
- 黒い天守閣の美しさ: 全国的に珍しい黒色の下見板張りの天守閣は、「烏城(うじょう)」とも呼ばれ、その風格ある姿は見る者を魅了します。
- 市内からのアクセスの良さ: JR岡山駅から徒歩約15分と、アクセスが非常に便利です。
- 展示内容の充実: 復元された天守閣内部は博物館となっており、岡山城の歴史や城下町の文化などを学ぶことができます。
- 眺望: 天守閣最上階からは、岡山市街を一望でき、天気の良い日には瀬戸内海の島々まで見渡せる絶景が楽しめます。
- 後楽園との近さ: 日本三名園の一つである後楽園が隣接しており、両方を合わせて観光するのに最適です。
- イベントの開催: 季節ごとに様々なイベントが開催され、何度訪れても楽しめます。
残念な所
- 復元天守であること: 現在の天守閣は、外観は復元されたものですが、内部の構造や展示は史実に基づかない部分もあります。
- オリジナル遺構の少なさ: 明治時代の破却や戦災により、現存するオリジナルの建物は少なくなっています。
- エレベーターの有無: 天守閣内にはエレベーターがなく、階段での移動となります。足の不自由な方には少し不便かもしれません。
見どころスポット
- 天守閣: 黒色の外観が特徴的な復元天守。内部の展示や最上階からの眺めは必見です。
- 石山門: 本丸の正門として復元された門で、当時の面影を偲ばせます。
- 不明門: 本丸の裏門として復元された門です。
- 月見櫓: 岡山城に残る数少ない現存建造物の一つで、重要文化財に指定されています。
- 西丸西手櫓: こちらも現存する貴重な櫓で、重要文化財です。
- 内堀: 城の周りを囲む内堀の一部が残っており、往時の規模を偲ばせます。
- 岡山城天守閣庭園: 天守閣周辺に整備された庭園で、散策を楽しめます。
観光のヒント
- 岡山城と隣接する後楽園は共通券があるので、両方訪れるのがおすすめです。
- 天守閣内部の展示は、じっくり見学すると1時間以上かかる場合があります。時間に余裕を持って訪れましょう。
- 岡山駅周辺には、飲食店やお土産店も充実しています。
岡山城は、その美しい姿と歴史的な背景を持つ、岡山を代表する観光スポットです。ぜひ、訪れてみてください。
3. 倉敷美観地区(岡山県倉敷市)

倉敷美観地区は、岡山県倉敷市にある、江戸時代から明治時代にかけての商家や蔵が立ち並ぶ美しい地区です。白壁となまこ壁のコントラスト、柳並木、そして倉敷川沿いの風景が、独特の風情を醸し出し、多くの観光客を魅了しています。
歴史的な成り立ち
- 倉敷は、江戸時代には幕府直轄の天領として栄え、物資の集散地として重要な役割を果たしました。
- 倉敷川を利用した水運が盛んで、米などを保管するための白壁の土蔵群が築かれました。
- 明治時代以降も、繊維産業などで発展し、当時の建物が残されました。
- 1968年に美観地区として保存されることが決定し、景観保護のための取り組みが行われてきました。
良い所
- 美しい景観: 白壁の土蔵やなまこ壁の商家、柳並木が織りなす美しい景観は、散策するだけでも楽しめます。
- 歴史的な建造物: 大原美術館をはじめ、歴史的な建造物を活用した美術館や博物館、店舗などが点在しています。
- グルメ: 倉敷名物のきびだんごや、地元の食材を使った料理、おしゃれなカフェなどが楽しめます。
- お土産: 倉敷ガラスやデニム製品など、特色あるお土産が見つかります。
- 川舟流し: 倉敷川をゆっくりと進む川舟流しは、美観地区の風景を異なる角度から楽しむことができ、人気があります。
残念な所
- 観光客の多さ: 特に週末や祝日、観光シーズンは多くの観光客で賑わいます。
- 商業化: お土産店や飲食店が多く、昔ながらの静かな雰囲気を求める方には少し賑やかかもしれません。
- 駐車場: 周辺の駐車場は数に限りがあり、混雑することがあります。
見どころスポット
- 倉敷川: 美観地区の中心を流れる川で、川沿いの柳並木と白壁の建物が絵になります。川舟流しは必体験です。
- 大原美術館: 日本初の西洋美術中心の私立美術館で、エル・グレコやモネなどの名画を鑑賞できます。
- 倉敷民藝館: 陶磁器、染織、木工など、日本の各地の優れた民芸品を展示しています。
- いがらしゆみこ美術館: 人気漫画家いがらしゆみこ氏の作品を展示する美術館です。
- 倉敷物語館: 倉敷の歴史や文化を紹介する施設で、休憩所としても利用できます。
- 本町・東町: 美観地区に隣接する通りで、古い町家をリノベーションしたおしゃれなショップやカフェが点在しています。
- 阿智神社: 美観地区を見下ろす高台にあり、境内からの眺めも素晴らしいです。
観光のヒント
- 午前中の早い時間や夕暮れ時は比較的空いており、落ち着いた雰囲気で散策できます。
- 川舟流しは人気があるので、事前に予約するのがおすすめです。
- 美観地区周辺には、三井アウトレットパーク倉敷など、他の観光スポットもあります。
- 倉敷の特産品であるデニムを使った商品もぜひチェックしてみてください。
倉敷美観地区は、日本の美しい風景と歴史、文化、グルメを堪能できる魅力的な観光スポットです。ぜひ、ゆっくりと散策してみてください。
4. 鬼ノ城(岡山県総社市)

岡山県総社市にある鬼ノ城(きのじょう)は、古代山城の代表的な遺跡の一つとして知られています。その歴史的な成り立ち、良い所、残念な所、そして見どころのスポットをご紹介します。
歴史的な成り立ち
- 鬼ノ城は、7世紀後半に築かれたと考えられている古代山城です。具体的には、白村江の戦い(663年)の後、唐・新羅の侵攻に備えて築かれた防衛施設の一つとされています。
- 築城の主体は、当時の朝廷であると考えられていますが、詳細は不明な点も多く、謎に包まれた城です。
- 「鬼」という名前から、古代の吉備地方に勢力を持っていたとされる鬼神・温羅(うら)の伝説と結びつけられることもありますが、直接的な関連性を示す史料は見つかっていません。
- 平安時代以降は次第に廃れていったと考えられています。
- 近年、発掘調査や研究が進められ、その構造や役割が明らかになりつつあります。
良い所
- 古代の壮大なスケール: 標高約400メートルの山頂に築かれた城壁は、全長約2.8キロメートルにも及び、当時の土木技術の高さを感じさせます。
- 眺望の良さ: 城壁の各所からは、眼下に広がる吉備平野を一望できる絶景が楽しめます。特に夕焼け時は格別です。
- 歴史ロマン: 古代の築城技術や、当時の政治情勢を想像させるロマンがあります。
- ハイキングコース: 城跡は整備されたハイキングコースとなっており、自然散策を楽しみながら歴史に触れることができます。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 比較的観光客が少なく、静かに歴史を感じたい方におすすめです。
残念な所
- アクセス: 公共交通機関でのアクセスはやや不便で、自家用車での訪問が便利です。駐車場から城跡までは少し歩く必要があります。
- 遺構の保存状態: 石垣の一部などが残っていますが、建物などの遺構はほとんど残っていません。当時の様子を想像するにはある程度の知識が必要です。
- 冬季の気候: 冬季は寒く、積雪や路面凍結の可能性もあります。
見どころスポット
- 西門跡: 鬼ノ城の主要な門の一つで、礎石などが残っています。ここからの眺めも素晴らしいです。
- 角楼跡: 城壁の隅に設けられた物見櫓の跡と考えられています。
- 水門跡: 城内に水を引くための施設跡と考えられています。古代の技術を知る上で貴重な遺構です。
- 屏風岩: 自然の巨岩を利用した防御施設と考えられています。
- 温羅展望台: 城跡の一角に設けられた展望台で、吉備平野を一望できます。
- 鬼ノ城ビジターセンター: 鬼ノ城の歴史や構造に関する展示があり、訪問前に立ち寄ると理解が深まります。
- ハイキングコース: 城壁に沿って整備された遊歩道を散策しながら、様々な遺構や自然を楽しむことができます。
観光のヒント
- 歩きやすい靴と服装で訪れるのがおすすめです。
- 水分や食料を持参しましょう。
- 事前に鬼ノ城に関する情報を調べておくと、より深く楽しめます。
- 天候に注意し、特に雨天後などは足元に注意してください。
- 時間に余裕があれば、麓にある総社市の他の史跡と合わせて巡るのも良いでしょう。
鬼ノ城は、古代日本のロマンを感じさせる魅力的な史跡です。壮大な自然の中で、悠久の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
5. 大原美術館(岡山県倉敷市)

大原美術館は、岡山県倉敷市にある、日本最初の私立西洋美術館として非常に有名な観光スポットです。倉敷美観地区の中心に位置し、美しい白壁の建物も印象的です。
歴史的な成り立ち
- 1930年(昭和5年)、倉敷の実業家・大原孫三郎が、長年の親友であり、画家の児島虎次郎の遺志を継ぎ、設立しました。
- 児島虎次郎は、孫三郎の支援を受けながらヨーロッパに留学し、多くの美術作品を収集しました。
- 開館当初は西洋美術が中心でしたが、後に日本の近代美術、東洋美術、工芸なども収蔵するようになりました。
良い所
- 質の高いコレクション: エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、ルノワールなど、世界的に著名な画家の作品を間近で見ることができます。日本の近代美術や東洋美術のコレクションも充実しています。
- 美しい建物: 白壁と柳並木が続く倉敷美観地区の景観に調和した、趣のある建物自体も見どころの一つです。
- アクセスの良さ: JR倉敷駅から徒歩約15分と、アクセスも比較的便利です。
- 周辺観光との連携: 倉敷美観地区には、他にも歴史的な建造物やおしゃれなショップ、カフェなどが点在しており、美術館と合わせて一日楽しめます。
- 創設者の理念: 大原孫三郎の「美は生活の向上に不可欠である」という理念に基づき、広く一般に美術を公開している点が素晴らしいです。
残念な所
- 館内撮影禁止: 作品保護のため、館内での写真撮影は基本的に禁止されています(一部、撮影可能な場所があります)。
- 展示替え: 定期的に展示替えが行われるため、訪れる時期によっては見たい作品が展示されていない可能性があります。事前に公式サイトなどで確認することをおすすめします。
- 混雑: 特に観光シーズンや週末は、多くの観光客で賑わいます。
見どころスポット
- 本館: エル・グレコの「受胎告知」、ゴーギャンの「かぐわしき大地」、モネの「睡蓮」、ルノワールの「泉」など、西洋美術の珠玉のコレクションを鑑賞できます。
- 分館: 日本の近代美術(岸田劉生、藤島武二など)、東洋美術(中国・朝鮮の陶磁器、染織品など)が展示されています。
- 工芸・東洋館: 河井寛次郎、バーナード・リーチなどの陶芸作品、中国の青銅器などが展示されています。
- 児島虎次郎記念館: 大原美術館の設立に尽力した画家・児島虎次郎の作品や関連資料が展示されています(美術館から少し離れています)。
- 美術館の建物外観: 白壁に蔦が絡まる美しい外観は、写真撮影スポットとしても人気です。
観光のヒント
- 事前に公式サイトで開館時間や展示内容を確認しておきましょう。
- 美術館周辺には駐車場が少ないため、公共交通機関の利用がおすすめです。
- 倉敷美観地区全体を散策する際に、大原美術館をコースに入れると効率よく観光できます。
- 美術鑑賞後には、美観地区のカフェで休憩したり、お土産を探したりするのも楽しいでしょう。
大原美術館は、美術ファンはもちろん、そうでない方も、美しい作品を通して豊かな時間を過ごせる場所です。倉敷を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
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