岡山県には倉敷美観地区や後楽園といった有名観光地がありますが、静かに楽しめる穴場的なスポットもあります。その中から2か所をご紹介します。
1. 八塔寺ふるさと村(備前市)

岡山県の穴場観光スポット:八塔寺ふるさと村
① 概要
八塔寺ふるさと村は、岡山県備前市吉永町にある、豊かな自然と古い茅葺き屋根の家並みが残る、のどかな山里です。かつて修験道の霊場として栄えた八塔寺の門前町として発展しました。現在では、その歴史的な景観を保存しつつ、自然体験や文化体験ができる観光スポットとして整備されています。都会の喧騒を離れ、日本の原風景に出会える場所として、静かに過ごしたい方におすすめです。
② 歴史的な成り立ち
八塔寺は、奈良時代に開かれたと伝えられる古刹で、最盛期には多くの僧坊が立ち並び、修験道の霊場として栄えました。その門前町として、参拝者や商人などが集まり、宿場町のような賑わいを見せていました。江戸時代には、岡山藩の庇護を受け、地域経済の中心地としての役割も担っていました。
明治時代以降、鉄道の発達などにより、八塔寺の参拝客は減少し、門前町も徐々に衰退していきました。しかし、その古い家並みや自然豊かな景観は失われることなく、地元の人々によって大切に守られてきました。
昭和後期に入り、この貴重な景観を後世に伝えようという動きが高まり、「八塔寺ふるさと村」として整備されることになりました。古い茅葺き屋根の家屋を修復・保存し、移築するなどして、往時の面影を再現しています。
③ 良い所
- 日本の原風景に出会える: 茅葺き屋根の家並みや石垣、田畑などが織りなす風景は、懐かしく、心安らぐ日本の原風景そのものです。
- 静かで落ち着いた雰囲気: 観光地化されすぎておらず、喧騒とは無縁の静かな時間を過ごすことができます。のんびりと散策したり、自然の中でリラックスしたりするのに最適です。
- 自然が豊か: 周囲は山々に囲まれ、四季折々の自然を楽しむことができます。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉など、いつ訪れても美しい景色が広がります。
- 歴史的な建造物: 古い茅葺き屋根の家屋は、当時の人々の暮らしぶりを垣間見ることができます。中には、資料館として公開されている建物もあります。
- 体験プログラム: 陶芸体験やそば打ち体験など、地域の文化や自然に触れることができる体験プログラムが用意されています(要確認)。
④ 残念な所
- 公共交通機関でのアクセス: 電車やバスの本数が少なく、公共交通機関でのアクセスはやや不便です。自家用車での訪問がおすすめです。
- 商業施設の少なさ: お土産店や飲食店などは限られています。食事などは事前に済ませておくか、持参することをおすすめします。
- 観光施設としての規模: 大規模なテーマパークのような施設ではなく、あくまで自然と古い家並みを静かに楽しむ場所です。エンターテイメント性を求める方には物足りないかもしれません。
- 冬季の閉鎖: 施設や体験プログラムによっては、冬季に閉鎖される場合があります。訪問前に確認が必要です。
⑤ 見どころのスポット
- 茅葺き屋根の家並み: ふるさと村の中心となる、保存された茅葺き屋根の家並みは必見です。ゆっくりと散策しながら、昔ながらの日本の風景を堪能してください。
- 八塔寺: ふるさと村の名前の由来となった古刹です。歴史を感じさせる本堂や鐘楼などを見学できます。
- ふるさと館: 茅葺き屋根の建物を活用した資料館で、八塔寺の歴史や地域の文化、生活に関する資料が展示されています。
- 展望台: ふるさと村や周辺の山々を一望できる展望台があります。特に夕暮れ時の景色は格別です。
- 自然散策路: ふるさと村の周辺には、自然を満喫できる散策路が整備されています。四季折々の草花や野鳥などを観察できます。
- 棚田: ふるさと村の周辺には、美しい棚田が広がっています。特に田植えの時期や稲刈りの時期は、日本の原風景を象徴するような景色を見ることができます。
八塔寺ふるさと村は、派手な観光地ではありませんが、日本の美しい原風景と静かな時間を提供してくれる、隠れた魅力を持つスポットです。喧騒を離れて、のんびりとした時間を過ごしたい方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。
2. 鷲羽山展望台(わしゅうざんてんぼうだい)(倉敷市)

岡山県の穴場観光スポット:鷲羽山展望台
① 概要
鷲羽山(わしゅうざん)は、岡山県倉敷市にある標高133メートルの小高い山です。山頂にある鷲羽山展望台からは、瀬戸内海の多島美、特に瀬戸大橋の全景を一望できる絶景スポットとして知られています。夕日の名所としても有名で、時間帯によって異なる美しい景色を楽しむことができます。手軽にアクセスできるにも関わらず、その絶景は訪れる人々を魅了し、地元の人々にとっては憩いの場、観光客にとっては忘れられない思い出となる場所です。
② 歴史的な成り立ち
鷲羽山は、古くから瀬戸内海の景勝地として知られていました。江戸時代には、岡山藩の藩主も訪れた記録が残っています。明治時代以降、観光地としての開発が進められ、山頂には休憩所などが設けられました。
現在の鷲羽山展望台が整備されたのは、瀬戸大橋の建設が大きく影響しています。1988年(昭和63年)に瀬戸大橋が開通すると、その雄大な姿を一望できる鷲羽山は、新たな観光スポットとして注目を集めました。展望台もこの時期に整備され、多くの観光客が訪れるようになりました。
名称の由来は、山容が鷲が羽を広げたように見えることから名付けられたと言われています。
③ 良い所
- 絶景: 何と言っても一番の魅力は、瀬戸内海の多島美と瀬戸大橋の壮大な景観を同時に見渡せることです。特に、夕日に染まる景色は息をのむ美しさです。
- 手軽なアクセス: 山頂の展望台まで車でアクセスしやすく、駐車場も完備されています。気軽に絶景を楽しむことができるのが魅力です。
- 四季折々の自然: 春は桜、秋は紅葉など、四季折々の自然を楽しむことができます。展望台周辺には遊歩道も整備されており、散策も楽しめます。
- 夕日の名所: 日本夕陽百選にも選ばれており、ロマンチックな雰囲気を味わえます。カップルや夫婦での訪問にもおすすめです。
- 写真撮影スポット: 瀬戸大橋を背景にした写真は非常に美しく、多くのカメラマンが訪れます。
- 周辺観光との組み合わせ: 倉敷美観地区や児島ジーンズストリートなど、周辺の観光スポットと合わせて訪れることができます。
④ 残念な所
- 展望台の老朽化: 一部の施設は経年劣化が見られる場合があります。
- 天候に左右される: 悪天候の場合は、景色を十分に楽しむことができません。特に、霧や雨の日は視界が悪くなります。
- 日陰が少ない: 夏季は日差しが強く、日陰となる場所が少ないため、暑さ対策が必要です。
- 夜間の照明: 夜間の照明設備は限られているため、夜景を楽しむ際は注意が必要です。
- 売店・飲食施設の規模: 展望台周辺の売店や飲食施設の規模は大きくありません。軽食や飲み物は事前に用意しておくと良いでしょう。
⑤ 見どころのスポット
- 鷲羽山展望台: 言わずと知れたメインスポット。瀬戸大橋全体の美しいアーチと、点在する島々の織りなす風景は圧巻です。望遠鏡(有料)も設置されており、より詳細な景色を楽しむことができます。
- 第二展望台・第三展望台: メインの展望台以外にも、少し離れた場所に第二、第三展望台があります。それぞれ異なる角度から瀬戸大橋や周辺の景色を眺めることができます。散策路を歩きながら、お気に入りのビューポイントを探すのもおすすめです。
- 夕日観賞ポイント: 展望台周辺には、夕日を美しく眺められるポイントがいくつかあります。事前に日の入りの時間を調べて訪れるのがおすすめです。
- レストハウスわしゅうざん: 展望台に隣接するレストハウスからは、食事をしながら景色を楽しむことができます。地元の食材を使った料理やお土産などを購入することもできます。
- 鷲羽山ハイランド: 展望台の近くには遊園地「鷲羽山ハイランド」があり、絶叫マシンなどスリル満点のアトラクションを楽しむことができます。家族連れにもおすすめです。
- 遊歩道: 展望台周辺には自然豊かな遊歩道が整備されています。散策しながら、様々な角度から景色を楽しんだり、季節の草花を観察したりすることができます。
鷲羽山展望台は、瀬戸内海の絶景を手軽に楽しめる、岡山県の隠れた名スポットです。ドライブやツーリングの途中に立ち寄ったり、夕日を見に訪れたりと、様々な楽しみ方ができるでしょう。
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