大阪府には多くの観光スポットがありますが、混雑を避けて静かに楽しめる穴場的な場所も存在します。以下に2か所をご紹介します。
1. 中之島バラ園(大阪市北区)

大阪府の穴場観光スポット:中之島バラ園
① 概要
中之島バラ園は、大阪市の都心部、堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島公園内にある美しいバラ園です。約3,700株、50種類もの多様なバラが植栽されており、春と秋の開花時期には、色とりどりのバラが咲き誇り、訪れる人々を魅了します。都会の喧騒を忘れさせるような、優雅で落ち着いた空間が広がっており、散策や写真撮影を楽しむのに最適な穴場スポットと言えるでしょう。入園は無料で、気軽に立ち寄れるのも魅力の一つです。
② 歴史的な成り立ち
中之島公園は、大阪府が最初に設けた都市公園の一つで、明治24年(1891年)に開園しました。バラ園が具体的に整備された時期は定かではありませんが、市民の憩いの場として長年親しまれてきた歴史の中で、徐々にバラが植えられ、現在の美しいバラ園へと発展していきました。1980年代には、本格的なバラ園として整備が進められ、品種の拡充や景観の整備が行われました。都心にありながら、豊かな自然と美しい景観を提供し続けているのは、長年にわたる市民の愛着と管理の賜物と言えるでしょう。
③ 良い所
- 都心にありながらアクセス抜群: 大阪の中心部に位置するため、仕事帰りや買い物のついでに気軽に立ち寄ることができます。複数の駅からのアクセスも良く、公共交通機関を利用しやすいのが魅力です。
- 無料で美しいバラを楽しめる: 入園料が無料であるため、気軽に美しいバラの数々を鑑賞できます。春と秋の開花時期には、様々な色や形のバラが咲き乱れ、訪れる人々を楽しませてくれます。
- 都会のオアシス: 周囲はオフィスビルや商業施設に囲まれていますが、バラ園の中は静かで落ち着いた雰囲気です。都会の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
- 写真撮影に最適: 美しいバラと周囲の景観が調和し、どこを切り取っても絵になるようなスポットです。特に開花時期には、多くのカメラ愛好家が訪れます。
- 散策に気持ちの良い空間: 手入れの行き届いた園内は、散策するのに最適です。バラの香りに包まれながら、ゆったりと園内を歩くのは心地よいものです。
④ 残念な所
- 開花時期以外は魅力が半減: バラが咲いていない時期は、緑の多い公園という印象で、バラ園としての魅力は大きく減少します。訪れる際は、開花情報を事前に確認することをおすすめします。
- 日陰が少ない: 開放的な空間であるため、日差しを遮るものが少なく、特に夏場は暑さを感じやすいかもしれません。日焼け対策や水分補給をしっかりとする必要があります。
- 混雑する時期がある: 春と秋のバラの見頃の時期や週末は、多くの人で賑わいます。静かに鑑賞したい場合は、平日の午前中など比較的空いている時間帯を選ぶと良いでしょう。
- 飲食施設は限られる: バラ園内に本格的な飲食施設はありません。軽食や飲み物は事前に用意するか、周辺のカフェなどを利用する必要があります。
⑤ 見どころのスポット
- バラのアーチ: 園内にはいくつかのバラのアーチが設けられており、つる性のバラが美しく絡みついています。アーチの下を歩くと、バラの香りに包まれ、ロマンチックな雰囲気を楽しめます。
- 品種ごとの花壇: 様々な品種のバラが、それぞれの特徴を生かして植えられています。花の色や形、香りなどをじっくりと観察し、お気に入りのバラを見つけるのも楽しいでしょう。
- 堂島川・土佐堀川沿いの遊歩道: バラ園に隣接する川沿いの遊歩道からは、バラ園の美しい景色とともに、対岸のビル群や水面を眺めることができます。夕暮れ時には、ロマンチックな雰囲気が漂います。
- 中央の噴水: バラ園の中央には噴水があり、涼しげな水の音とバラの美しさが調和した景観を楽しめます。噴水の周りは休憩スポットとしても最適です。
- 夜間のライトアップ(期間限定): 開花時期には、夜間にバラ園がライトアップされることがあります。昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しむことができます(実施される場合は事前に情報をご確認ください)。
中之島バラ園は、大阪の喧騒の中で、美しいバラと穏やかな時間を過ごせる貴重なスポットです。開花時期に合わせて訪れ、その魅力を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
2. 四天王寺夕陽丘エリア(大阪市天王寺区)

大阪府の穴場観光スポット:四天王寺夕陽丘エリア
① 概要
大阪市天王寺区に位置する四天王寺夕陽丘エリアは、聖徳太子建立の古刹・四天王寺を中心に、歴史と文化、そして美しい夕陽が魅力的なエリアです。大阪の中心部にありながら、喧騒から離れた落ち着いた雰囲気が漂い、歴史好きや散策を楽しみたい方におすすめの穴場スポットと言えるでしょう。寺院の荘厳な雰囲気、周辺に残る歴史的な建造物、そして大阪平野を一望できる夕陽の絶景が、訪れる人々を魅了します。
② 歴史的な成り立ち
四天王寺は、飛鳥時代の推古天皇元年(593年)に聖徳太子が建立したと伝えられる、日本最古級の寺院の一つです。仏教の興隆と国家の安寧を祈願して建てられ、創建当初は七堂伽藍を備えた壮大な寺院でした。
夕陽丘という地名は、その名の通り、西方に沈む美しい夕陽を眺めるのに適した場所であったことに由来します。古くから、この地は夕景の名所として知られており、多くの人々に親しまれてきました。
江戸時代には、四天王寺の門前町として栄え、多くの茶屋や商店が軒を連ねました。また、周辺には武家屋敷なども置かれ、歴史的な景観が形成されました。明治以降、都市化が進む中でも、四天王寺とその周辺は比較的静かな環境が保たれ、歴史的な遺構が大切に守られてきました。現在でも、寺院の伽藍配置や周辺の石畳の道などに、往時の面影を偲ぶことができます。
③ 良い所
- 歴史と文化の深み: 聖徳太子ゆかりの古刹・四天王寺をはじめ、数多くの寺社仏閣が集まっており、日本の歴史と文化を深く感じることができます。
- 落ち着いた雰囲気: 大阪の中心部に近いながらも、騒がしさがなく、静かで落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。
- 美しい夕陽: その名の通り、大阪平野を一望できる夕陽の絶景は必見です。特に、伽藍を背景に沈む夕日は格別な美しさです。
- 散策の楽しさ: 四天王寺の境内や周辺の小道は、歴史的な建造物や石碑などが点在しており、散策するだけでも楽しめます。
- アクセス: 大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」からすぐと、公共交通機関でのアクセスが便利です。
- 多様な見どころ: 四天王寺の伽藍だけでなく、周辺には個性的な寺社や史跡、公園など、多様な見どころがあります。
④ 残念な所
- 観光地としての知名度: 京都や奈良などの有名な古都と比べると、観光地としての知名度はやや低いかもしれません。
- 商業施設の少なさ: 賑やかな商店街や商業施設は少なく、食事や買い物をする場所は限られます。
- 坂道が多い: 夕陽丘という名の通り、エリア内には緩やかな坂道が多いです。足腰に不安のある方は、少し注意が必要です。
- 夜間の雰囲気: 日中は落ち着いた雰囲気ですが、夜間は人通りが少なくなる場所もあります。
⑤ 見どころのスポット
- 四天王寺: 五重塔、金堂、講堂などが一直線に並ぶ伽藍配置は、創建当時の姿を今に伝える貴重なものです。特に、極楽浄土の庭を模したとされる庭園は、都会の喧騒を忘れさせてくれる静寂な空間です。毎月21日には「弘法市」、22日には「太子市」が開かれ、多くの人で賑わいます。
- 一心寺: 多くの人々の遺骨を納めた「お骨仏」で知られる寺院です。独特の雰囲気があり、訪れる人に深い印象を与えます。
- 安居天満宮: 菅原道真ゆかりの神社で、「天神さん」として地元の人々に親しまれています。境内には、道真が腰掛けたとされる「腰掛石」があります。
- 清水寺: 京都の清水寺を模して建てられたと言われる寺院で、舞台造りの本堂からは大阪の街並みを一望できます。特に夕暮れ時の眺めは格別です。
- 愛染堂勝鬘院(あいぜんさん): 縁結びの神様として知られるお寺です。多宝塔は国の重要文化財に指定されています。
- 茶臼山: 大坂夏の陣の激戦地となった場所です。現在は公園として整備されており、小高い丘の上からは四天王寺や大阪市内を一望できます。夕陽を眺めるのにも最適なスポットです。
- 天王寺公園(一部): エリアの南側に隣接しており、美術館や動物園などがあります。散策のついでに立ち寄るのも良いでしょう。
四天王寺夕陽丘エリアは、大阪にいながらにして歴史と美しい自然に触れることができる、魅力的な穴場観光スポットです。喧騒を離れて、ゆっくりと散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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