富山県には、混雑を避けてゆっくりと過ごせる穴場的な観光地がいくつかあります。以下に、特におすすめの2か所を紹介します。
1. 大岩山日石寺(富山県中新川郡上市町)

大岩山日石寺
① 概要
大岩山日石寺(おおいわさんにっせきじ)は、富山県上市町にある真言密宗の古刹です。険しい岩壁に囲まれた山中にあり、本堂の奥には巨大な磨崖仏(まがいぶつ)が彫られていることで知られています。自然豊かな場所にあり、静かで神秘的な雰囲気が漂う、まさに穴場と呼ぶにふさわしい観光スポットです。
② 歴史的な成り立ち
大岩山日石寺は、奈良時代の天平年間(729~749年)に、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開創したと伝えられています。険しい岩山で修行するのに適した地として選ばれ、古くから山岳信仰の霊場として栄えました。
平安時代には、真言宗の僧侶によって寺院としての基礎が築かれ、鎌倉時代には源頼朝の帰依を受け、七堂伽藍を備える大寺院となりました。戦国時代には兵火で多くの建物を焼失しましたが、江戸時代に加賀藩の庇護を受け再興されました。
特に有名なのは、本堂の奥にある高さ約6メートルの不動明王の磨崖仏です。鎌倉時代に名僧・円覚上人が刻んだとされ、迫力ある姿は訪れる人々を圧倒します。
③ 良い所
- 迫力満点の磨崖仏: 巨大な岩壁に直接彫られた不動明王の姿は圧巻で、他ではなかなか見られない光景です。その力強い表情と繊細な彫刻は、見る者の心に深く刻まれます。
- 豊かな自然と静寂: 険しい山中に位置するため、周囲は豊かな自然に囲まれており、静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝や散策を楽しむことができます。
- 歴史と信仰の深さ: 奈良時代から続く由緒ある寺院であり、長い歴史の中で多くの人々の信仰を集めてきた霊場としての重みを感じることができます。
- 修行の場としての雰囲気: 現在も修行が行われている寺院であり、厳かで清浄な空気が漂っています。滝行場などもあり、山岳信仰の雰囲気を肌で感じることができます。
- 四季折々の景観: 春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の美しい自然を楽しむことができます。特に紅葉の時期は、磨崖仏と紅葉のコントラストが絶景です。
④ 残念な所
- アクセス: 公共交通機関でのアクセスはやや不便で、自家用車での訪問が推奨されます。駐車場から寺院までは階段や坂道が続くため、足腰に不安のある方には少し負担かもしれません。
- 周辺施設の充実度: 観光地化された場所ではないため、土産物店や飲食店などの周辺施設は限られています。
- 天候による影響: 山間部に位置するため、天候によっては足元が悪くなったり、磨崖仏が見えにくくなったりする場合があります。
- 虫が多い時期: 夏場など、自然豊かな場所ならではの虫が多い場合があります。虫除け対策をして訪れると良いでしょう。
- 階段の多さ: 本堂や磨崖仏へたどり着くまでに多くの階段を上る必要があります。
⑤ 見どころのスポット
- 不動明王磨崖仏: 何と言っても一番の見どころです。岩壁に直接彫られた巨大な不動明王は、その迫力と繊細さに見入ってしまいます。
- 本堂: 歴史を感じさせる趣のある建物です。静かに参拝し、寺院の雰囲気を味わいましょう。
- 滝行場: 寺院の奥には滝行が行われる場所があります。修行者の厳しい姿を見ることはできませんが、その場の清らかな空気を感じることができます。
- 護摩堂: 定期的に護摩祈祷が行われるお堂です。護摩の炎や煙、僧侶の読経は、神秘的な雰囲気を醸し出します。
- 参道: 自然豊かな参道をゆっくりと散策するのもおすすめです。木々の間から差し込む光や、鳥のさえずりなどを楽しむことができます。
- 展望台(奥の院付近): 奥の院付近からは、砺波平野の美しい景色を一望できます。天気が良ければ、遠くの山々まで見渡せる絶景スポットです。
大岩山日石寺は、手つかずの自然の中にひっそりと佇む、神秘的な魅力あふれる場所です。喧騒を離れて、歴史と信仰の深さ、そして自然の雄大さを感じたい方には、ぜひ訪れていただきたい穴場スポットです。
2. 雨晴(あまはらし)海岸(富山県高岡市)

富山県の穴場観光スポット:雨晴海岸
① 概要
雨晴海岸(あまはらし海岸)は、富山県高岡市にある景勝地です。万葉集にも詠まれた歴史ある場所であり、富山湾越しに望む雄大な立山連峰の眺めが非常に美しいことで知られています。特に冬の晴れた日には、雪をまとった白銀の立山連峰が海面に映り込み、息をのむような絶景が広がります。近年では、JR氷見線の線路が海岸線すぐそばを通っており、列車と立山連峰を一緒に写真に収めることができるスポットとしても人気を集めています。
② 歴史的な成り立ち
雨晴海岸という名前の由来は、源義経が奥州へ落ち延びる際に、にわか雨にあい、岩陰で雨宿りをしたという伝説にちなんでいます。この時、義経が身を隠したとされる岩は「義経岩」として現在も残っており、雨晴海岸のシンボルの一つとなっています。古くから歌に詠まれるほどの景勝地であり、人々に親しまれてきた場所です。江戸時代には、加賀藩の藩主もこの地の景観を愛でたと伝えられています。
③ 良い所
- 息をのむ絶景: 何と言っても、富山湾と立山連峰が織りなす雄大な景色は圧巻です。特に冬の晴れた日の眺めは格別で、自然の力強さと美しさを同時に感じることができます。
- 歴史と伝説: 源義経にまつわる伝説が残る場所であり、歴史好きにとっても魅力的なスポットです。義経岩をはじめ、歴史を感じさせる場所が点在しています。
- 鉄道写真の絶好のロケーション: JR氷見線の列車が海岸線すぐそばを走るため、海と立山連峰を背景にした鉄道写真を撮影することができます。特に夕暮れ時や早朝は、幻想的な雰囲気を醸し出します。
- アクセスが良い: 高岡市内に位置し、公共交通機関や車でのアクセスも比較的容易です。周辺には道の駅「雨晴」など、休憩施設も整備されています。
- 四季折々の風景: 春は新緑、夏は海水浴、秋は紅葉と、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。特に冬の雪景色は多くの人を魅了します。
④ 残念な所
- 天候に左右される: 立山連峰の眺望は天候に大きく左右されます。曇りや雨の日には、その雄大な姿を望むことができない場合があります。
- 海水浴シーズン以外の賑わい: 夏の海水浴シーズン以外は、比較的静かな場所です。賑やかな観光地を求める方には物足りないかもしれません。
- 駐車場: シーズンや時間帯によっては、駐車場が混雑することがあります。特に冬の晴れた日は、多くのカメラマンや観光客が訪れるため、早めの到着がおすすめです。
- 周辺施設の少なさ: 飲食店やお土産店などの商業施設は、道の駅「雨晴」などに限られます。食事や買い物を楽しみたい場合は、事前に調べておくことをおすすめします。
⑤ 見どころのスポット
- 義経岩: 雨晴海岸のシンボルとも言える巨岩。源義経が雨宿りをしたという伝説が残っています。岩の形や周囲の景色と合わせて楽しめます。
- 女岩: 義経岩の近くにある、少し ছোটな岩。地元では夫婦岩のように語り継がれています。
- 道の駅「雨晴」: 海産物やお土産の購入、食事などができる施設です。屋上からは雨晴海岸と立山連峰を一望できる絶好のビューポイントとなっています。
- JR氷見線沿線: 海岸線沿いを走るJR氷見線の列車と立山連峰を一緒に撮影できるポイントがいくつかあります。時刻表を確認して、お気に入りのアングルを探してみましょう。
- 雨晴海岸の砂浜: 天気の良い日には、砂浜を散策しながら景色を楽しむのもおすすめです。特に夕暮れ時は、ロマンチックな雰囲気に包まれます。
- 義経岩展望台: 少し高台にあり、雨晴海岸全体を見渡せる展望台です。写真撮影にも適したスポットです。
雨晴海岸は、雄大な自然と歴史ロマンが融合した、富山県ならではの魅力的な穴場観光スポットです。天候に恵まれれば、忘れられない絶景に出会えるでしょう。
【JTB】国内旅行(宿泊+ツアー)予約サイト